会議録全文
 

 

18 平成十四年十一月定例会(平成十四年十一月二十九日質問)

・地域主権の確立と行財政改革の推進について(長期総合計画等の議決・公社等外郭団体の情報公開・公社等の外部監査・公社等役員の民間人材の登用)
・環境問題について(二酸化炭素排出削減の条例化・公立小中高の冷房化への対応)
・教育問題について(教育特区実現・小中校校庭の芝生化・屋上緑化)

[答弁] 知 事  浅野史郎君      
     教育長  千葉眞弘君

 


    〔二十一番 秋葉賢也君登壇〕
◆二十一番(秋葉賢也君) 地方分権の進展という大きな時代潮流の中で、地方自治体が果たすべき役割と責務が増大いたしております。私たちが当たり前のように使っているこの地方分権という概念は、文字どおり、中央があって地方があるという発想であり、本来的に好ましい表現だとは思いません。私は、むしろ地域主権といった言葉の方が、その本質やニュアンスをよくあらわしているような気がいたしておりますが、ともあれ、二年ほど前の二〇〇〇年四月には、地方分権推進計画に基づいて法制化された四百七十五本もの関係法律の一部改正法、いわゆる地方分権一括法が施行され、国と地方の関係は、従来の上下・主従の関係から対等な関係になったことの意義に関して、私たちは絶えず深く認識をしながら仕事に当たることが大切だと思います。
 とりわけ中央集権の象徴とも言うべき機関委任事務制度が全面的に廃止され、自治事務と法定受託事務という新たな事務区分に転換したことは何よりの成果であったと思います。その結果、地方自治体は、自治事務はもちろんのこと、法定受託事務に関しても、法令に反しない限りにおいてその事務に関する条例を制定することができるようになりました。振り返れば、一九四七年に地方自治法が施行されたときには、機関委任事務の件数は百五十件にすぎませんでした。ところが、高度経済成長のスタート時期でもある一九六〇年には約四百件となり、分権一括法の施行直前の二〇〇〇年三月期には五百七十一件を数え、約四倍にまで増加いたしておりました。
 繰り返しになりますが、県の事務事業の約八割を占めていたとされるこれら機関委任事務が廃止され、大半が自治事務に転換したことの意義、すなわち地方自治法第二条十三項によって法定された自治事務については、自治体が地域の特性に応じて事務処理をすることができるように特に配慮すべきことが規定されたこと、この意義を常に意識しながら行政運営していくことが重要であります。要は、知事がよくおっしゃる思考停止症候群のままでいてはいけない、こういうことだと思います。更に、国からの通知や通達のたぐいも、法的には何の拘束力も持たない技術的な助言という規定にすぎなくなりました。したがって、知事を初めとする執行部は、我が宮城県の地域特性や実情をしっかりと踏まえて、法令を自主的かつ個性的に解釈して運用していかなければなりません。しかしながら、現況はいかがでしょうか。私は、まだまだかじを切り損ねていると思います。相変わらず職員の皆さんの机上には福祉六法や教育、環境六法といった上位機関が下級機関に発した行為準則であふれ、国からの通知をマニュアルとしてむしろありがたがり、無批判に盲従している面はないでしょうか。まずは、これらを処分できないまでも、一たん机の中にしまうことから始めていただきたいと思います。
 二〇〇〇年四月の分権一括法の施行に合わせて、当時の二月定例会では、たくさんの一部改正条例が提案され、自治事務として新たに手数料や使用料などが改定されました。しかし、結果は国が官報で示していた標準料金と同様のものばかりでした。当時も指摘をいたしましたが、三年を目途とする次の見直し時期にしっかり対応していきたい旨の答弁でございました。本来は本県の産業特性などを踏まえて、独自の試算を行うことが必要であったと思います。東京を見て仕事をするのではなく、地域を、県民を見て仕事をすること、みずから考え、みずからが選択し、みずからが決定していくという自治の精神や地域主権の意識を強く抱きながら行動していただきたいと思います。そして、国との間で法令解釈をめぐって異論や相違などがあった場合には、総務省に新設された国地方係争処理委員会に対して、ちゅうちょすることなく審査請求するくらいの対応を心がけるべきだと思いますし、最終的には最高裁に上告することもいとわない気概を持って仕事に当たっていただきたいと思います。
 自治体の自己決定権の拡充、すなわち条例制定権や法令解釈権の拡充は、政策の立案能力の優劣によって行政サービスの質量ともに自治体間の格差が拡大していくことを意味しており、自治体の浮き沈みが明確になってくるものと思われますが、まずは地域主権の確立に向けた知事の御熱意と御見識をお聞かせいただきたいと存じます。
