会議録全文
 

22 平成十六年二月定例会(平成十六年二月二十七日質問)

・地域主権とガバナンスの確立に向けて(県の役割と権能・道州制・広域連携への取り組み)
・みやぎらしい教育改革の推進について
 (子供の読書活動・公立図書館整備・学校図書館・小学校校庭の芝生化・東京未来塾)

[答弁] 知 事  浅野史郎君    
     教育長  白石 晃君


    〔三十五番 秋葉賢也君登壇〕
◆三十五番(秋葉賢也君) 今日、地方分権改革の時代潮流は、遅々とした歩みではありますが、着実に進展してきております。こうした時代の転換期には、これまでの常識が非常識化し、非常識が常識化していくものですが、なるほど戦後の高度成長を支えてきた中央集権システムも明らかに制度疲労に陥り、もはや非常識化していることはだれの目にも明らかであり、このため地域主権型社会とでも言うべき新しい常識をいかに構築していくかが問われております。
 折しも今議会は、昭和二十二年の五月に地方自治法施行後の最初の県議会が開催されて以来ちょうど三百回目という節目に当たり、改めてこれからの地方自治のあるべき姿について、更に掘り下げた議論の必要性を痛感いたしております。この半世紀の間に、国が国民に対して保障する最低限の生活水準であるいわゆるナショナル・ミニマムや、あるいはシビル・ミニマムはほぼ充足されてきており、これからはローカル・オプティマムの実現が必要だと言われるようになってきております。ローカル・オプティマムを直訳すれば、地域の最適水準ということになりますが、要するに、自己決定、自己責任の原則に基づく地域主権型のシステムにしていこうとするものであります。いわば現在の地方分権改革が志向すべき理念であり、住民から見て受益と負担の関係がより明確となる行財政運営を実現していこうとするものでもあります。
 一方、最近の行政学などの研究分野では、自治のあるべき姿として、従来の公権力に基づく統治システムとしてのガバメントという発想から脱却し、住民の主体的な参加と住民の自己決定による共同体運営のあり方を意味する協治システムとしてのガバナンス、ガバメントからガバナンスという概念が盛んに提示されるようになってきており、これからはガバナンスへの転換の促進が重要視されるようになってきていると言ってよいと思います。
 そもそも行政の役割とは一体何でしょうか。地方制度調査会の副会長も務めている西尾勝教授によれば「行政サービスの適正な範囲とは何か。市場の経済活動と政府の行政活動のあるべき境界線はどこか。これは歴史上繰り返し論じられてきた論点であるが、これから先も、時には右に、時には左に揺れる振り子運動を繰り返すであろう。行政サービスの範囲は、学問の確定し得るところではなく、あくまで政治のメカニズムを通して決定されるべき性質のものである。それゆえに、それは国ごとに多様であって当然であり、時代とともに変遷して当然のものである」などと指摘しておりますが、二十世紀に関する限り、行政の守備範囲はほぼ一貫して拡大し続けてきたことは間違いありません。二十一世紀も四年目となる現在では、量的にも質的にも大きな変容期を迎えていると総括することができると思いますが、今改めて、県や県行政の役割について抜本的な見直しが迫られているのだと認識しております。私は、その際、ローカル・オプティマムやガバナンスの理念に立脚した上で構想することが重要だと考えております。結論を先に言ってしまえば、地方制度における都道府県と市町村という二段階構成の中で、今後、基礎自治体としての市町村の役割が飛躍的に増大するであろう反面、都道府県制度の現在の枠組みが維持され続けるとすれば、確実に都道府県の役割は低下していくだろうと考えざるを得ないということであります。
 そこで、まず知事にお伺いしたいのは、現在の県や県行政の役割と権能について、どう認識され、どのように実践に結びつけていらっしゃるのか。そして、今後、都道府県の制度や役割はどうあるべきと考えていらっしゃるのか。ぜひ知事の自治制度設計への哲学や理念も含めてお聞かせいただきたいと存じます。
 二〇〇〇年四月の地方分権一括法による地方分権改革から既に五年が経過し、いまだ積み残しになっている課題のうち税財政の自立に関しては、甚だ不十分ながらも、いわゆる三位一体改革の中でようやく少しずつ動き出しつつあります。他方、分権の担い手ともなる市町村では平成の大合併が進められているものの、都道府県に関しては、一八八八年、明治二十一年に四十七の道府県になって以来、区域がほとんど変更されることなく今日に至っており、広域自治体としての都道府県制度のあり方が本格的に問われるようになりました。
 昨年の総選挙で小泉首相は、道州制導入の検討と北海道における道州制特区の先行展開を地方重視の重点公約として掲げ、将来のあるべき姿として道州制基本法の制定を打ち出したことは私たちの記憶に新しいところであります。首相の諮問機関である地方分権改革推進会議においても、道州制導入に関して、分割の単位を国の省庁の出先機関が所轄するブロック単位とする案や、全国で十から二十程度の県を範囲とする案が示されるなど、今後の論点が具体的に提示されるようになってきております。
