会議録全文
 

 

15 平成十三年九月定例会(平成十三年九月二十五日質問)

・自然エネルギーの導入促進について (環境政策・太陽エネルギー活用・風力発電の海上ポイント調査・大規模風力発電導入・組織の一元化・有識者検討協議会の設置・NGO支援・新エネルギービジョンの数値目標)
・教育問題について
(知事の教育理念・新学習指導要領・学力低下への懸念・教科担任制の導入・教職員の増員・子供の週末活動支援・理科離れ・指導要録の絶対評価)

[答弁] 知 事  浅野史郎君    
     教育長  千葉眞弘君     
     企業局長  齋藤 進君


    〔二十番 秋葉賢也君登壇〕
◆二十番(秋葉賢也君) 先般のアメリカに対する同時多発テロは、まさに卑劣な暴挙であり、テロリズムの根絶に向けて国際社会は総力を結集していかねばなりません。まるで映画のワンシーンを見ているような信じがたい光景を目の前にして直観的に思ったことは、もしアメリカの大統領がジョージ・ブッシュではなくアルバート・ゴアであったならば、果たして今回の惨劇は生じなかったのではないか、少なくてもこれほどの規模には至らなかったのではないかという思いでした。
 ブッシュ政権の最大の特徴はユニラテラリズムにあり、前政権が署名していた包括的核実験禁止条約や国際刑事裁判所設立条約への反対表明を初め、京都議定書への批准を否定するなど一方的な外交姿勢が鮮明化しており、甚だ遺憾に思っております。
 今県議会では、京都議定書の早期批准と地球温暖化防止対策の推進を求める意見書の議決を予定しておりますが、とりわけ環境問題に熱心に取り組んできたゴアであれば、京都議定書から離脱することはなかったでありましょう。いわば、それだけトップリーダーの指導力は絶大であり、ゆえに、その資質や政策の中身が決定的な意味を帯びてくるのだと言えます。知事は三期目の立候補に際して、環境政策の分野では具体的にどのような公約を掲げられるのでしょうか、できるだけ詳しくお示しください。
 本県の環境行政は、過去、自然環境の保全やスパイクタイヤ規制への取り組みを初め、全国的に見ても少なからず先駆的な実績を上げてまいりました。しかしながら最近は、環境基本条例の制定などほとんどが国の政策に準じて後追いで実施されてきたものばかりで、具体的な中身を見ても、例年わずかな予算措置の中で、県庁内向けの取り組みや普及啓発事業に限定されてきております。もちろん、それらも大切な施策であることは言うまでもありませんが、要するに、宮城県ではこれに力を入れていますと一言で言えるようなシンボリックな環境政策が皆無だということです。もっと宮城発の先導的なプロジェクトへの挑戦が必要ではなかったかと痛感いたしております。
 NHKの番組「プロジェクトX」は、先進的な事業に果敢にチャレンジしてきた人物を取り上げており、毎回、目頭が熱くなる感動的な内容で、大変鼓舞される思いで見ております。反面、なぜ政治家や行政マンが登場しないのか、胸に手を当てて考えてみる必要があるかもしれません。地域主権時代の地方行政の展開の中にこそ「プロジェクトX」の精神が求められております。
 二十一世紀、宮城県は、まず第一に環境先進県を目指していくべきです。私は、本県の環境戦略の中枢に、宮城らしい地域特色を生かした自然エネルギーの積極的な導入の促進と、節電は究極の自然エネルギーであるという観点から、省エネルギー対策の取り組み強化とあわせて据えていくべきだと考えております。このため、我々も、さきの議会で新たに設置した自然エネルギー調査特別委員会において、実効性のある条例づくりを念頭に置きながら、有識者からのヒアリングや現地調査を実施するなど極めて精力的に活動してまいりました。
 地球温暖化の防止対策に不可欠な温室効果ガスの約九割を占める二酸化炭素の排出抑制は、今日、一向に進展しておりません。一九九〇年レベルに比較して、十年後には六%削減するという目標を達成することは事実上困難な状況にあり、逆に六%増加しているのが今の実態であります。二酸化炭素を排出しない自然エネルギーは、温暖化防止や自然環境の保全はもちろん、経済や地域の活性化、雇用の確保などの波及効果にも期待することができる、環境負荷の小さい再生可能エネルギーであります。
 本県の地域特性から見て、例えば、仙台市の年間日照時間は千八百四十三時間で、東京都よりも三十二時間も多く、比較的日照量に恵まれた地域であり、太陽エネルギーの積極的な活用が有効であります。しかしながら、本県の太陽光発電システムの設置件数は、過去十年間で千件にも満たないなど、極めて低調な普及水準にあります。NEFなどを通した国の補助事業なども、残念ながら来年度で終了する見通しになっている中、他の自治体に見られるような県単での補助、融資、融資のあっせん、利子補給などを創設するなど、太陽エネルギーといえば宮城県と言われるような取り組み強化が必要だと思いますが、いかがでしょうか。
 また、風力発電の利用に関しては、一般に本県の場合、十分な風況を得られる適地が少ないと言われており、実際、本格的な導入の実績はまだありません。しかし、本当に適地がないのでしょうか。県内五カ所を選定して平成八年にまとめられた宮城県風況調査報告書は、NEDOの全国風況マップと気象庁のアメダスのデータをもとにして、予測値を推計しただけにすぎません。今後、この調査結果を参考にしながらも、やはりきちんとした実測調査を実施するべきだと強く提案いたします。
 その際、具体の実施箇所としては、年平均五・八から六・五メーターと推計された山岳部の七ケ宿と沿岸地域の石巻エリアの陸上ポイントに加えて、最低限でも、いまだ調査例のない海上での精査、具体的には、牡鹿半島や石巻、気仙沼沿岸における海上ポイントでの新規実測調査が必要だと思いますが、いかがでしょうか。