 イギリスの政治学者ハロルド・ラスキが「現在の立法府は、久しい以前から、みずから立法することをやめて、権力を掌握している行政府の意思を登録する機関にすぎなくなっている」と論述し、ラバースタンプに堕落してしまった議会政治の危機を案じてから既に半世紀以上が経過しているにもかかわらず、残念ながら彼の指摘は今日なお妥当性を失っていないようにも思われます。
 そこで、私ども議会の側も、地域主権の進展に伴いその権限を見直し、本来期待されている監視機能や立法機能をより積極的に果たしていかなければなりません。すなわち自治体の権限強化に呼応して、議会もまた行政の適正執行、公平性の確保を図る観点から権限を拡充していくことが求められております。例えば、議会の議決事件の追加はそのための有力な手段の一つであり、県民にとってわかりやすく、透明性の高い行政の実現のために積極的に活用していくべきだと考えております。
 現在、私どもが今後の議員提案を念頭に置きながら検討しております宮城県行政に係る基本的な計画を議会の議決事件として定める条例は、地方議会の主体性を具体に示したものであります。行政の基本的な計画や構想の策定は県政運営の根幹にかかわるものであり、議会が立法機関としての役割と責任を果たすため、政策過程の全般に積極的に関与していく前提としても必要不可欠なものであります。御承知のとおり現行の地方自治法は、議会の議決事件として条例や予算などの十五項目を規定し、その他は条例で定めることができるとしておりますが、本来であれば、そもそもこの地方自治法第九十六条第一項の中に追加規定してしかるべき内容のものだと思います。今、本県では、おおむね五年以上の中長期計画をどの程度抱えているのかと申しますと、法令に根拠のあるもの四十三件、条例に根拠のあるもの三件、全く法令上の根拠規定を持たないもの三十三件の合計七十九件となっております。条例案では、これら七十九件のうち長期総合計画を初め県政の基本的な計画を対象に十三件に厳選した上で、その策定や変更などを議決対象としており、県民参加の醸成にも資するものと確信いたしております。こうした取り組みに関して知事の率直な御見解を伺っておきたいと存じます。
 一方、県議会の外郭団体等調査特別委員会では、行財政改革の視点から、公社など外郭団体に関しても議会の監視機能を強化する観点に立脚し、県出資法人の情報公開の拡大などを念頭に条例化を検討いたしております。御案内のように、地方自治法第二百四十三条の三では、二分の一以上の出資などをしている公社など、現在は二十四団体あるわけですが、これについて知事は議会に経営状況などを報告することが義務づけられております。討議中の条例案では、一つにはこの対象を拡大し、監査委員における監査対象と同様に四分の一以上の出資などをしている団体、現在は三十団体あるわけですけれども、また県と密接な関連がある団体、二十七団体、これらに広げていく必要があると考えておりますが、このことについても知事のお立場からはどのようにお考えになっていらっしゃるのか、参考までに伺っておきたいと存じます。
 そもそも外郭団体に関しては、本年一月に公社等外郭団体の見直し実施計画の内容が取りまとめられ、公表されておりますが、改善に向けた取り組み状況はいまだ不十分であります。知事の強いリーダーシップが求められているところでございます。以下、具体的にお尋ねいたしますので、今後の対応について明快な御所見をお示しください。
 一、公社など外郭団体はいまだ情報公開の対象機関になっておりませんが、対象団体の基準を吟味しながら実施機関に加える条例改正が必要に思われますが、いかがでしょうか。
 二、これまで公社等運営評価ワークシートを作成し、内部評価を実施してきましたが、その結果の詳細が公表されておらず、総括的な公表に限定されている現況を見直し、外部監査を実施することを提案いたしますが、いかがでしょうか。実際に埼玉県では、出資法人改革の切り札として、今年度から基本財産の四分の一以上を県が出資するすべての法人に外部監査を導入し、その結果を県で評価し、公表するとともに、県レベルの経営評価委員会を設置し経営評価を進めております。
 三、また東京都では、監理団体を規定し、経営目標の設定と達成度評価を実施して、その結果を公表いたしております。目標を十分に達成できなかった団体の役員は報酬が減額されるというペナルティーも課されておりますが、本県でもこうした県民に対してわかりやすい明快なシステムを導入することや、業績、成果に応じた報酬のあり方などを検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 四、経営トップを含む法人役員の選任に際しては公募制を導入し、広く民間からの人材登用に努めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
 次に、環境政策について二点お伺いをいたします。
