会議録全文
 

21 平成十五年十一月定例会(平成十五年十二月五日質問)

・みやぎらしい教育改革の推進について(知事のリーダーシップ・学校の危機管理マニュアル・学校敷地内の全面禁煙・教員採用試験の全面公開・学習状況調査・進学就職状況の公開・県立高校の数値目標・公立高校の学区制廃止・授業評価制度の導入)
・監察医制度の創設について

[答弁] 知 事  浅野史郎君       
     教育長  白石 晃君      
     警察本部長  東川 一君


    〔三十五番 秋葉賢也君登壇〕
◆三十五番(秋葉賢也君) 私はこれまで、みやぎらしい教育改革を実現していくためには、現在の公教育が多様な住民・県民ニーズに的確にこたえていない現状を十分に認識した上で、まず第一に、宮城県として従来の画一的で統制的な中央主導による運営から脱却していかなければならないということ、第二に、学校における競争原理や成果主義を積極的に導入すべきこと、第三に、子供たちや保護者の選択肢の拡充を図ること、第四に、学校現場への権限の委譲の推進など、こうした理念や方針を具体化していく取り組みが不可欠であることを何度も訴えてまいりました。
 知事御自身も、自立と分権の基本理念に立って、子供たちがこの宮城県で最善の教育を受けられる環境の整備に努めていくと答弁されております。しかし、残念ながら、どれ一つとっても、なるほど変わってきたなとひざを打つような実績に乏しく、具体的な成果が県民には見えてこない現状にあると言わざるを得ません。もし私が知事ならば、みずからが教育改革の先頭に立って相当強力な指導力を示すところですが、ぜひ浅野知事におかれましても、目に見える形で意欲的なリーダーシップを示していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 かつてアメリカの大統領、ジョン・フィツジェラルド・ケネディは、一九六二年に議会に送った特別教書の中で消費者主権を宣言し、消費者の四つの権利を明確にいたしました。すなわち、一、安全である権利、二、正確な情報を知る権利、三、選択できる権利、四つ、意見が聞かれる権利の四つであります。この消費者を納税者という言葉に置きかえても全く同様のことが言えると思います。私は常々、学校教育にも、この消費者主権ないしは納税者主権の考え方を徹底的に導入していくべきだと考えております。以下、この四原則に沿って具体的にお伺いいたしますので、特に教育長、イエス・ノー、あるいは期限の明示も含めて、歯切れよく具体的に御答弁いただきたいと思います。
 まず、一つ目の、安全である権利ですが、震災や大阪教育大附属池田小学校での事件を引き合いに出すまでもなく、学校の危機管理は極めて重要な課題になっておりますが、きちんとした危機管理マニュアルの作成など十分な対応がとられているとは言えない現状にありますが、いかがでしょうか。
 また、子供たちの健康や教育的効果への影響などを考慮すれば、全県的に学校敷地内での全面禁煙に踏み切るべきだと提案申し上げますが、いかがでしょうか。
 御案内のとおり、仙台市ではことし十月から、幼稚園や養護学校を含むすべての市立学校百九十五校で実施されるようになりました。和歌山県でも既に昨年度から県下のすべての公立学校で実施しているほか、茨城県でも来年度から完全実施される見通しであり、あの長野県の田中知事に至っては、公立学校だけではなく、すべての県有施設で全面禁煙を決断し、ことし九月から実施されているようであります。
 次に、二つ目の、正確な情報を知る権利について言えば、教育分野はまだまだ不十分であり、私たちに知らされていない情報が多数存在しております。例えば教員採用試験の問題も、一部公開されるようになってきたとはいえ、愛媛県のように全面開示されてはおらず、本県では相変わらず専門教科や配点、採点基準などは非開示のままであり、今後は全面開示すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 特にこれから重要になってくるのは、学力低下への懸念に進んで対応していくことであります。このため学力データの積極的な情報公開が必要不可欠であります。本県では、昨年度から小中学生の一部を対象にした学習状況調査を実施し、簡便な分析結果のみが公表されているにすぎません。ことし十月には県立高校の全一年生に対して学力テストを実施しておりますが、結果はどうであったのか、いつごろまでに、どのレベルの情報を公開する予定なのか、お伺いします。私は、まず第一に、現在一割程度にしかすぎない小中での実施割合の拡大が必要だと考えますし、次に、小中高校を問わず、学校別や教科別の成績を公表し、これを学力向上策につなげていく努力が必要だと考えますが、いかがでしょうか。
 また、本県の大学進学率は三五・四%、全国第四十一位と、依然として低調でありますが、現在、学校ごとに公表されている進学や就職状況などに関して、県教委ですべてを取りまとめた上で公開することが必要だと考えますが、いかがでしょうか。こうしたデータが県民の前にきちんと公表されることによって、初めて実質的な選択権も保障されるわけですから、すぐにでも実施していただきたいと思います。