 我が国でも、九〇年代に入ってようやく導入されてきた大規模風力発電の魅力は、太陽光発電などが主に自家消費に制約されがちなのに対して、一定の発電量が得られることから、売電が可能になるという点にあります。平成十二年三月に運輸省港湾局がまとめた港湾・沿岸域における風力発電導入調査報告書は、本県のように必ずしも陸地では十分な風況が得られないとされる地域にとって極めて示唆的な可能性を指摘いたしております。知事にも必ず目を通していただきたいと思っておりますが、ごらんになったことはありますでしょうか。
 すなわち、陸上に比べて海上は安定した風力が得られやすく、乱流強度が小さいために風速が強く、風力は風速の三乗に比例することから、海上は最も優位な適地だと言えます。しかも、また、一般に陸上での設置よりも海上への設置コストの方が安価であり、しかも沿岸域には既設の送電線が比較的近くに設置されているため、送電が容易になるという利点もあります。更に将来的には、風力発電で得られる大量の電力を活用して、海の豊富な水を分解して得られる水素エネルギーを生み出していくことも可能になります。日本ではまだ海上での設置実績はなく、日本初となる海上風車を計画してきた北海道の瀬棚町も、北海道電力との売電契約をめぐり、残念ながら、現在、凍結状態にあります。
 海上、洋上での風力発電事業はすぐれたポテンシャルを有しており、風車大国デンマークでも、最近は洋上での建設が多くなってきております。例えば、我が県の地域特性を生かした太陽光発電とのハイブリッド方式なども視野に入れながら、導入の実現を目指していくべきプロジェクトだと確信しておりますが、知事の御見識と、これを選挙公約に掲げるお考えがあるのかどうかお聞かせください。
 また、自然エネルギー全般にわたって一層の導入促進を図るため、現状の縦割りの庁内組織を一元化する改革が必要であるとともに、外部の有識者や関係者との検討協議会を早急に組織すべきだと考えますが、あわせて、いかがでしょうか。
 一方、今や風力発電事業は実証研究の段階から、十分にペイのできる魅力的な環境ビジネスとして成長しており、その設置主体としては、民間事業者や自治体はもとより、NPOなどへの支援も含めた第三セクター方式などが想定されます。都道府県レベルでは、既に高知県や岩手県、群馬県、石川県などの企業局が風力発電の売電事業に取り組んでおりますが、本県でも企業局が主体となって風力発電事業に取り組んでいこうとする意欲があるのかどうか、お伺いいたします。
 更に、NGOのみやぎ・環境とくらし・ネットワークでは、新たに風力発電事業に取り組んでおりますが、実際、資金面での支援は難しいかもしれませんが、法制度上の課題も少なくないことから、県としてもポジティブな態度で支援していく必要がありますが、いかがでしょうか。
 この件の最後に、以前にも指摘しましたが、平成九年に策定された本県の新エネルギービジョンは極めて具体性に乏しく、数値目標などを明示した上で早急に改定すべきと考えますが、その時期を含めて、再度お尋ねいたします。
 同時に、県内市町村ではいまだ二市五町のみの策定状況にすぎず、県の姿勢も疑問視されますが、一体、何を指導なさってきたのでしょうか。
 いずれにしても、海上における風力発電事業は、宮城県版のプロジェクトXにも値するようなチャレンジングなものであり、知事にはトップセールスマンとしての役割を大いに発揮していただきたいと思いますし、関係職員の皆さんにも、どんどん庁外に出てもらい、第一線の営業マンとして対外的なアプローチの積極化をぜひお願いしたいと存じます。
 次に、教育問題についてお伺いいたします。
 かつてイギリスのブレア首相は、首相就任前、あなたの考える政府の主要な政策は何ですかという質問に対して、政府の重要で主要な政策は三つある。それは、教育、教育、教育だと強調していた姿が極めて心に残っております。知事はさきの三選出馬表明の中で、今後取り組むべき政策の方向性を四つ掲げられました。環境政策への言及がなかったことは極めて残念に思われますが、その中の一つに、すばらしい教育の確立があります。知事御自身の教育理念とは何なのか。特に重視している課題や施策をお示しいただきながら、より具体的な施策としてどのような公約を示すお考えなのか、お伺いいたします。
 教育の理念や目的をどのように見出すのか。これはすぐれて哲学的な課題であり、科学では決して解決できないものだと思います。私は、つまるところ、個人としてどう生きるかがやがて社会全体のありようを規定することになることを考えますと、知事の言う百年後を見越したビジョンの中核に位置づけられるべきものこそ、人づくり、教育ビジョンでなければならないと思います。
 さて、国が検討してきた教育ビジョンの一つの回答がいよいよ来年度から施行されます。すなわち、来年度からの完全学校週五日制に対応し、新しい学習指導要領が平成十四年度から小中学校で、十五年度からは、高校で実施されるようになります。新学習指導要領は、学力観の転換を求めており、ゆとりある教育活動の中で、一、みずから学び、みずから考える力。二、自分を律しながら他と協調して仕事を進めることができる豊かな人間性。三、たくましい心と体の三点を柱として、生きる力の育成を目標に掲げております。まさに、ここ二十数年来続いてきたゆとり教育の総仕上げともいうべき内容であり、我が国の教育の進路を大きく左右することになるのは間違いないでしょう。
 それほどの大幅な改訂内容であるにもかかわらず、これまでのところ、少なくても小中学校に通う児童・生徒の保護者に対して、改訂内容の説明などが十分なされていないのはまことに問題ではないでしょうか。実際、私自身の実感として、周囲の保護者のほとんどは、週五日制に移行することは承知しておりますが、学習内容が三割削減されることや、指導要録の見直しなど、何がどう変わるのかよくわからないという戸惑いを示す保護者の方が多い状態にあります。いたずらに不安や混乱を引き起こしてはなりませんが、県教委や各教育委員会が改訂内容のポイントなどをわかりやすくまとめた資料を作成し、それを各学校を通して該当する保護者のすべてに対して周知するとともに、必要に応じて説明会を実施するなど、十分な説明責任を果たしていくべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 実質的に我が国の教育内容を決定づけている学習指導要領が、国会審議を経た法律で規定されるのではなく、省令以下の手続で決められており、閣議了解さえ不要なこと自体、そもそも看過できない構造的な大問題だと断じざるを得ません。いずれにしても、今回の新たな学習指導要領の実施を前にして憂慮、懸念される点と評価できる点に分けて、以下、お伺いいたします。