 地球温暖化の原因となる二酸化炭素などの温室効果ガスを削減するため、さまざまな施策が打ち出されるようになったことは大変好ましいことだと思っております。例えば環境省は来年度から、地域のNPOなどが工夫を凝らして排出削減した二酸化炭素を、一キロ当たり一気候ポイントとして、五十円で買い上げる方針を決めております。また、温室効果ガスの排出量を企業間で売買する国内排出量取引制度の創設モデルとして、来年一月から仮想市場を三重県と共同で試験運用することにもなっております。自然エネルギーの導入や省エネルギーの促進により排出削減できた企業ほど売却できる排出量がふえ、枠を超えて排出した企業ほど市場で排出量を購入しなければならない仕組みになっており、国内制度の構築に向けて大いに期待が持たれているところであります。
 更にまた、東京都では、ずばり二酸化炭素の排出削減を条例で義務づける方針を固めております。これは政府が六月に批准した京都議定書の二酸化炭素削減の義務に関して、国に先駆けた初の法的措置となりますが、高く評価できるものであります。対象となるのは、燃料や熱の使用量が原油換算で年間千五百キロリットル以上などの大規模な事業所であり、都内にある約八十万カ所の事業所のうち〇・一%足らずに該当するにすぎませんが、何と全体の四割に当たる年間一千トンの二酸化炭素を排出していることが判明しているそうであります。
 今私たちは、二〇〇八年から五年間で、温室効果ガスを九〇年比で六%削減する義務を果たしていかなければなりません。しかし、現実には二〇〇〇年のCO2などの排出量は、減るどころか九〇年比で約八%も増加していることを重視するならば、大変厳しい条例かもしれませんが、こうした東京都のような取り組みを強力に推進していかざるを得ないと思うし、その必要があると思います。本県でも同様の政策を実施すべきと考えますが、知事の前向きのお考えをお聞かせください。また、東京都の対象基準に従えば、本県の場合、対象となる事業所数はどの程度になるのか、排出量、その割合とあわせてお示しください。
 ところで、文部科学省は、全国の公立小中高校の普通教室約三十万室を対象に、来年度から十カ年計画で冷房施設を設置するという方針を打ち出しました。私は、省エネルギーの促進や地球温暖化防止にも逆行するこの対応は大変遺憾なものではないかと疑問に思っております。長い夏休みの期間を考慮すれば、学校での短い夏の暑さに耐えるということも受忍範囲の一つとして許容されるのではないか。とりわけ東北地方の学校は例外とする方向が望ましいと考えておりますが、本県での対応についてお伺いをいたします。
 最後に、教育問題についてお伺いいたします。
 政府が進めております構造改革特区構想について、自治体は、地域特性などに応じて構造改革特区を実現するために必要な規制の特例措置を選択して計画を作成し、内閣総理大臣に認定を求めることになります。特区の対象は原則、市町村となっており、従来の税の減免や補助金など財政支援策が中心ではなく、あくまでも自治体側から提案された規制緩和策を特例的に認めることによって支援しようとするものであります。既に本県でも、最先端技術特区やフロンティア農業特区、国際企業家特区などの構想を提示しておりますが、教育の分野においても積極的に検討すべきではないでしょうか。
 文部科学省は、教育特区の実現に向けた規制緩和の内容を先般明らかにいたしました。それによれば、構造改革特区において実施することができる規制の特例措置は全部で十五項目示されておりますが、まずはこの十五項目についての知事の総括的な、そして率直な御感想をお聞かせいただきたいと思います。
 私は、この十五項目のうち次の六項目に関しては、知事のおっしゃるみやぎらしい教育を実現していくという観点からも、本県において前向きに検討し、実現に向けて努力してみる価値があるのではないかと考えております。
 以下、具体的に申し上げます。
 一つ目は、小中高一貫教育など、学校種間のカリキュラムの円滑な連携、教育課程の弾力化、教科の自由な設定、学習指導要領の弾力化についてなどであります。
 二つ目には、不登校児童生徒を対象とした新しいタイプの学校の設置による教育課程の弾力化についてであります。
 三つ目には、ほかの高等学校や中等教育学校の後期課程に修得した単位を高等学校の単位数に互換できる単位数の上限の緩和についてであります。
 四つ目には、引きこもり状態にある不登校児童生徒を対象として、ITなどを活用した学習活動の可能化についてであります。
 六つ目は、幼稚園と保育所を一体的に運用する場合において、幼稚園児と保育所児が一緒に教育、保育活動を行うことについてであります。
 更にまた、今回は見送りになりましたけれども、統合教育の促進についても意欲的に取り組んでみる価値があると思います。
 これら具体の六項目に関して、本県あるいは県内市町村での導入の可能性や評価について教育長のお考えをお聞かせいただきたいと存じます。