 更にまた、昨年十一月に地方制度調査会が示した、今後の地方自治制度のあり方に関する答申では、基礎自治体のあり方、大都市のあり方、広域自治体のあり方の三つに区分した上で一定の結論を示しておりますが、中でも注目すべきポイントは二点ではないかと思っております。
 一つは、基礎自治体優先の原則が明示され、今後の基礎自治体は住民に最も身近な総合的な行政主体として、これまで以上に自立性の高い行政主体となることが必要であり、これにふさわしい十分な権限と財政基盤を有し、高度化する行政事務に的確に対応できる専門的な職種を含む職員集団を有するものとする必要があるとして、基礎自治体の規模、能力は更に充実強化することが望ましいと断言していることであります。
 二つ目は、広域自治体のあり方として、都道府県の自主的な合併のための手続を簡素化することに加えて、道州制導入についても基本的な考え方や具体的な論点が初めて整理されたことであります。政府は、今後更に第二十八次となる地方制度調査会のテーマとして、道州制の導入に絞って本格的に検討をしていく方針を既に示しております。
 平成の大合併が進展すればするほど、広域自治体である都道府県の役割や権能も変わってくることはむしろ当然のことであり、道州制への移行が、これまでの構想の域からようやく現実味を持って語り始められたことは歓迎すべきことではないでしょうか。内容的に見ても、これまでの道州制導入の議論は、単に行政の効率化の観点から論じられる傾向が強かったわけでありますが、今や国と地方の役割を見直し、広域自治体の仕事を再規定する、地方自治における根本的な制度設計の課題としてとらえられるようになってきたことは大変大きな変化だと思います。
 こうした道州制への動向は、地方レベルでも活発になってきております。御案内のように、青森、秋田、岩手の北東北三県では特に目覚ましいものがあり、昨年は三県の課長レベルによる協議機関が設置されたほか、更に岩手県では別途、県民代表による会議も発足させております。また、三県の若手実務者でつくる北東北広域政策研究会では、昨年八月の最終報告書で、三県が二〇一〇年に合併し、まず東北特別県へと移行し、その後五年から十年で東北六県による東北州を実現することを具体的に提唱し、注目を集めております。ほかにも、岡山県では中国、四国の九県でつくる中四国州を提唱しているほか、富山県では石川、福井、新潟との北陸四県による越の国としての道州制を模索いたしております。神奈川の松沢知事が首都圏連合構想を打ち出したのも、ごく最近のことであります。注目すべきは、こうしたビジョンが国からの一方的な押しつけではなく、あくまでも地域からの発意による地域主導によって議論が積み重ねられてきたこと自体を大きな意義があると評価してよいと思います。
 さて、具体的に東北州を想定してみた場合、総面積ではスリランカやアイルランドと同規模であり、人口は九百七十四万人となり、ギリシャやスウェーデンに匹敵いたします。また、東北州のGDPは約三十四兆円で、ドル換算では約三千百億ドルに達しており、この額はスイスなどを上回り、オランダと肩を並べる水準になります。まさに東北州は世界の独立国家にも匹敵するスケールを有してきております。歴史にイフはタブーと申しますが、私は、もし東北各藩が一八七一年、明治四年の廃藩置県に従わずに、日本の国の一地方としてではなく、完全に独立した国家としての道を歩んできたならば、あるいは今日以上の発展を遂げていた可能性も否定できないのではないかと思いをめぐらします。反対に、さまざまな制約によってむしろその発展はおくれたのではないかと見る人もいるでしょうが、知事はどのように想像をめぐらしますでしょうか。
 いずれにしろ、本県においても道州制導入の機運が高まりつつある時代の変化を敏感に、かつ前向きに受けとめて、行政レベルのみならず県民レベルに至るまで、まずは百花繚乱の議論をしていく環境を整える時期に来ていると思われますが、知事の道州制に対する御見識と実現への意欲についてお伺いいたします。
 更に、本県でも山形や福島との連携の強化はもとより、既に先行し、産廃税の導入や海外事務所の共同設置など広域的な連携の実績を蓄積しつつある北東北三県との連携の強化が必要だと考えますが、いかがでしょうか。
 同時に、庁内組織の設置や連携のあり方など今後の具体的な取り組みについて詳しくお聞かせください。
 明治初期に断行された廃藩置県は、三百余りもあった藩を四分の一にまで減らすという大改革でしたから、言うまでもなく、かなりの難事業であったに違いありません。当時この計画に参画していた木戸孝允の日記には「世間目して余を殺さんと欲するの説少なからず……余、受害のときは大事の成らざるを憂い、進退出没機宜をうかがう」と記してあります。すなわち、世間には自分の命をねらっている者も少なくないと耳にするが、殺されてしまってはこの大業をなし遂げることができないので、十分に気をつけて行動しているのだとみずから書いているわけであります。文字どおり命がけでこの改革に当時当たったということがしのばれます。