 同時に、すべての県立高校に対して、具体的な数値目標を掲げた取り組みを指導することが必要だと考えます。従来の抽象的あるいは観念的な目標や方針だけでは明らかに不十分であり、今後は目標値を明確に設けた上で、その達成率についても公表するなどして、保護者や地域住民に対し十分な説明責任を果たしていくことが求められておりますが、今後の方針を具体にお示しください。
 次に三つ目の、選択できる権利に関しては、何といっても学校選択の問題になりますが、義務教育課程では事実上ないに等しい実態であり、高校についても十分な選択肢があるとは言いがたい状況にあります。そもそも教育や学校の個性化や多様化、あるいは特色化を進めるとしていながら、その一方で学校選択の自由を過度に制約していることは明らかに政策矛盾であります。私は、これまでも、男女の性差によって選択できない公立高校があってはならないとの思いで、共学化も必然だと指摘してまいりました。同様に、居住地によって選択できる学校数に格差があったり、選択できない公立高校があってはならないとの思いもございます。本当の意味で、入れる高校から入りたい高校への転換を図っていく必要があります。確かにこれまでは地方教育行政法の縛りもあり、学区制を全廃することは実際には不可能でした。しかしながら、御承知のとおり、昨年一月に改正法が施行され、自治体の自主判断にゆだねられるようになったわけですから、早速、東京都や和歌山県では今春の入試から学区が撤廃されております。本県でも学区制の撤廃に踏み切り、選択肢の拡大と学校間競争原理の促進を実現すべきと考えますが、いかがでしょうか。また、全廃までの過程においては、少なくとも現在の越境容認割合の三%枠を弾力的に拡大し、最低でも一〇%程度に引き上げるべきと思いますが、いかがでしょうか。更にここで付言しておきたいことは、選択肢の拡大という観点からも、私学振興の更なる拡充に努めていく必要があるという点も指摘しておきたいと思います。
 最後に、四つ目の、意見が聞かれる権利に関してですが、これもこれまでに何度もここで提案してまいりましたように、学校評議員制度などの活用だけではなく、第三者による学校評価や授業公開の拡大を初め、子供たちや教員同士による授業評価制度の積極的な導入と活用によって、子供たちや保護者はもちろん、地域住民の声をしっかりと受けとめて反映させていく不断の努力が不可欠であり、一層充実させていくべきと考えますが、いかがでしょうか。
 以上、述べてまいりましたように、公教育改革には待ったなしの課題が山積しており、既に首都圏で顕在化しているように公教育離れに歯どめがかからないといった窮地に陥ることのないよう、改革のアクセルを更に踏み込んでいく迅速性が求められております。教育行政における浅野知事の力強いリーダーシップの発揮を期待しながら、次の質問に移ります。
 監察医制度の創設についてお伺いいたします。
 監察医制度とは、一般に余り知られていない制度だと思います。監察医とは、簡単に言えば、異状死体を検視し死因を明らかにする専門医師のことであり、いわば死体検案と行政解剖のプロフェッショナルであります。もともとこの制度は、終戦直後の昭和二十年、全国主要都市の飢餓状況が新聞報道され、その中で「特に上野駅周辺の薄暗い地下道では、多くの人々が飢えと寒さから虚脱状態となり、これと非衛生的な環境が重なって、餓死者が続出している」と書かれ、これがGHQの目にとまって、このような人々の死を死因究明もせず、簡単に警察や役所の手で、栄養失調、飢餓死などとして片づけているのは政策上問題があるとの判断から、こうした変死者の死因調査の方法として、当時アメリカで実施されていたメディカル・イグザミナーズ・システムが導入されたことがきっかけだと言われています。警察官と警察医によって簡単な検視が行われ、解剖することもなく、ほとんどは餓死と診断されていることに、当時のGHQの担当者は驚いたと言われております。本当に餓死なのか、伝染病などの病気によるものなのかを明確にするために、監察医という専門医による検視や解剖が行われるようになりました。その結果、死因は餓死ではなく肺結核や肺炎などであることがはっきりしてきたと言われております。
 こうして監察医制度は、昭和二十一年、最初に東京都で創設され、続いて大阪府に発足し、翌二十二年には、京都府、神奈川県、愛知県、兵庫県、福岡県でも導入されました。昭和二十四年には、死体解剖保存法の施行によって、東京二十三区、横浜市、名古屋市、京都市、大阪市、神戸市、福岡市に置かれることとなり、その後、予算的な理由で京都と福岡で廃止され、現在に至っているわけですが、残念ながら、これら以外の大多数の自治体には監察医がいまだに存在しておりません。このため監察医制度がない地域での検視は、従来どおり警察医、すなわち警察署の近くで内科や外科医として開業している医師に嘱託されているのが実態であり、これらの医師の方々は大変な御苦労をされていると伺っております。