 ところで、文部科学省の諮問機関である中央教育審議会のスポーツ・青少年分科会では、体力の低下が指摘されている子供たちがもっとスポーツに親しめるよう、小中学校の校庭の芝生化を進めることを柱とした報告案を取りまとめております。芝生は転んでも衝撃が和らげることから、子供がけがを恐れず思い切って体を動かすことができ、スポーツや外での遊びが活発になるという効果に着目し、芝生化を一層進めるべきだと提案いたしておりますが、私も全く同感であります。校庭が芝生化されている小中学校は全国的に見ても大変少なく、全体の一%にも満たないそうであります。本県の公立学校における校庭の芝生化状況は、芝面積三百平米以上の学校で見た場合に、四百六十四の小学校中わずか二校にすぎません。中学校では二百二十四校中五校であります。高校では八十五校中たった一校のみとなっております。芝生化は、前述した効果に加えて、砂ぼこりを抑え、気温上昇を抑制する環境保全の効果もあり、本県においても今後計画的に導入していくべきと考えますが、いかがでしょうか。
 またあわせて、これは学校だけに限ったわけではありませんけれども、学校舎につきましても、屋上緑化にも積極的に取り組んでみることを検討してはいかがかと思います。現在、本県の公立学校で屋上緑化をしているのは、今年度整備予定の仙台市の中学校一校のみとなっておりまして、とても残念に思われますが、今後の具体的な方針をお伺いをしておきたいと存じます。
 以上で今回の質問を終えますが、これからのこの新しい二十一世紀という時代には、やはり職員のみならず、私たち一人一人が自治としての意識というものをしっかり持って仕事に当たっていくことが重要だということを申し上げ、今回の質問を終わりたいと思います。
○副議長(長島秀道君) 知事浅野史郎君。
    〔知事 浅野史郎君登壇〕
◎知事(浅野史郎君) 秋葉賢也議員の御質問にお答えをいたします。
 まず初めに、地方分権、地域主権というお言葉を使いましたが、その確立に向けた認識についてどうかということでございます。
 お話のあった、二〇〇〇年四月の地方分権一括法施行に伴って、地方公共団体は、自己決定、自己責任の原則のもとに、地域の実情や住民ニーズを的確に反映させた自主的な行政運営を行うことが可能となりました。この結果、自治体の裁量の余地が拡大する一方で、その責任も重くなり、政策立案能力の優劣が問われているものと認識をしております。県といたしましては、地域の課題をみずからくみ取り、政策を立案、決定し、実行する政策立案型官庁を目指した取り組みを進めているところであります。これまで県民の視点に立った成果重視の視点から、全国初となる行政評価条例を制定したほか、NPO優遇税制を導入するなど、県独自の取り組みを推進してまいりました。
 また、地方分権を推進していくためには、国と地方の役割分担や税財源のあり方など大きな課題も残されております。先ほどは機関委任事務の廃止ということで、もう福祉六法も何も要らなくなるじゃないかと、もっと頑張れと−−それはまともな御指摘だと思います。ただ、現在の問題は、多くの方が認識しておりますように、財源の問題がございます。先ほど午前中の御質問でもあった、例えば統合教育で、普通学級に障害児を送り込むだけじゃだめじゃないかと、そのとおりですというふうに申し上げました。加配した職員がいて、補助教員がいて初めて普通学級で障害児が教育されると。そうすると、本県としてはそういうところに配慮して加配を行いたいと。これはだめでございます。やってもいいんですけれども、金は自分で出しなさいと。県単独で出しなさいと。これは本来最低限の教員の配置ということをやっていくのであれば、相当程度裁量が許されてもいいはずですが、今問題になっております義務教育国庫負担の二兆五千億、三兆円の問題があって、これは文部科学省が握ってますので、かなり細かい教員の配置まで、また特別に加配をするという際の要件もがちがちに決められております。ほんの小さな例ですけれどもね。そういうようなこともあって、実は我々がこちらで気にするのは、六法の権限規制の部分というよりは、補助要綱なり負担要綱の条件であります。その間尺に合わないと金が出ません。お金の問題は小さな問題でないということでありますので、どうしても税財源の移譲がされ、基本的にはそういうお金の部分からいろいろ縛りというものがなくなっていかないと裁量の余地が発揮されないというものもあるというのが残された課題だというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、みずから知恵を出して、実践をして、地方から国を変えていくという気概と情熱を持って、今後とも地方分権社会の実現に向け取り組んでいく考えであります。
 次に、県の基本的な計画、これを議会の議決事案とするということについての考えはどうかというお尋ねがございました。