 二十一世紀の日本が更に繁栄を遂げていくためには、分権型社会を制度的にも確固たるものに変革していくことが必要不可欠であります。道州制の導入は、単なる都道府県の合併や国から都道府県への権限移譲といった次元にとどまらない、地方自治制度のあるべき姿を志向する大改革であり、知事におかれましては、施設の解体宣言も大変結構ですが、ここは都道府県の解体宣言をするぐらいの強い信念と勇気を持って取り組んでいただきたく、平成の廃県置州とでも形容すべき道州制の早期実現のために遺憾なくリーダーシップを発揮されますことを期待し、次の質問に移ります。
 みやぎらしい教育改革の推進のために、幾つかお尋ねいたします。
 ところで、知事は、一カ月に何冊ぐらい本をお読みになりますでしょうか。大変お忙しいとは思います。今や一カ月間に全く本を読まない児童生徒は年々増加傾向にあり、高校生では実に約六割が全く本を読まないという、極めて看過できない深刻な実態にあります。
 今般、子供たちの読書活動を一層推進していくため、みやぎ子ども読書活動推進計画が平成十六年度から二十年度までの五カ年計画で策定されたことは、まことに好ましいことだと思います。計画では、すべての子供が本を読みたいと思ったときに、いつでもどこでも自主的に読書活動ができるよう環境の整備を推進していくことを目標とし、具体的な数値目標も明示されておりますが、ぜひこの目的が達成されるよう期待したいものであります。
 最近では、朝の始業時間前に読書の時間を設けて成果を上げている学校もふえつつあり、相変わらず子供たちの活字離れが顕著になっている中で、極めて有効な取り組みの一つだと思いますが、今後ともこうした活動を更に徹底して、その浸透を図っていくことが大切だと考えますが、いかがでしょうか。
 この計画の重点施策の四番目に掲げられている公立図書館の設置促進と整備充実については、まさに根底となる施策であり、私も過去何度か提言してきたところですが、いまだに我が県における公立図書館の設置率は全国最下位の一六%にすぎず、残念ながら依然として低調であります。五十九ある町村の中で図書館が設置されているのは、わずか十町にすぎません。例えば全国トップの富山県では、すべての自治体に図書館が設置されているなど、都道府県間の格差が著しいのが現状ですが、知事は、全国ワーストにある本県の図書館整備の現況をどのように受けとめていらっしゃるのでしょうか。今後の整備予定を含めてお伺いいたします。
 また、学校図書館における一校当たりの蔵書冊数では、全国平均と比較したとき、中学校と盲学校でマイナスになっており、これもでき得る限り充実していってほしいと願っておりますが、いかがでしょうか。
 いずれにしても、読書というのは基礎学力のベースとなるものであります。小さいころからの読書の習慣を身につけさせていく上でも大切なもので、一層の促進を心から期待いたしております。
 次に、とりわけ小学校における校庭の芝生化の促進についてお伺いいたします。言うまでもなく芝生化は、温暖化の緩和や砂じんの防止はもとより、子供たちの運動や健康にとって好影響があることがはっきりしてきており、PTAや地域住民との連携の強化を構築しながら積極的に緑地化を推進していくべきだと、さきにも提言してまいりました。この間の進捗状況についてお聞かせください。
 最後に、東京都ではこの四月から、都内の高校三年生を対象にして、二〇〇五年度に開校する都立新大学への入学資格を与える東京未来塾を開設することになりました。これは大学に附属した形で、教科以外に奉仕活動や企業経営者らの講義など特別なメニューを用意する公設公営の体験型の学習塾であり、全国初の試みとなるものであります。この未来塾へは一定の成績などの条件を満たす希望者を対象に五十人の入塾が予定されているようですが、実にユニークで意欲的な取り組みであり、その着想を率直に評価したいと思います。単に少子化時代の大学戦略にとどまらずに、個性豊かで多様な人材を育成しようとするものであり、ぜひ我が宮城大学においても大いに参考にすべきと考えますが、いかがでしょうか。
 これからの教育改革は、あくまでも地域の独自性が最大限に発揮される中で推進されなければならないことを強調し、今回の質問を終わります。
○議長(渡辺和喜君) 知事浅野史郎君。
    〔知事 浅野史郎君登壇〕
◎知事(浅野史郎君) 秋葉賢也議員の御質問にお答えをいたします。
 大綱一点目は、地域主権とガバナンスの確立に向けての御質問でありました。