 言うまでもなく人の死は、大きく病死と変死の二つに大別されます。病死は、医師にかかりながら患者がその病気で死んだ場合であり、主治医から死亡診断書を発行されますが、それ以外はすべて変死であり、病死でない人の死を医師がみとった場合には、二十四時間以内に所轄の警察署に変死届を提出しなければなりません。届け出を受けた警察は変死体を検視し、同時に監察医あるいは警察医が検視して初めて死体検案書が発行される仕組みになっております。その際、明らかに犯罪死の可能性があると判断された場合、又は犯罪性の有無がわからない変死体については司法解剖が行われます。一方、犯罪死の疑いがない場合でも、死因の不明な死体は、遺族の承諾を得て行政解剖が行われることになります。
 まず、ここで重要な問題点は、司法解剖については、監察医制度の有無にかかわらず、それぞれの地域において大学病院などの法医学教室の教授などいわば熟練者によって実施されており、特段問題はないと言っても差し支えありませんが、もう一方の行政解剖に関しては、その実施件数において大きな格差が見られる点です。すなわち監察医制度がある自治体では、監察医が専属的に対応しているわけですから、おのずと一定数の解剖が行われていますが、監察医のいない自治体では、承諾解剖という形で実施されておりますが、その実情は司法解剖と同様に法医学教室などによって行われており、その実施割合は極めて低調であり、多くの変死体の行政解剖が行われないまま死体検案のみにとどまっているのが現状であります。つまり、犯罪性が否定されても、本来ならば解剖をしなければ死因を確定できないはずであっても、多くの臨床医が解剖せずに死因を決定している可能性が大きいということであります。
 具体的に、平成十三年における本県と東京監察医務院の東京二十三区のデータを比較いたしますと、本県の死亡者数一万七千三百人のうち変死体数は二千百三十八人で、その割合が一二%です。このうち解剖されたのが百五十四人で、七%になっております。他方、東京二十三区の死亡者数は五万九千八百十人で、このうち変死体数は一万二人となっております。その割合は一六%です。このうち解剖されたのは二千六百二人で、その割合は実に二六%に達しております。ここで明らかなように、全体の死者総数に占める変死体数の割合には余り違いが見られないにもかかわらず、変死体数のうち解剖された割合で見ると約四倍の開きが見られることであります。同様に平成十二年の比較でも、本県が七・一%、東京二十三区が二四・五%となっており、やはり約四倍の開きがあり、こうした傾向は例年共通しております。宮城県と東京都という地域特性の相違点などを差し引いて考えても、この格差には監察医制度の有無が決定的な要因になっていることは明白であり、要するに、監察医制度がない地域では、犯罪性が明確でない限り、死因が不明でも解剖されない遺体が数多く存在しているのではないかということであります。
 以上、指摘してまいりましたように、私は、変死者の死因をより的確に特定する体制を構築することによって、死者の人権を守り、犯罪捜査や予防医学にも資していくために、本県においても監察医制度の創設を実現することがベストだと考えております。しかしながら、現実的には予算措置などのハードルも高く、なかなか困難であることも確かであります。そこで少なくとも、監察医制度に準じた対策の強化が必要だと思います。具体的には、行政解剖の拡充や警察医として委嘱している医師に対して法医学などの研修を適切に課していくなどの取り組みが必要不可欠に思われますが、警察本部長はどのように考えていらっしゃるのでしょうか。また、さきに指摘した解剖比率において約四倍の格差が生じている実態をどのように受けとめていらっしゃるのか、お聞かせ願います。
 とりわけ、本県における司法解剖の件数は、平成十二年が百三十八件、平成十三年が百五十件、平成十四年が百七十七件と年々増加傾向にありますが、これからも迅速かつ的確に対応していけるのでしょうか。今後の対策並びに司法解剖の実施体制の現況と本年十一月末までの件数について、本部長にお尋ねいたします。更に、承諾解剖の実施件数については、ここ数年、四から八件で推移しておりますが、既に言及したように、率直に言って少な過ぎると言わざるを得ませんが、どのように認識されていらっしゃるでしょうか。
 現在、本県内の警察医は、二十五の警察署中、仙台南署、仙台北署、石巻署の三署は二人、その他の署は一人となっておりますが、増加傾向の現状から、更なる増員と研修機会などの拡充が必要だと考えますが、今後の具体の対策についてお聞かせ願います。
 まだ時間も余っておりますが、このくらいで私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。
○議長(渡辺和喜君) 知事浅野史郎君。
    〔知事 浅野史郎君登壇〕
◎知事(浅野史郎君) 秋葉賢也議員の御質問にお答えをいたします。
 私からは、みやぎらしい教育改革の推進について、リーダーシップを示すべきと思うがどうかというお尋ねでございます。