 地方自治法第九十六条第二項では、議会で議決すべき事件を条例で独自に定めるということを認めております。したがって、地方公共団体みずからの権限により、この件に関して条例を制定することはできます。このことは、しかし議会と執行部の関係の根幹にもかかわってまいります。したがって、今お話しいただきました計画について、一体どういったものを、どういった計画を対象として選定をするかということ、それから条例に基づく計画について、執行部側に相当ゆだねられているというのはどこまでかという、そういった関係。それから、法令に基づく計画というのがありますが、これについては、別途規定できる範囲には制約があろうかと思いますが、そういった問題。それから、計画策定過程において、議員が審議会委員なんかの形で既に参画しているというものがあります。その上で、その議を経て計画ができているというものもあります。こういったものについて、整合性をどうとるかということは、勘案要件としてございます。いわゆるこれは役人的なというか、少し論理的な整理の部分ですね。この部分はあろうと思います。
 条例が制定されますと、知事としてはその条例の中で規定された計画については議決を求めるということになるわけでありますが、その際に、審議の対象となる計画にはどういった事項まで盛り込むのか、どういった内容まで審議の対象になるのかとか、その計画を変更すると、それはたとえ軽微な変更であっても、また改めて議決を経なければならないのかといったようなこと。これはかなり実務的な問題ですけれども、こういった問題もあろうかとは思います。したがって、こういった点も御配慮いただきながら御検討されることが必要なのではないかと、我々の立場としては考えております。
 次に、公社等外郭団体についてお尋ねがございました。
 現在、県が二分の一以上出資している団体については、県議会に対して経営状況を説明する書類を提出しております。しかし、この割合が二五%以上、出資割合が二五%以上の団体や県と密接な関連がある団体に対象範囲を広げる条例案を県議会では検討中というお話がございました。それに対する見解はどうかということでございます。
 基本的には、県出資団体の経営実態を県議会に報告をするということは、それぞれの団体運営の透明性を確保するという手段として有効であると考えております。
 議会に対する報告対象範囲を拡大するということについては、これまた配慮事項があろうかと思いますが、例えば、地方自治法上の議会の検査権がどこまで及ぶのかとか、知事が団体に対してどこまで調査権を行使できるのかといったことがございます。また、県が二分の一以下の出資ということになりますと、その団体にひょっとして県よりも多く出資している筆頭出資者というのがあり得るわけでありまして、その筆頭出資者に対する配慮というのも必要になる場合があろうかと思います。こういった点については、条例制定の御検討に当たっては、十分考慮される必要があるのではないかと考えております。
 次に、公社等外郭団体と情報公開との関係でありますが、公社等外郭団体を実施機関に加える情報公開条例の改正が必要なのではないかというお尋ねがございました。
 本県の情報公開条例第三十八条では、県からの出資を受けた団体に対して、情報公開に努めるよう規定をしております。特に、その出資率が二分の一以上の団体に対しては、情報公開規程の作成を義務づけ、一層の情報公開を求めているところであります。公社等外郭団体は、宮城県とは独立した団体であるわけでありますので、今後、この問題については、出資団体の意見も聞かなければなりませんし、その他状況を見ながら検討をさせていただきたいと思います。
 次に、関連して、公社等運営評価ワークシートによる内部評価結果が総括的な公表に限定されているという現況を見直してはどうか。例えば、外部監査を実施してはどうかという御提案がございました。
 本県の公社等運営評価は、団体みずからが組織、業務実態などの課題を評価し、把握し、みずからの団体運営の改善に反映することを目的に実施してきたものであります。おのずとその性格から全面的な公表ということには至らなかったものであります。
 埼玉県の事例がありました。外部監査をやっているということで御紹介がありましたが、この事例は、団体みずからが公認会計士と契約を結んで会計監査を実施をし、その結果を県に報告をするというもののようであります。したがって、外部監査、これは地方自治法第二百五十二条の二十七に基づいて実施するものですが、この外部監査とは異なっておりますが、この埼玉県でのやり方というのも参考になろうと思います。その手法、効果などを含めて研究課題とさせていただきます。
 また、東京都の事例も挙げられました。この東京都の事例は、団体の健全経営を進めるということからは効果的であると考えますので、団体経営の評価、また公表のあり方を検討する中で参考にさせていただきたいと考えております。