 まず、憂慮、懸念される点として、早くから学力低下への危機感が高まっております。子供が主体的に学ぶ総合的な学習の時間が新設されたこともあり、従来の必修教科の学習内容が三割削減され、総授業時間で見ても年間七十時間減少したことによって、来年から使用される小中学校の教科書は、大幅にスリム化されました。
 例えば小学校では、国語の漢字の書き取りは千六字から八百二十五字に減少し、算数では三けた同士の掛け算や、小数点第二位以下を含む計算、台形の面積を求める公式などが姿を消しました。一方、中学校では、英語教科書の英単語数が約千語から約九百語に減らされ、このうち必修の英単語は従来の五百七からわずか百へと激減し、数学では球の表面積や体積、三角形の重心などの項目がなくなりました。いかに従来の知識偏重の詰め込み式教育への反省があったとはいえ、今回の大幅削減による本格的なゆとり路線への転換によって、みずから考える力や生きる力が助長されるとは、私には到底考えられません。とりわけ算数や国語の三割削減は、かえって思考の基礎を薄弱なものにさえしかねないと私は思っております。
 私自身は、この時代の変化に応じて必要とされる学習の内容が変わっていくことは、むしろ当然のことだと思いますが、子供たちの学習意欲の低下に対応するために教科内容を削減するのだとすれば、本末転倒も甚だしいと言わざるを得ません。世界各国の潮流は、むしろ基礎学力の向上を公教育の目標に掲げており、例えば、九八年における主要各国の中学校の年間授業時間を比べてみますと、日本は八百七十五時間で、二十六カ国中十八位で、十位のアメリカよりも約百時間も少なく、特に国語や数学といった基礎教科では、平均を二十五時間程度下回っております。
 生きる力や個性といった測定不能な目標では、公教育の責任が問われなくなるおそれがあると同時に、基礎学力の軽視は、やがて我が国の将来に大きな禍根を残すことになると確信いたしております。現に、首都圏や大都市圏を中心として公立学校に対する不信感が増幅傾向にあり、いわゆる公立学校離れという現象が顕在化してきております。少子化時代にもかかわらずと言うべきなのか、あるいは少子化時代だからこそなのか、その両面性があるにせよ、私立の学校は、数年前から過熱ぎみとも言える人気を集めており、皮肉なことに受験競争はますます低年齢化しているのが実態であります。
 そもそも子供たちの個性や創造力といった能力も、本来的にはしっかりとした基礎学力が素地となって生まれてくるものであり、わがままや空想とは根本的に違うわけですから、基礎学力の定着こそが公教育の使命でなければなりません。
 今日では、分数計算が満足にできないなど、大学生の学力低下の問題も多くの識者が指摘しているところであります。このことは、大学のあり方そのものが問われると同時に、むしろ初等教育課程の重要性を示す証左でもあります。世界的に見ても、研究の分野によって多少は異なりますが、非常に大きな創造、すぐれた成果を上げた人たちは二十代が多く、我が国では湯川秀樹博士がそうでしたし、西澤潤一先生が最初にPINダイオードを見つけたのは二十三歳のときでした。ちなみに、アインシュタインが相対性理論を発表したのは二十七歳のときです。これらは一部の極端な例示のように思われるかもしれませんが、事実として枚挙にいとまがないほど認められるものであり、初等・中等教育における基礎学力の重要性を雄弁に示していると思います。義務教育課程における今回の大改訂による学力低下への懸念をどのように受けとめているのか。また、指摘してきたような懸念にどのように対応していく方針なのか。文部科学省の見解は承知しておりますから、県教委としての重点施策など、教育長のお考えをお伺いしたいと存じます。
 総務省の家計調査の推移を調べてみますと、高額の所得者層になればなるほど塾などへの教育費に費やす割合が高くなっており、学歴と高収入を再生産する姿が鮮明に浮かび上がってきます。もっとも、今や苦学生という言葉が死語に思えるほど我が国の家計は向上し、全体的に見れば、むしろ教育の機会均等は拡大の一途をたどってきたことも事実です。しかし反面、やはりその内実においては、保護者の所得水準と学力ないしは進学状況とは比例するという構図が存在していたのではないかと想定されます。
 今度の三割削減の中で、私が最も危惧しているのが、実はこの点にあります。つまり、仮に個々の子供たちの学習意欲に差異がない場合、保護者の経済力の相違に応じて、学習塾などでのフォローアップの機会が持てる子供と持てない子供の格差の問題を公教育としてどのようにとらえていくべきなのか。また、そもそも積極的に介入すべき課題なのかどうかも含めて検討していかなければならない深遠な課題だと思います。この点に関して、教育長の率直な御見識をお聞かせください。
 文部科学省は、新学習指導要領で定めた内容はあくまでも最低基準であり、子供の理解度に応じた指導として、発展的又は補充的な学習を学校判断で進めるよう要請しております。このこと自体が、実は学力低下を懸念する世論に押し切られた結果であり、来年度から全国の小中学校約千校を学力向上フロンティアスクールに指定した上で、習熟度別の授業や、それぞれに適した教材開発、小学校での教科担任制導入などについて研究事業に着手し、それらの成果を全国の学校に普及させるといたしております。