 教育改革については、まず、次代を担う子供たちに対して、この宮城県でどうすれば最善の教育を行うことができるのか、それを真剣に考え抜き、その上で、全国一律、一斉に行われるこれまでのような教育ではなく、地域ごと、更には学校ごとの創意工夫や、それを可能にする分権や権限移譲を基本とした中央追随ではない独自の発想に基づく教育を行うことが必要であると考えております。教育委員会においても、このような考え方を踏まえて、生徒の選択による多様な学習を可能とするみやぎ教育特区というのを提案をしております。また、校長の自主性を生かして特色ある学校づくりを進める学校活性化プロポーザル事業というのを実施しております。更に、障害のある者とない者とが共に学ぶ教育の実現を目指す障害児教育充実事業、このような具体的な事業を現在推進しているところでございます。更には、緊急経済産業再生戦略においても、学級編制弾力化事業にも取り組む予定としているところでございます。
 このような取り組みを進めるに当たっては、私自身も、毎年度実施する重点事業の選定や予算編成、更には緊急経済産業再生戦略の策定などの過程において、教育施策の方向性の決定や個別事業の選択について、教育委員会との間での問題意識の共有化を図ってきております。適時適切にリーダーシップを発揮してきたところでございます。今後とも、みやぎらしい教育の実現に向け、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 秋葉議員に対する私からの答弁は、とりあえずこれだけでございまして、教育問題については教育長から、監察医制度については警察本部長からそれぞれお答えがございます。
○議長(渡辺和喜君) 教育長白石晃君。
    〔教育長 白石 晃君登壇〕
◎教育長(白石晃君) 秋葉賢也議員の御質問にお答え申し上げます。
 初めに、安全である権利としての学校の危機管理対策に関する御質問でございます。
 各学校におきましては、児童生徒の安全を何よりも優先して確保することが必要でありまして、常日ごろから、震災や不審者侵入など不測の事態に際しまして、適切かつ迅速に対処をするための危機管理体制を確立しておくことが重要であると考えてございます。このため県教育委員会といたしましては、小中学校につきましては、各市町村等教育委員会に対しまして危機管理マニュアルの作成を指導してきたところでありまして、その結果、現在県内全公立小中学校の九一%で作成されてございます。各学校におきましては、これに基づきまして施設設備の安全確認と点検、通学経路の安全確認、防犯訓練等各種取り組みの徹底がなされているところであります。
 また、県立学校につきましても、同様に危機管理マニュアルの作成を指導しておりまして、今年度中の予定を含め八六%で作成することとなっており、未作成の学校に対しましては、作成を急ぐように指導しているところであります。
 次に、学校敷地内での全面禁煙についての御質問であります。
 県教育委員会といたしましては、これまで県内各学校において生徒と接する場所や、学校長が指定した喫煙場所以外での喫煙を禁止しておりまして、分煙を推進してきたところでございます。禁煙対策といたしましては、ことしの六月でございますけれども、健康増進法の施行を踏まえまして、庁内に禁煙対策検討会を立ち上げました。現在、この検討会におきまして、児童生徒の受動喫煙防止や教育的効果の観点から、学校内での全面禁煙導入も視野に入れ、喫煙防止教育の徹底や職員の健康管理など、禁煙対策全般について検討しているところでありまして、今年度中には結論を出したいというふうに考えております。
 次に、教員採用試験の問題について、専門教科や配点、採点基準などが非公開であることから、今後は全面公開すべきと考えるがどうかという御質問であります。
 教員採用試験問題の公開につきましては、平成十三年度実施の採用試験から、教職教養問題と専門教養問題については受験者が持ち帰るようにしてございます。また、集団面接題や作文題につきましても、県教育委員会のホームページに掲載しておりまして、自由に閲覧できるようにしており、全面的に公開しておるところであります。
 配点、採点基準等の公開に際しましては、教員採用においては、受験者の多様な資質・能力、思考方法を前提といたしまして、児童生徒に対する指導法や接し方などの教員としての資質を見きわめる必要があること、採点基準などを公開することによりまして、受験者がそれに沿った受験対策を行って画一的な対応となり、結果として、多彩な資質や能力を備えた教員を採用することが難しくなってしまうおそれがあることから、これらを全面的に公開することは困難であるというふうに考えてございます。しかしながら、選択式の設問の解答、配点といった客観的に判断できる部分につきましては、他県における状況なども踏まえながら、できる限り速やかに公開できるよう、共同実施をしてございます仙台市と十分に協議を行いたいというふうに考えてございます。
 次に、学習状況調査に関する御質問についてであります。