 なお、業績や成果に応じた報酬を決定してはどうかとということでございますが、この考え方は、目標を確実に達成するために有効な方法の一つであろうというふうに考えられますが、団体は当然ながら経営体としては独立しているわけでありますので、基本的には、これは団体自身で検討されるべきというのが筋ではないかと考えております。
 また、団体役員を公募制で募ってはどうかということでございますが、これについては、よりよい人材を確保する一つの手法であろうと考えられますので、こういった趣旨に沿った助言を行ってまいりたいと考えております。
 次に、大綱二点目、環境政策についてのお尋ねでございますが、まず、本県でも東京都のような政策、二酸化炭素の排出削減のための施策ですが、こういったことを実施すべきではないかという御質問でございます。
 東京は飛び抜けてCO2の消費が大きいところであります。世界有数のCO2排出大都市というふうに言えます。先進国の二酸化炭素排出量の一%近くを東京都で排出しているということのようでありますが、その意味で、地域特性としては突出している面がございますので、本県と簡単に比較するのは難しかろうとは思っております。
 国としては、環境と経済の両立という基本的な考え方のもとに、京都議定書に定められた第一約束期間、二〇〇八年から二〇一二年までの期間ですが、この第一約束期間に向け、節目節目に段階的に必要な対策を講じていく手法を採用しております。ステップ・バイ・ステップ・アプローチと言うんだそうですけれども、二〇〇四年までを第一ステップと位置づけ、各界各層の自主的取り組みの強化を図る方針としております。また、ことし六月に、エネルギーの使用の合理化に関する法律、いわゆる改正省エネ法というのが成立いたしましたが、この中においては、エネルギー需要の増加傾向が著しい民生業務部門における対策強化が図られております。こういったことを踏まえますと、東京都で検討されているような事業所からの排出削減を条例で義務づける規制的手法を採用するということについては、社会的コンセンサスを十分にとりつけるということが必要であろうと考えられますので、その点では慎重な検討が必要になってくるものと考えております。
 県といたしましては、現在、地球温暖化対策地域推進計画−−新しいものを策定中でございますが、その中で、民生部門、運輸部門といった排出部門ごとの責務や必要な施策についても、広く県民の意見を聞きながら検討してまいりたいと考えております。
 また、脱二酸化炭素連邦みやぎというのを打ち出しておりますが、その形成に向けて、市町村、事業者、NPOなど幅広い主体と連携し、特定地域において排出量削減のためのモデル的な取り組みを行うということで、本県独自の施策を展開してまいりたいと考えております。
 なお、東京都の対象基準に従った場合、宮城県では対象となる事業所数は一体幾らぐらいになるのかということでございますが、我々の試算では百五十七事業所というふうにしております。その排出量というのは、データ、現在持ち合わせておりません。
 次に、大綱三点目、教育問題についてお答えをいたします。
 教育問題ということの前提として、教育特区を含む構造改革特区ということについてどうかということでございますが、これは構造改革特区という構想が示されたときに、発想自体は評価できると考えておりましたし、そういう意味で我々も独自の自治体提案をさせていただきました。しかし、その自治体提案、本県からの提案も含め出されますと、関係各省庁からは、これはちょっとできないとか、だめだというふうなことが大分多かったというふうに思っております。したがって、これは教育特区に限らずですけれども、構造改革特区については、この際、もっと思い切った規制緩和がされてもよかったのではないかというのが率直な考えであります。
 例えば、教育部門でいいますと、学校設置主体の要件を緩和して、株式会社が学校を経営するということは認められておりません。そういう意味で、自治体や民間の自発性を最大限に発揮できるように、諸分野において構造改革を推進し、地域の活性化を図るという構造改革特区の目的を考えると、若干この辺は釈然としないという思いがございます。この際いろいろ試してみると、どんどん実践させてみるということで、その中で成功すればこれを全国に波及させると。全体で今そちらの方向にいくということはありませんから、構造改革特区という一部でやってみるということですので、そういったことを積み重ねて日本全体の活性化を図るというのが趣旨であったのではなかったんだろうかということを今思っております。
 教育問題については、また教育長からお答えをいたします。
○副議長(長島秀道君) 教育長千葉眞弘君。
    〔教育長 千葉眞弘君登壇〕