 私は、この取り組みへの成否いかんが極めて重要なかぎを握ってくると思っております。学校ごとに重点事項に特色を持たせるなど、でき得る限り最大限の規模で臨むべきだと考えますが、まず、本県における小中学校それぞれの指定校数の規模や地域的なバランスをどのように想定しているのか。また、習熟度別指導には教職員の増員や教室増などのための新たな予算措置が必要になりますが、県単での上乗せを含め検討する用意があるのか、更にその取り組み方針について具体的にお示しください。
 ところで、すべての土曜日が休みになる学校五日制がスタートすることに伴い、自営業者や共働きの家庭など、仕事の都合などで十分な対応ができない家庭がふえることが予想されます。このため文部科学省は、子供の週末の活動を支援するため、すべての都道府県に、地域教育力・体験活動推進協議会を設置するといたしております。この協議会で大方の方策を検討した上で、具体的な活動内容はそれぞれの地域の工夫にゆだねることになると思いますが、異年齢の子供や高齢者との交流、身近な環境学習や自然体験、ボランティア活動など多様なメニューを提示するとともに、広く協力者を募り、可能な限り地域社会全体がかかわる体制を構築していくことが一番のポイントであり、最も時間のかかることだと思われますので、速やかに対応していく必要がありますが、ここで現況と見通しについてお伺いしたいと存じます。
 さて、新学習指導要領には、これまで指摘してきたような懸念される点が多々ある一方で、評価できる点もあります。まず、体験的な学習も取り入れながら、子供たちの興味、関心、意欲を重視し、みずから考える力を養うとする総合的な学習の時間が新設され、小学校で百時間以上、中学校で七十から百時間ほど導入されることは評価できる取り組みであり、その成果に期待したいと思っております。
 ただし、ほとんど前例のない取り組みであるがゆえに、教師の資質の差異による指導内容の格差を懸念せざるを得ません。実際、教科書なしに充実した授業ができる教員は、そう多くはないでしょう。したがって、事前に教師の研修を徹底するとともに、すぐれた実施例の内容を普及させていくことが大切になってくると思いますが、いかがでしょうか。
 また、最近顕著になっている、子供たちのいわゆる理科離れにも配慮した将来の展望も積極的に試みていくべきだと考えますが、どうでしょうか。
 次に、評価したい点として挙げられるのは、通信簿の原簿となる指導要録の成績評価方法が、従来の集団内での順位を基準とする相対評価から、一人一人の到達度を見る絶対評価に改められたことです。例えば、本県では、観点別学習状況についてはこれまでも絶対評価でしたが、評定については相対評価が基本でした。このため、私はかねてから絶対評価への転換を提言してまいりました。
 やはり、クラスの大半が高いレベルの学習成果を得た場合には、大半がよい評定を得る方が自然であり、子供たちのやる気も向上すると思います。相対評価は序列化しがちであり、その客観性が確保されにくく、不適切だと言えます。しかし、例外的に高校受験の内申書などに必要な場合は、従来の相対評価による点数も使用できることになりましたが、本県ではこれにどう対応していくつもりでいるのか。また、いずれ高校入試問題の内容などの見直しも必要になると思いますが、あわせて最後にお伺いいたします。
 どうか、浅野知事のセンス・オブ・ワンダーが、環境政策や教育の問題にも遺憾なく発揮されることを念じつつ、私の質問を終わります。
○副議長(長島秀道君) 知事浅野史郎君。
    〔知事 浅野史郎君登壇〕
◎知事(浅野史郎君) 秋葉賢也議員の御質問にお答えをいたします。
 大綱第一点目、自然エネルギーの導入促進についての御質問にお答えをいたします。
 地球温暖化問題。さまざまな地球規模の環境問題の中でも、最も根の深く深刻な問題であると考えております。まさに国際社会が総力を結集して取り組むべき、緊急かつ重大な課題であると認識をしております。こういったような中で、県議会において京都議定書の早期批准と地球温暖化防止対策の推進を求める意見書の提出を考えておられますことは、私といたしましてもまことに心強い限りであります。
 初めに、具体的な環境問題に関する公約についてのお尋ねがございました。これについては、しかるべき時期に政策のパッケージとして明らかにするつもりでありますが、地球温暖化対策を初めとした環境政策の重要性がますます高まっている中で、総合計画においても、環境を新たな時代を切り開く三つの基軸の一つとして位置づけ、取り組みを進めているところであります。
 今後とも、持続的発展が可能な社会の構築に向け、地球温暖化防止活動の促進を図るとともに、新たな環境産業の育成やリサイクル団地の整備など、循環型社会形成のための施策を積極的に推進してまいりたいと考えております。
 次に、太陽エネルギーの活用に向けた取り組みの強化についてのお尋ねでございます。
 県では、古川合同庁舎や産業技術総合センターへの太陽光発電の導入、県行政庁舎や宮城大学への太陽熱利用設備の導入など、太陽エネルギーの公共施設への率先導入に努めてまいりました。また、市、町での取り組み事例もふえてきております。
 また、一般住宅用の太陽光発電システム導入に対するNEF(財団法人新エネルギー財団)の補助制度の利用状況を見ますと、平成六年の制度創設以来、宮城県が東北地方の中では一番多くなっております。県といたしましては、この補助制度は来年度までは継続するものと承知をしておりまして、この制度のPRに一層努めるとともに、活用状況を勘案しながら、県民ニーズの把握に努め、他県の状況なども参考にして、効果的な支援制度のあり方について検討してまいります。
 次に、風力発電、風況の実測調査ということで、山岳部や海上ポイントなどでの風況の実測調査が必要と思うがどうかというお尋ねでございます。