 ことし秋に実施しました小学校五年生、それから中学校二年生、高校一年生を対象にした調査結果につきましては、現在、回答をまとめてございまして、今後詳細な分析などを行うことにしてございます。この分析結果でございますけれども、県全体のレベルで教科別、あるいは領域別の通過率の状況などをまとめまして、本年度内に県ホームページなどを活用し、広く公表してまいりたいというふうに考えてございます。
 また、小中学校での実施割合でございますけれども、昨年度は学年児童生徒の一割を対象にしてございました。今年度は二割に拡大しておりまして、今後更なる拡大を検討しているというところでございます。
 次に、学校別・教科別の成績の公表でございます。
 学校別の公表を前提とした場合、調査に向け各学校で成績を上げるための特別な学習指導を行うことなどによりまして、常日ごろの学習定着状況を把握するとの調査目的の遂行が困難になることや、学校の年間指導計画の適切な運営に支障を来すことも考えられるため、現在、学校ごとの公表は行わないということにしてございます。今後、学校ごとの公表につきましては、他県などの事例を参考にしながら、市町村等教育委員会の意向も踏まえまして、次回調査までに検討してまいりたいというふうに考えてございます。
 次に、学校ごとに公表されている進学や就職状況などに関しまして、県教育委員会ですべてを取りまとめて公表してはどうかというお尋ねでございます。
 県教育委員会としましては、本県高校生全体の動向をとらえまして、各学校の進路指導の充実を図るという観点から、進学につきましては、国公立・私立別の進学者数、就職につきましては、県内・県外別の就職者数などの区分で取りまとめて、その結果を公開してございます。
 しかしながら、議員御指摘の各学校ごとに公表されている進学や就職状況などに関しての取りまとめとその公開につきましては、次の学年の生徒一人一人具体の進路実現に生かそうという目的のものでありますので、各学校において対応させることが適当であるというふうに考えてございます。
 なお、調査結果につきましては、各学校ごとに学校要覧やホームページで積極的に公表しておるところであります。
 次に、すべての県立高校に具体的な数値目標を設け、その達成率を公表してはどうかというお尋ねがございました。
 各学校が具体的な数値目標を設定し、その達成状況をわかりやすく保護者や地域住民に公表し、説明責任を果たすことは重要であるというふうに考えてございます。このため、県教育委員会といたしましては、校長の自主性を生かした学校づくりを推進する学校活性化プロポーザル事業の中で、泉館山高校を初め三校が、例えば、英語検定試験の取得率や、あるいは部活動での入賞数などを具体の数値化できる目標として設定しておりまして、その達成状況を公表することとしております。それ以外には、みやぎ高校いきいき夢プラン事業では指定校十二校が、それから、学力向上フロンティアハイスクール事業では九校が、同様に数値目標を掲げた取り組みを行っているところであります。今後、これらの先進的な取り組みの成果をほかの県立高校に順次普及したいというふうに考えてございまして、各高校における具体的な数値目標の設定を図っていきたいというふうに考えてございます。
 次に、学区制の廃止や三%の枠の拡大に関する御質問がございました。
 学区制は、県内の生徒が両親のもとから無理なく高校に通学するように、また過度な受験競争が生じないようにするために普通科の学校に設けた制度でございます。宮城県では、現在でも地域によってはかなり高い入試倍率になっておりまして、このような状況の中で学区を廃止しますと、多くの不合格者が出ることが予想されまして、過度な受験競争を招くことが懸念されるところであります。こうしたことから、現時点での学区制の廃止は難しいというふうに考えてございます。
 また、普通科高校への三%枠の導入でございますけれども、通学区域規則の中で、入れる学校から入りたい学校へという受験生のニーズにこたえるために、平成十三年度に制度化したものでありますが、本制度導入後三年目であること、それから、活用状況が三%まで達していないことなどから、枠の拡大につきましては、今後の推移を見ながら対応してまいりたいというふうに考えてございます。
 次に、第三者による学校評価や授業公開の拡大についての御質問でございます。
 学校評価につきましては、ことしの三月に、県立学校の管理に関する規則の改正を行いまして、学校評議員のほかに、児童生徒や保護者の参画による自己点検、自己評価の実施とその結果の公表をすべての県立学校に義務づけたところであります。また、小中学校におきましても、同様の自己点検、自己評価を実施しているところであります。
 議員御指摘の第三者による学校評価につきましては、県内すべての小中高校では、教員のほかに児童生徒や保護者による自己点検、自己評価を実施していることから、当面その推移を見守り、必要に応じ改善を図っていきたいというふうに考えてございます。
 また、授業公開につきましては、すべての小中高校におきまして、開かれた学校づくりの一環として、地域、保護者などを対象に、今年度から各学校で年間十日間以上設定することとし、平成二十二年度までには一〇〇%の実施を目指しております。