◎教育長(千葉眞弘君) 秋葉賢也議員の質問にお答え申し上げます。
 公立小中高校の普通教室への冷房施設の設置の方針について、東北地方の学校は例外とする方向が望ましいのではないかということについてでございます。
 国といいますか、文部科学省の考え方は、東北地方など、積雪寒冷地につきましては、個々の実情に応じ判断するということになっております。したがって、宮城県も積雪寒冷地帯になっておりますので、それぞれの地域の状況を勘案して対応しなければならないというふうに考えております。
 県内の小中学校における設置状況は、コンピューター教室では半数以上の教室に導入がされております。また、普通教室や音楽室、教育相談室等の特別教室の一部に導入されているというふうな実態でございます。
 今年、文部科学省から冷房施設の導入調査、意向調査ということがありましたので、調査をいたしましたところ、来年度に導入をしたいという市町村はありませんでした。
 また、県立学校の冷暖房施設につきましては、体の具合が悪い生徒が利用する保健室とか、それから機械の保守ということもあって、コンピューター室等、必要最小限の整備を行っているというのが現状でございます。普通教室につきましては、実態を踏まえて判断することになりますが、一律に設置をするという考えは持っておりません。
 次に、教育問題について、規制緩和の特例十五項目のうち、六項目に関しまして、本県あるいは県内市町村での導入の可能性や評価についてはどうかということについてでございます。
 今回示されております特例措置、今お話のありました六項目、地方自治体に関しますやつですね、全体としては、魅力的で、興味深いものだというふうに思っております。ぜひ何らかの格好で取り組みたいというふうに考えております。取り組みに当たりましては、人的、物的な課題ということがあって、時間をかけて検討をしなければならないものもありますが、余りお金をかけないで、直ちに取り組めるものもございます。例えば、高等学校間の単位互換の上限緩和とか、小中学校英語活動とか、教育課程の弾力化というやつについては、こういうものについては積極的に検討していきたいというふうに思っておりますし、また、市町村につきましては、教育特区の取り組みを進めようとするところには、積極的に県教育委員会として支援をしてまいりたいというふうに思っております。
 次に、校庭の芝生化を計画的に導入すべきだと思うがどうかということについてでございます。
 校庭を芝生化することについては、お話のように、芝生の弾力性が学習活動に安全性や多様性をもたらすほか、環境教育の生きた教材としての活用、砂塵の飛散防止、土砂の流出防止、夏季における照り返しとか気温上昇の抑制などの効果が考えられます。ただ、校庭の利用実態を見ますと、学習活動の場としてのみならず、生涯教育といいますか、生涯スポーツといいますか、そういう場として、一般開放による住民の利用など、多目的に利用されているということでございます。このようなことから、一律に芝生化をするということは難しい面もございます。小中学校の校庭の芝生化については、補助制度も創設されておりますので、それぞれの学校の実情や地域住民の声などを踏まえながら、適切にやっていただけるように市町村教育委員会に対し指導をしてまいりたいというふうに思っております。
 また、県立学校におきましては、小中学校と違いまして、大多分の学校は、グラウンドは体育の授業のみならず、野球とかサッカーとか陸上とか、そういう部活動に使っておりまして、利用頻度も大変激しくて多いというふうな状況でございます。そういう中で、芝生がはがれた場合には補植してもなかなか根づかないというふうな、養生期間を置かなきゃだめだということで、そういう制限もございますので、これも一般的には芝生化をするのはなかなか難しいかなというふうに考えてございます。部活動のないような宮城野高校みたいなところはそういうふうなことやっておりませんので、芝生化をしてございますが、今後検討していかなければならないものと考えております。
 次に、屋上緑化についての具体的な方針はどうかということについてでございますが、宮城県のそれぞれの所在する学校の立地条件を見ますと、一般的にはそれぞれ敷地もある程度確保されておりますので、敷地内に緑化をすることによって、やった方がむしろ一般的にはいいのかなというふうに思っておりますが、一部の都市部の密集地帯において、いわゆるコンクリートジャングルと言われるようなところに立地する学校につきましては、大変な有効な手法だというふうに思っております。これについても国の補助制度もございますので、屋上緑化も含めて検討するように市町村教育委員会に対して、周知、指導を行っていきたいというふうに思っております。
 以上です。
○副議長(長島秀道君) 二十一番秋葉賢也君。