 風力発電事業は、地球温暖化防止対策には非常に有効な方法でありますが、本県では発電に必要な風力が得られる地域は、現在把握しているデータによりますと、付近に道路や送電線がない山間地に限定されるという状況であります。したがって、風況の実測調査の実施については、現段階では風力発電の事業主体のあり方や採算制、送電コスト、発電装置の性能などの問題がありますので、こういった点、総合的に研究しながら、風況の実測調査を行うかどうかについて検討してまいりたいと考えております。
 次に、海上での風力発電事業についての御質問でございます。
 旧運輸省港湾局がまとめた報告書でございますが、これには港湾や沿岸域における風力発電の導入可能性を研究したものでございまして、内容については私も承知いたしております。この報告書が指摘しておりますように、海上での風力発電は地上に比べて風速が大きい、安定した風が吹く、こういった利点がありまして、すぐれた可能性を持っているものと承知をしております。
 しかし、この海上での風力発電、一方では建設費用が地上よりも高いということがございますし、風車の耐久性能の向上の問題、また、海ですのでさび対策というのも必要でありますし、また遠隔管理など技術的な課題もございます。また、海上に特有の法規制の適用を受けるといった課題、こういったことが指摘されているところであります。
 県といたしましては、このような状況を踏まえながら、海上風力発電について、先ほど申し上げましたとおり、適地の問題も含めて今後研究してまいりたいと考えております。
 なお、選挙公約に掲げるかどうかについては、今後考えてまいりたいと思います。
 次に、自然エネルギーに関する庁内組織の一元化や有識者などによる検討協議会についてのお尋ねであります。
 自然エネルギーに関しては、環境生活部で地球温暖化への対応や省エネルギー対策を推進し、企画部の方では自然エネルギーの導入計画などを定めているところであります。常に連携をとって施策を進めているところであります。ことしの三月に、庁内の関係課で構成いたします新エネルギー研究会を設置いたしました。この研究会において横断的な研究に取り組んでいるところであります。庁内組織を一元化するかということについては、今後研究してまいりたいと考えております。
 また、外部の有識者などによる検討協議会を組織すべきであるという御提案でありますが、必要に応じて、今申し上げました新エネルギー研究会にそういった外部の有識者に来ていただいて御助言をいただくということなど、勉強を進めてまいりたいと考えております。
 また、風力発電事業に対する県内NGOへの支援ということでありますけれども、県内のNGOが風力発電事業への取り組みを検討しているということを私どもも承知をしております。本県の場合に、風力発電、適地が少ないでありますとか、地理的な面での採算性の問題、土地利用規制の問題、こういった課題があるわけでありまして、NGOに対しては必要に応じて情報提供を行うなどの協力はさせていただきたいと考えております。
 次に、新エネルギービジョンについてのお尋ねであります。
 本県では、宮城県エネルギー効率的利用計画を平成九年に策定いたしました。国においては、ことしの七月に、総合資源エネルギー調査会が「今後のエネルギー政策について」というのを発表し、二〇一〇年における新エネルギーの導入量を一九九九年と比較して約三倍とするという目標を打ち出したところでありまして、新エネルギーをめぐる状況も変化してきております。
 県といたしましては、今の利用計画と関連いたします宮城県地球温暖化対策地域推進計画の改定作業と歩調を合わせて、エネルギー効率的利用計画の見直しを進めてまいりたいと考えております。その際には、数値目標についてもあわせ研究をしてまいりたいと考えております。
 また、新エネルギーの導入には、市町村や事業者、住民、それぞれの主体的な取り組みが重要でありまして、その基本となる地域新エネルギービジョンの策定について、エネルギーセミナーの開催などを通して、市町村に対し積極的に働きかけてまいりたいと考えております。
 次に、大綱二点目、教育問題について何点かお尋ねがございましたが、私からは、私の教育理念ということでお尋ねがございましたので、お答えをいたします。
 本県は限りない可能性を秘めた大地がございます。人と夢にあふれる宮城県であります。これから大競争時代に突入していくわけでありますが、それにふさわしい発信性のある戦略と、安全、安心、ゆとりといった新しい価値観に基づく地域社会を築いていかなければなりません。そのためには、何よりも本県の児童生徒に人類普遍の価値観を教えるとともに、国際的な常識や国際感覚を高め、更には、国、そして郷土を愛する心を教えなければなりません。あわせて、将来の知識社会、価値観の多様化する社会に適応して、進歩発展していく社会を支えるための基本知識を児童生徒に教えていかなければならないと考えております。
 地方分権時代を迎えた今日、教育においても、現状を見直し、改善する前向きの改革が必要であると考えております。その意味で、宮城ならではの先進性のある特色のある施策や教育行政を、分権と競争、この二つの視点から推進していくことが求められているものと認識をしております。その意味で、宮城らしい教育の確立ということを政策として掲げた次第であります。
 この宮城らしい教育の確立の中には、これまで取り組んでまいりました情報公開先進県、あるいは日本一の福祉先進県づくりの理念や成果を踏まえた内容を盛り込みますとともに、昨今議論のあります学力の維持向上についても触れることになろうと考えております。
 なお、決意表明で申し上げました政策の柱立てにおける具体の政策や公約内容については、しかるべき時期に政策のパッケージとして明らかにするつもりでおります。
 教育問題について、残余の質問には、教育長からお答えいたします。
○副議長(長島秀道君) 教育長千葉眞弘君。
    〔教育長 千葉眞弘君登壇〕
◎教育長(千葉眞弘君) 秋葉議員の教育問題に関します質問にお答えを申し上げます。
 初めに、来年度から新しい学習指導要領が小中学校で実施されるに当たり、その内容を保護者に周知するとともに、説明会を実施するなど説明責任を果たすべきと思うがどうかという質問についてでございます。