 更に、教員、児童生徒による授業評価制度につきましては、今年度からすべての県立高校で実施することとしており、小中学校においても今後拡大を図ってまいりたいというふうに考えてございます。
 今後とも、御指摘のように、児童生徒や保護者、地域住民の意見を的確に受けとめることができるよう、より一層開かれた学校づくりを推進してまいりたいというふうに考えておるところであります。
 以上です。
○議長(渡辺和喜君) 警察本部長東川一君。
    〔警察本部長 東川 一君登壇〕
◎警察本部長(東川一君) 秋葉賢也議員の御質問にお答えいたします。
 まず、変死者の死因をより的確に特定するため、行政解剖の拡充や、警察医として委嘱している医師に対する法医学などの研修が必要と考えるがどうかという御質問でございますが、一般的に警察でいいます行政解剖とは、死体の外表検査だけでは死因が判明しないような場合に、御遺族の感情などにも配慮して、御遺族の承諾のもとに行う死体の解剖で、いわゆる承諾解剖というふうに言われております。本県では平成八年度からこの承諾解剖についての予算が認められまして、以降、現在まで年間四ないし十体について承諾解剖を実施しておりますが、変死体の取り扱いが年々増加する中、警察医の研修とあわせて承諾解剖を増加させる必要性を痛感しておりますので、財政措置等が図られるように努力してまいりたいと考えております。
 次に、東京都の監察医務院における変死体に占める解剖率と本県における変死体に占める解剖率に四倍の格差があるが、この実態をどのように受けとめているかということでございますが、東京都監察医務院につきましては、監察医制度に基づきまして、法医学の専門医が同院に常駐しておりまして、東京都二十三区内で発見された変死体についての検案と解剖を行っているというところであります。議員御指摘のとおり、同院における解剖率と本県の解剖率には格差があるというのは事実でございます。この格差につきましては、監察医制度のもとでは、住民の公衆衛生の向上に資するという目的で、事件性がないと思われる死体についても解剖を行っているということに対しまして、警察の場合、その死が事件に関連したものか否かという観点から解剖を行っておりますので、東京都監察医務院における解剖比率との間に格差があるということは、ある意味では当然かなというふうに思っております。
 なお、監察医制度のない道府県の解剖比率について見ますと、本県の解剖率及び解剖体数は他の道府県と比較してその数直が高いという実態にあります。とりわけ、司法解剖に限っていえば、本県の解剖率は、警視庁の解剖率を上回っている実態にございます。
 次に、司法解剖が年々増加している中で、これからも迅速かつ的確に対応していけるのか。今後の対策並びに司法解剖の実施体制の現状と本年十一月末現在までの件数はどうかという御質問でございますが、確かに議員御指摘のとおり、変死体の取り扱い件数は年々増加しているところでありまして、この変死体の取り扱いに当たりましては、現在二十五警察署におきまして嘱託しております二十八人の警察医の先生方の御協力を得て、検視を行っているというところでございます。更に、解剖につきましては、本年十一月末現在、百六十三体の司法解剖を行っておりますが、これは、東北大学法医学教室の教授以下三名の先生に委嘱して実施しているものであります。現状では、この体制による検視並びに解剖に特段の支障が生じている状況にはないというふうに考えております。したがいまして、当面は、これまでどおり東北大学法医学教室の先生方及び警察医の先生方の御協力を得ながら、事件性の有無等について緻密な捜査を行い、不審点があれば積極的に解剖を行うなどして誤認検視の防止に努めてまいりたいというふうに考えております。
 次に、承諾解剖の体数の推移と現状ということでございますが、この件につきましては、先ほど答弁申し上げましたけれども、本県警察では、平成八年度から予算が認められておりまして、現在まで年間四から十体の承諾解剖を実施しておるというところであります。変死体の取り扱いが年々増加する中、承諾解剖を増加させる必要性というのも痛感しておりますので、今後とも財政措置が図られるように努力してまいりたいというふうに考えております。
 最後に、警察医の増員と研修機会等の拡充に関する対策ということでございますが、先ほど申し上げましたように、現在、県内二十五の警察署に嘱託警察医二十八人であります。これは検案業務のほか、留置人の健康診断等、昼夜を分かたずに御尽力をいただいているところであります。最近は、仙台市内及びその周辺での取り扱い体数が年々増加してきておりますことから、今後は各署の実情を視野に入れながら、警察医の増員を検討していきたいと考えております。
 また、嘱託している警察医の先生方に対する研修機会等の拡充ということでありますが、現在、警察医会が中心となりまして、毎年春と秋の二回、東北大学法医学の先生方による事例を用いた研究成果の発表や、警察医の先生方同士の意見交換などを行って研讃を重ねられているという状況でございます。