◆二十一番(秋葉賢也君) 教育長の御答弁ありがとうございました。初めて納得のいく答弁いただきましたので、御礼申し上げたいと思います。
 知事に二点再質問と、あとちょっと私いろいろメモしながら伺っていたもんですから、聞き漏らしの可能性もありますが、公社の外郭団体に対しての、いわゆる公募制の導入についてどういうお答えだったかなということで、答弁が漏れてたんじゃないかというふうに−−私ちょっとほかのメモしてたもので、それをお願いしたいのと、あと二つ再質問させていただきたいと思います。
 一つは、公社等外郭団体で、いわゆる外部監査ですね。私ここでちょっと説明不足だったので、私が申し上げた外部監査は、いわゆる包括外部監査、自治法上のものではなくて、埼玉県と同じ方式のものを導入する方向でと、知事からも御説明ありましたけれども、そういう意味で申し上げたんですね。これについては研究課題だというんだけど、いつまでの研究課題で、いつごろ結論出すのか、それをお答えいただきたいと思います。
 そして二つ目には、東京都の対応、基準に合わせれば、宮城県の事業所数でどうなのかということで、百五十七事業所という御答弁がありました。この百五十七事業所がつかめたということは、排出量もつかめるんじゃないかと思うんですね。あるいはまた、東京都はこのために独自の調査をしたのかどうかまで私確認してないというのが実態ですが、恐らく前回調査しているはずなんですね。そのときの数字で、この〇・一%で四割超えるんだよという数字が上がってきているわけでありまして、本県でデータがなくてわからないというのは、ちょっと今度、年度内に国で新しい算定基準が示されます。ですから、新しい算定基準に従った排出量というのは、確かに今はわかりませんけれども、前回やった調査のデータがあるわけでありますから、前回のデータに従えばこうだったという答弁をすべきじゃありませんか。それわからないというのはおかしいと思いますので、この二つをお伺いしたいと思います。
 そして、全体的に、分権絡みの話なんですが、お金がない権限の移譲、これは知事おっしゃるとおり私もそれはもっともなことだと思いますが、きょうの質問の中で申し上げたかったのは、それ以上に、まだまだ意識改革が徹底していないよと。もっとオリジナルな取り組みが必要じゃないの。独自な発想が必要だということを申し上げたかったんで、知事にもそういった前提に立って答弁といいますか、議論をしていただきたかったんですね。何かどうも言いわけに終始しているような答弁であったのが、改革派の知事らしからぬ非常に残念な内容ではなかったかなというふうに思いますので、やはり前向きに、これからの日本の分権時代をリードしていくんだというような、こういう気概を持ってやっていっていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○副議長(長島秀道君) 知事浅野史郎君。
    〔知事 浅野史郎君登壇〕
◎知事(浅野史郎君) 秋葉賢也議員の再質問にお答えをいたします。
 まず最初に、公募制でありますけれども、団体役員を公募制にしてはどうかということでございますが、これは人材を広く外に求めるということですから、よりよい人材を確保するためには、有効な手法であろうというふうに思ってます。でも、これは団体のことですから、我々としても公募制というのはあるよ、いいよということは助言をさせていただきたいというふうに考えております。
 それから、外部監査ということについては、今お話で、いわゆる地方自治法に基づく包括外部監査とは違って、埼玉県がやっているようなことをやったらどうかということで御趣旨、承知をいたしました。確かに有効であろうというふうに思いますので、少し研究させてください。じゃ、いつまでだと−−早急にさせていただきたいと思います。まず実態を調べて、これは埼玉県もまだやったばかりのようでありますので、その辺の後づけもしながら、我々として、もしやれるものならやらせていただきたいということで早急に研究させていただきます。
 それから、東京都と同じ方式でやった場合の、対象事業所百五十七とわかっているならば、排出量もわかるだろうということでございますが、実は把握しておりません。で、それでは遺憾だろうということだろうと思いますので、これは今後この事業所の排出量については把握をさせていただきます。残念ながら、今我々としては把握をしておりません。
 それから、分権について言いわけのあれだったと−−申しわけありません。そんなつもりはなかったんですが、まさに今議員が述べられたとおりのあれで、確かに我々組織としてもまだ意識が簡単に変わっておりません。その意味では反省をして、政策立案官庁として脱皮を本当にしていかなければならないという宿題というか、そういった方向は持たなければならないと思っておりまして、まだまだその意味では改革すべき部分があるというのを肝に銘じて今の御指摘を受けとめさせていただきます。