 県教育委員会といたしましては、これまでも、新しい学習指導要領にかかわる教育課程審議会の答申、文部省の通知、更にはリーフレットなどを、その都度、各教育事務所、市町村教育委員会を通じ各学校に送付するとともに、独自に「新教育課程に向けてQ&A」の発行や新教育課程説明会、フォーラム等、あらゆる会議の場を通じまして改訂の内容の周知徹底を図ってまいりました。また、保護者に向けての説明をするように要請をしてきたところでございます。
 各学校におきましては、それらの資料をもとに、保護者に対し、保護者会や学校便り等で、完全学校週五日制の実施や、わかる授業・楽しい授業の実施、みずから学びみずから考える力の育成、特色ある学校づくり、総合的な学習の時間の新設等の内容につきまして、その周知を図っているというふうに認識しております。
 一部の学校では十分説明されていない向きもあるということのようでございますので、市町村教育委員会に対しまして、各学校が再度、保護者への説明等を徹底するよう周知をしてまいりたいと思っております。
 なお、開かれた学校づくりを目指しまして、各学校でも一生懸命努力をしておりますが、保護者も気軽に疑問や意見等を学校に申し出ていただけるような、そういう雰囲気づくりというのも大切かというふうに思っておりますので、そういう面で適切な対応が図られるものというふうに考えております。
 次に、学力低下への懸念についてでありますが、これまではとかく学力を知識の量としての側面に重点を置いてまいりました。教育内容の理解度や、生きる力や働く力に結びついていないなどの状況を踏まえ、教育内容を基礎、基本に厳選し、子供たちがゆとりを持って学習し、考える力や判断する力、問題解決能力を確実に身につけさせることが必要であるとする新学習指導要領の方向性につきましては、望ましいものというふうに考えております。
 お話しのように、基礎的、基本的事項を着実に身につけさせ、児童生徒の意欲を喚起させるためには、教師の力量が大きく問われてくるものというふうに考えております。教師自身の創意工夫によって、わかりやすい授業や、やる気を起こさせる授業の展開、習熟度別の学習やコース別学習などを進めることによって、新しい学力についての理解を得ながら、その懸念を払拭してまいりたいと考えております。
 これからは、各学校の指導の指針である「学校教育指導の方針と要点」の中に、基礎的、基本的事項の着実な定着を図ることを明記するとともに、総合的な学習の時間を活用した基礎学力をはぐくむ内容を例示するなど、基礎、基本の定着について一層の重点化を図ってまいります。
 また、教科書の指導に当たりましては、少人数学習集団等の導入によりまして、各学校が創意工夫して、個々に応じたきめ細かな学習ができるよう指導してまいりたいと考えております。
 更には、県内十四の指定校の研究成果を広く普及させたり、中学校の選択教科において課題学習や補充的な学習、発展的な学習を取り入れるよう各学校を指導をすることなどによりまして、全体の学力を押し上げるための工夫を図ることや、国の学力向上策も積極的に導入して取り組んでいく中で、成果の点検を重ねていくことによって児童生徒の学力向上に結びつけてまいりたいというふうに考えております。引き続き、教職員意識の啓発、研修の充実、指導法の改善、評価法の導入など教育水準の維持向上に向けて積極的に取り組んでまいります。
 次に、保護者の経済力の相違によって、フォローアップの機会が持てる子供と持てない子供の格差が生ずるのではないかというふうな質問についてでございますが、県教育委員会といたしましては、公教育、特に義務教育におきましては、児童生徒にひとしく基礎的な知識や技能を身につけさせることが責務であると考えております。
 児童生徒に学習内容を着実に定着させるために、興味、関心や習熟の状況など、児童生徒の実態に応じて個別指導やグループ別指導を取り入れるとともに、教育内容の厳選により生み出される時間を、集中的に反復学習する時間や、同じ内容を次の学年でももう一度取り上げるなどの繰り返し指導の時間に充てたり、補充的な学習や発展的な学習を積極的に進めるよう各学校を指導しているところでございます。
 なお、家庭での学習のあり方をどうするかということにつきましては、それぞれ個々の家庭の教育観に基づいて判断されているものと考えております。
 次に、国の考えている学力向上フロンティアスクールについてでありますが、この事業で目指す内容については、県教育委員会では既に先取りをいたしまして、平成十一年度から十四年度までの四カ年計画で、県内七ブロックの小中学校十四校を新教育課程研究校として指定し、その中では、学校の実態や課題に応じ、少人数指導や習熟度別学習教材開発や、小学校における教科担任制の研究などにも取り組んでいるところでございます。
 文部科学省で考えております学力向上フロンティアスクールの指定については、各県の配当指定校数などを含め、事業全体の詳細については明らかにされておりませんが、県教育委員会としては、県全体の地域バランスに配慮するとともに、各市町村教育委員会や各学校の要望、計画等を踏まえ、推進してまいりたいと考えております。
 また、教職員の増員や教室増に対する取り組みにつきましては、国におきまして、よりきめ細かな教育を実践するため、第七次公立義務教育諸学校教職員定数、いわゆる標準法と言っていますけれども−−の改善計画をことしから実施することにしております。その中で、習熟度別指導に伴う教職員につきましては、国の少人数指導加配が講じられておりますので、その活用を図りながら進めてまいりたいと考えております。