 以上です。
○議長(渡辺和喜君) 三十五番秋葉賢也君。
◆三十五番(秋葉賢也君) 御答弁ありがとうございました。
 本当に白石教育長には、ちゃんと期限も明示いただきまして、わかりやすくお伺いさせていただきました。感謝申し上げたいと思います。
 知事にはそもそも一点の質問しかしておりませんけれども、知事に一点と、教育長に三点質問させていただきたいと思います。
 知事は、御答弁の中で、リーダーシップを発揮してきたと明言されたわけでございますけれども、私は、発揮してきたつもりだけれども、まだまだ不十分な点があれば一層努めていくぐらいの答弁かなと予想してたんですが、自分としては発揮してきたというふうな認識を持たれているようであります。私は、知事の基本的なスタンスにある理念というのは非常に共鳴はするんですね。競争原理とかも重要だということとか、あるいはもっと公開もしていかなければいけない。統制じゃなく、本当に宮城県独自の教育という、理念ですね。しかし、そういった知事の考え方から具体にいろんな打ち出してきた政策というのが、県民には十分伝わってないんですね。そしてどういう成果があるのか、いろんな教育特区での取り組みとか、プロポーザル制度とかいろんなお披瀝ありましたけれども、それは例えば知事としてのリーダーシップの中で、具体の政策を掲げて、そしてその達成状況がこうだという形でわかりやすく示していくということもリーダーシップの一つだと思いますので、そういう意味で、やはり知事自身が知事自身の言葉でこんな宮城県の教育をつくっていくんだという、そういう直接県民に語りかけていくような、そういう意味でのリーダーシップ、それが私の言う、目に見えるリーダーシップということなんで、そういう意味でのリーダーシップを発揮していただきたいと思うわけでありまして、知事は十分だと思っているようでありますけれども、私は少なくとも不十分だと思っておりますので、もう一度お聞きしたいと思います。
 それから、教育長には、先ほど申し上げたように、本当にわかりやすい御答弁で感謝申し上げるわけですけれども、まず一点目は、学力検査の公開について今検討中で、次回調査までに結論を出したいということで伺いました。それで、私は、学校別というのはなかなか確かに難しい側面があるのはわかるんですが、やはり圏域ごとの分析必要だと思います。そして、何よりも学校間の格差を助長したり、序列化をあおるために公開するのじゃなくて、いわゆる現況を十分把握するための調査、公開ということの観点から取り組むことが大事だと思うんですね。そういう意味で、ぜひ圏域ごとの特徴というものを公表していくことが必要だと思いますので、その辺について伺いたいと思います。
 それから、二つ目は、これも公開についてなんですけれども、いわゆる県教委で学校ごとに公開されている進学の実績や就職の状況というものを私は県教委で一元的に取りまとめて公表した方がいいよということを申し上げたわけですが、教育長はそれに対して、いろんな不利益もあることから、その考えはないというお答えだったんですけれども、私はその答弁には納得できないんですよね。保護者の立場として、どこの公立学校を選択するかというときに、やはり一目瞭然の資料というのはあって当然だと思うんですね。ここの学校はこうだ、ここはこうだというね。そういう意味での実質的な一元管理された情報の公開ということが本当の意味での私は競争原理のそういうことが原動力になってくるんじゃないかなと思うわけですし、そういう意味での公開によって初めて本当の意味での選択権というものが保障されるんだと思いますので、この点はやはり、公開できない指標というのがあると思いますけれども、少なくとも進学実績とか就職実績については、これは一元管理した情報が公開されるべきだし、子供たちや保護者だって、それを見てどの学校を選ぶかなという重要な情報の一つになると思いますので、これは再考いただきたいと思いますので、あえて再質問をさせていただきます。
 それから三点目、これは最後になりますけれども、学区制の問題ですね。受験競争をあおることになると、必ずこの問題取り上げるとそういう答弁になるんですけれども、それ自体非常にデータを示して反論をいただかないと、何か観念的な議論で、受験競争につながるからおかしいたって、現に子供たちの間では、そういった認識というのはあるわけですね、現に。そして、少なくとも三%枠についても、現在それが十分使われてないという答弁でした。確かに三%枠、全体を合計すると定員数は三百三十三人になると思うんですね。実際去年は、それに対して百二十四人ですから、確かに半分以下だ。見方によってはね。教育長おっしゃる答弁のとおりなんだけれども、しかし、実はこの数字というのは、それぞれの学校、中学校で抑制しているからこういう数字になっているんですよ。つまり子供たちの潜在的なニーズ、入れる学校じゃなくて、入りたい学校に入りたいんだという潜在的なニーズが非常に高いんです、実際は。それをそれぞれの学校で、一校当たり一人、二人とかという、そういう絞り込みがあるから、三%枠に達してませんよなんという答弁になるわけであって、やはり実態を直視していただければ、学区制の全廃がすぐは無理でも、これを仮にもっと引き上げていけば、もっと高いいわゆる越境比率になっていくことは間違いないと思ってますので、少なくともこういった、いわゆる枠の部分でそういう県民ニーズに対応していくということでの拡大が必要だと思いますので、以上三点お伺いしたいと思います。