 施設面につきましては、普通教室、特別教室に続く第三の学習スペースとして、本年度から新世代型学習空間の補助制度が創設されました。少人数指導やグループ別学習などに柔軟に対応するため、市町村教育委員会に対し、その設置促進を働きかけているところでございます。県教育委員会といたしましては、国においてそういう制度の充実がなされていることもあって、当面はその活用を図りながら取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、完全学校週五日制の実施に向けた、子供の週末活動支援のための多様なメニューの提示等、地域社会全体にかかわる体制の構築についての現況と見通しについての質問についてお答え申し上げます。
 国が計画しております地域教育力再建活動推進協議会につきましては、その詳細は把握しておりませんが、概要によりますと、子供のみならず、青年や地域の住民を対象に、地域の教育力活性化支援に向けた推進体制の整備をねらいとしているというふうなことのようでございます。本事業により、これまで行ってきている事業の一層の広がりが図られ、市町村を初め子供会育成会やPTAなど関係団体との連携協力が深められるものと大きく期待しております。その動きに注目をしているところでございます。
 今回のこうした国の動きとは別に、県教育委員会といたしましても、学校完全週五日制へのスムーズな移行を図るため、泉ケ岳青年の家などの青少年教育施設に長期宿泊し自然体験活動、社会体験活動などに取り組む事業を初め、休日を利用した子供や親子向けの各種体験活動事業、障害を持つ子供たちの仲間づくりやボランティアなどの交流を図る事業を実施するなど、学校外活動の場と機会の充実に取り組んできているところでございます。
 また、地域の人材活用や、地域と学校が連携した体験活動、学校外活動を推進する地域指導者や地域ボランティアの養成や、市町村のイベントや地域の体験活動などの情報提供を行うこどもセンターの設置促進など、地域における体制整備を進めてまいりました。今後とも一層の充実に努めてまいります。
 次に、総合的な学習の時間の新設は、教師の事前研修の徹底とすぐれた実施例の普及が大切であるという質問についてでございます。
 県教育委員会といたしましては、平成十一年度から三年間、県教育委員会主催で新教育課程説明会を実施し、県内すべての教師が共通の認識の上に立って指導できるよう趣旨の徹底を図っているところでございます。
 また、先ほど申し上げましたように、十四の指定校が先導的に総合的な学習の時間の実践研究を行っております。これらの指定校の公開研究会では、実施例をもとにした参加者との活発な討議が行われ、教師の指導力の向上に大きな力となっております。
 本制度は、このような指定校の研究成果を実践事例集として取りまとめいたしまして、有効に活用できるよう各学校に配布する予定であります。更に、県教育研究センターの総合的な学習研修講座で研修を受講した教師が各学校で実践研究を行っているほか、それぞれの学校でも研修や実践研究を積み重ねており、お話しのような懸念を抱かせることのないよう万全を期してまいりたいと考えております。
 また、理科離れにも配慮した授業の展開も積極的に試みていくべきだということについてでございますが、体験的な学習や問題解決的な学習の中で、観察や実験を通じ科学への興味や関心の芽をはぐくみ、理科の授業の展開にも積極的に結びつけていくよう、教育事務所の学校訪問等を通じ指導してまいりたいと考えております。
 最後に、指導要録の成績評価方法が相対評価から絶対評価に改められ、高校受験の内申書などに必要な場合は、従来の相対評価による点数も使用できるようになったが、どう対応するのかという質問についてでございます。
 小中学校における絶対評価については、今年度発行予定の「指導要録記入の手引き」の中で、県教育委員会としての基本的な評価のあり方や評価方法について市町村教育委員会に示すことにしております。その中において、知識や技能の到達度を的確に評価することはもとより、みずから学ぶ意欲や思考力、判断力、表現力等の能力まで含めた学習の到達度を評価すると同時に、児童生徒一人一人のよさや進歩の状況などを積極的に評価していくように各市町村教育委員会及び学校に助言してまいりたいと考えております。
 また、高等学校入学者選抜における調査書は、生徒自身の中学校三年間の学習等の成果を示すものであり、生徒の多様な能力や適性等を総合的に把握して審査するためのものです。これまで、生徒指導要録と同様に、調査書においても相対評価により各教科の評定を記載し、それを十分活用した入学者選抜を行ってまいりました。今後、中学校の指導要録における生徒の評価が絶対評価に改められたことから、調査書の記載についても基本的にこれに従って行うというふうに考えております。
 次に、新指導要綱の実施に伴って高校入試の出題内容も見直されることになるのかということについてでございますが、学力検査の内容は、これまでも中学校学習指導要領の趣旨を踏まえて、基礎、基本を重視するよう配慮してまいりました。今後の高校入試の内容についても、新学習指導要領に基づいて、生徒の多様な能力を適切に評価できるよう、高等学校入学者選抜審議会の意見も踏まえながら研究を進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○副議長(長島秀道君) 企業局長齋藤進君。
    〔企業局長 齋藤 進君登壇〕
◎企業局長(齋藤進君) 企業局における風力発電事業への取り組みについてお答えをいたします。
 現在、発電事業は全国三十三都道府県で行われておりまして、議員御指摘のように、風力発電は現在、三県が実施、それから二府県が建設中でございます。
 この風力発電を行っている府県、いずれも水力発電など既存の発電事業と組み合わせて実施、又は建設をしているところでございます。
 企業局といたしましては、新たな設備投資、あるいは採算面等から、現時点では事業化については取り組みは難しいというふうに考えております。
 以上です。
○副議長(長島秀道君) 二十番秋葉賢也君。
◆二十番(秋葉賢也君) 御答弁ありがとうございました。
 企業局からの考え方がなかったんで答弁漏れかなと思ったんですが、最後に局長にお示しをいただいたわけでございますが、今の企業局長の答弁に対してなんですが、確かに各県の企業局は、既存の水力とかの売電事業に既に取り組んでいる下地があって、そして新たに展開をするというところもありますけれども、しかし、実際の設置事業の中身で見ますと、個別に設置しているところが多いわけなんですよね。
 そして、特にお隣の岩手県でも、先月、稼働がスタートする見通しだと伺っていますし、都道府県で一番早かったのは、高知県が平成七年からスタートして、今では全部で千五百キロワットぐらいの分量になってきております。
 そういうことで、私は、いきなり企業局が風力事業をやってくださいというのじゃなくて、それも視野に入れながら、例えば、岩手県では資源エネルギー課と企業局がお互いに事務分掌をして、バイオマスも含めた自然エネルギーの導入調査をやっているんですね。もちろん、お金のほとんどはNEDOなんかの補助金が多いんですが、しかし、そこに県も出してやっているわけです。ですから、そういうレベルでまず取り組んでみる考えがないのかなと。
 事業としては、それを精査して判断するべき問題だと思うんです。知事の御答弁にもありましたように、確かに山岳部では、これは精査をする前から、可能性的にいえばなかなか難しいというのは、確かにおっしゃるとおりだと思うんです。しかし、きょう私の質問論旨でも述べましたように、海上と一言で言ってもいろんなポイントがあるわけですね。洋上もある。港湾緑地もある。いろんなポイント、ポイントがあるので、その中で、さきの運輸省の報告書に示された報告書の内容を参考にしながら、可能性の高いところでの実測ポイントを、やはり実際してみて−−これは今までないわけですから。そして、やっぱり本県は風況がなかなか得られないので、県としては前向きに取り組む考えはないんだというのであれば、仕方がないですねと私も言えるわけですね。
 ところが、何もしないで、何もしないでですよ、最初から本県は、NEDOだ、あるいは気象庁のアメダスだ、そういった推計値のもとで可能性がないとするのでは、全然違うと思うんですね。
 そして、また、知事も報告書を見ているということでしたけれども、塩害対策の問題やコストが高いというお話がありましたが、場合によってはコストも縮減されると、設置の仕方によっては。むしろ反対の面も指摘をしているわけでございますし、それから法制度上の課題は、確かに陸地に設置するよりは二倍ぐらい多いんですが、知事も多分、目を通されたらおわかりいただけると思いますが、見てください、八割は都道府県知事の許認可でできるんですよ。八割は。知事自身がやる気になればスムーズに事業がいくわけです。あとは、もちろん、今まで実証研究だったところの段階から、今はもう売電事業として新規参入が相次いでいるわけですから、十分に検討に値する価値があると思いますので、長くなりましたけれども、知事には改めて海上での実況調査をぜひ実現していただきたいと思いますが、どういうお考えなのかということ。
 それから、企業局に対しては、事業の直接的な運営というのは、今の段階では先ほどの御答弁のようにならざるを得ないと思いますけれども、しかし、関係各課と連携をしながら、調査ですね。調査というレベルでは、もっと積極的に、事業という発想で、環境ビジネスという発想で取り組んでみてはどうか。将来、赤字になるようなことをどうこう言うんじゃないんですよ。十分ペイできる事業なんです。こういう観点から、前向きに検討することが必要なんです。
 とにかく、浅野知事の環境政策といえばこれなんだという、やはり一灯を掲げるものが私は必要だと思います。その一灯の部分が、全然県民の中には伝わってないんじゃないでしょうか。宮城県の環境政策といえばこうなんだということを、ぜひ示していただきたいと思いますので。
 教育長にも何点かございますけれども、かなり詳しい御答弁をいただきましたので、この風力、特に海上での実測調査の問題と、今後の調査研究の意思についてお伺いをしたいと思います。
○副議長(長島秀道君) 知事浅野史郎君。
    〔知事 浅野史郎君登壇〕
◎知事(浅野史郎君) 秋葉賢也議員の再質問にお答えをいたします。
 今、再質問でも大分展開されましたように、自然エネルギーというのは、これは非常に興味があります。また、浅野知事自身のというか、宮城県としての、これはという環境政策の目玉がないじゃないかと。これも考えろと。これも非常に興味を持って聞かせていただきました。ですから、ちょっと教えてください。ぜひお知恵をおかりしたいというところがあります。
 風力発電については、何にもしないでだめだと決めつけるのは何だと。そのとおりだと思います。ですから、我々も、これはしっかりと調査はしたいと思います。その上で、いけるものはいける、いけないものはいけないとしなければ、これは納得できないというのはおっしゃるとおりです。
 そういった可能性も含めて研究させた上で、その採択について十分考えさせていただきたい。魅力のある御提案だというふうには承っております。
○副議長(長島秀道君) 企業局長齋藤進君。
    〔企業局長 齋藤 進君登壇〕
◎企業局長(齋藤進君) 再質問にお答えをいたします。
 先ほどの答弁で既存の発電事業との組み合わせにおいてと申し上げましたのは、実は、やはり風力発電の売電価格は高いんですね。水力発電の安い発電と組み合わせてようやく電力会社に買ってもらっているというような実態がございまして、議員お話しのように、ペイできるというお話はこれから解決しなくちゃならないんですが、現実には安い水力発電との組み合わせで買ってもらっていると、こういうことでございます。
 それから、先ほど環境の問題もお話出ましたけれども、私ども調べておりますのでは、京都府で、もうこれは全然ペイはできないけれども、環境教育の視点ということで、部局横断的に、企業局で風力発電を今つくっているという話も聞いております。
 それから、議員お話しのように、早速、岩手の方に行きまして、実情を調査してまいりたいと思っています。