○議長(渡辺和喜君) 知事浅野史郎君。
    〔知事 浅野史郎君登壇〕
◎知事(浅野史郎君) 秋葉賢也議員の再質問にお答えをいたします。
 議員からは、宮城の教育について知事のリーダーシップを発揮しろというお話でございました。私は、先ほどリーダーシップを発揮していると言ったのは、例えば、学校活性化プロポーザル事業とか障害児教育充実事業、これはぜひ宮城でやろうということで、教育長と相談をしながら施策化したという意味では自負をしておりますが、今議員のお話では、そういったものの成果というか、状況をちゃんと県民に向かって、県外に向かっても発表をしろというお話でした。これはリーダーシップということの一部になるんでしょう。そういう意味でとらえれば、ぜひそのようにさせていただきたいというふうに思います。今挙げたような事業は、まだ始まったばかりで、必ずしも具体的な成果というのは如実に出ているわけじゃありませんけれども、それを実施している間の問題点なり、そういうことを実施するねらいといったようなものについては、私からも外に向かって話していくということは重要なことだというふうに思っておりますので、それはそのように受けとめさせていただきます。
○議長(渡辺和喜君) 教育長白石晃君。
    〔教育長 白石 晃君登壇〕
◎教育長(白石晃君) 秋葉賢也議員の再質問にお答え申し上げたいと思います。三点質問がございました。
 一つには、学力検査の公表に絡んで、圏域別の公表というお話がありました。これは先ほど申し上げましたように、現在での公表のレベルでありますけれども、これは教科別、圏域別、問題別ということで、通過率の状況等をまとめて出しているのが実態であります。それで、問題になるのは学校ごとの公表と、それからそれに絡んでの圏域別の公表ということになろうかと思いますけれども、これは先ほど申し上げましたように、いろいろほかの県の事例もありますので、それを参考にしながら、次回調査まで検討していきたいというふうには考えております。ただし、この学力検査の公表ということで、基本的なところで考えておかなければならないことは、あくまでも公表が学校の序列化につながっていくということではそれは困るという話でありまして、あくまでも公表することが即現況把握のための公表だというところの意義は、これはずっと残しておくべきというふうには考えてございます。
 それから、県教委の方で、学校ごとに公表しているものを取りまとめて公表してはどうかというような御質問でありますが、これは再考したらどうかというようなお話がありました。それで、これについてはやはり我々としましては、各学校における個別具体の就職やあるいは進学先の調査結果、これを一覧表ということで取りまとめることは、学校の序列化を助長して、一つの尺度だけで学校が評価されるという懸念があるのではないかというふうに考えてございます。いずれ調査の趣旨が、次の学年の生徒一人一人具体の進路実現のためであることでありますので、各学校で公表している現状、こういう現状があるわけですけれども、それが適当ではないかというふうに考えてございます。今のところは、そういう考えでいきたいというふうに思っております。
 それから、学区制の三%の関係でありますけれども、これにつきましては、いろいろ考え方がありますけれども、この学区制の設定の理由というものが、過度な入試倍率にならないようにというところの目的が一つあります。それで、今学区制について、入試の志願倍率を申し上げますと、県全体としての一般入試出願倍率、これは一・三倍程度で推移しておりまして、これはおおむね適切に機能しているというふうに考えてございます。
 それから、入れる学校から入りたい学校へという受験生のニーズというお話があったわけですけれども、そういった受験生のニーズと、それに基づいた中学校の進路指導から見ましても、学校の自由な選択ができることは重要であるというふうに考えております。だけれども、地域によっては、先ほど言ったように、一・五倍を超える非常に高い入試倍率となっておりまして、過度の受験競争は避けなければならないということでの大きな課題があるというふうなのは、依然として解消されてないというふうに思っております。
 こういった状況から、これからの進め方でありますけれども、今お話のありました三%、この枠が適切な大きさなのかどうかということとか、あるいは現在通学区域が五地域になっているわけですけれども、その地域の割り方は適切であるかどうか、そこら辺については、これからも十分に調査していきたいというふうには考えてございます。
 以上です。