 まず、県、そして県行政の役割についてどう考えるかということでございます。お尋ねは、県とそれから県行政、二つだと思いますが、県の役割、これは議員からもお話がありましたように、基礎的自治体である市町村が飛躍的にその足腰を強くしている、行財政能力も拡大をしている、またそういった方向に進むべきであるという中において、都道府県の県の果たす役割というのは相対的に小さくなっていくだろうと思います。その意味では、県の存在、役割というのは、歴史的存在というか、経過的な存在というふうに見ることができるかもしれません。現実問題としては、現在も市町村合併が進んでおりますが、しかし、今回の平成の大合併の中においても、まだ小規模町村というのは残ります。これは無理やりに合併を進めるわけにもいかないいろいろな地域も状況もありまして、小規模町村はある一定期間は残るという状況もありますので、そういった意味においては、基礎的自治体である市町村がすべて相当程度の自治能力、行財政能力を持つに至るというには少し時間がかかるかもしれませんが、しかし、流れとしては県の役割というのは相対的に小さくなっていくもの、そして県としてはより高度で広域的な課題ということに集中をした任務を果たすことになるだろうと、そういったことが求められると思います。
 御質問の中では、県行政ということも、役割についてもというふうにちょっとお聞きをいたしましたので、少し申し上げますと、これは県に限らずですが、行政が今までは公、パブリックというものをある意味では独占をしてきたというところがありますけれども、しかし、実際は公と官とは違うわけでありまして、パブリックな部分については、今後ますますNPOでありますとかボランティアでありますとか、また企業も公的な活動に大きな役割を果たしていくということが見込まれ、また期待されます。そういう意味では行政の果たす役割というのは、むしろそれとの役割分担の中において、ぎりぎり行政でなければできないものということにむしろ特化していくという方向、これが考えられるのではないかというふうにも思います。あわせて県、そして県行政のあり方ということについての今のところの考え方を申し上げました。
 それから二番目に、大変難しい質問をお受けいたしましたが、イフの問題でございます。廃藩置県、明治維新での廃藩置県に東北が従わずに、東北として独立の存在としていた場合にどうなったかと。これは多分、だれも答えられないんだと思いますけれども、おまえはどう考えるのかと言われたので、ちょっと考えてみました。廃藩置県というのは、当時の日本の置かれていた歴史的状況から言って、列強の植民地政策から免れるために富国強兵、殖産興業ということをしなければならないという、ある意味では日本のとるべき歴史的必然だったんだろうと思います。したがって、そもそも廃藩置県反対よと、東北は東北でやっていきますというのが許されたかどうか、またそれが望ましかったかどうか、これは大いに疑問符がつくところではあります。しかし、御質問はそうではなくて、仮にそれができてやっていったらということでありますので、そうやって考えていきますと、結果としては発展はしなかったかもしれません、今のような。しかしですよ、しかし、それはまさに独立、自立の意欲というのはいやが上にも高いわけでして、今逆に言われる、みんな一律に同じ色をしているという地域のカラーは、東北だけは別だということ、これはこれからの時代に大いに強みになっていくだろうと。もういっているのかもしれません。昔から考えていけばですね。ただ、わかりません。わかりません。どうしていったらいいのかもよくわかりませんが、ただ、大変興味のある問題であるというふうには思いました。その程度にお答えをしておきたいと思います。その程度にしかお答えはできません。
 それで、それに関連してだと思いますけれども、道州制についてどう思うかと。いわば東北州というか、というものを念頭に置くような形での御質問だと思います。
 これは、今お話の中にもありましたように、市町村合併、基礎的自治体としての市町村というのが合併でそれぞれが力を尽くしていく、また全体の数としても少なくなっていく、今の平成の市町村合併が宮城県内でも進んでいけば、非常にうまくいけば三十を切るぐらいの市町村数になります。そういったときに、宮城県という一つの存在が必要なのかどうか。更にもっと十とか二十という段階になったらますますそうで、東北全体として六十市町村ということになったらどうなのか。これは現実性を持ってくると思います。その意味では、将来の方向としては、今の点だけからいくわけじゃありませんけれども、市町村のこれからの合併の趨勢、そしてまた地方分権改革の進み方ということから必然的に問われてくる問題だろうとは思っております。ただ、現在のところ、例えば県民、国民の間では、道州制というものについてどうかというと、例えば、市町村合併ということの現実性、必要性、またその理解の度合いと比べると、大分違った色合いだろうというふうには思います。したがって、先ほど議員からもお話があったように、百花繚乱というか、議論百出というか、まず今しっかりと、道州制ということについても、なぜそれが必要なのか、何を目指すのか、また現実的なありようというものはどういうものなのかということを、しっかりと議論をしていかなければならないというふうには思います。一方において、現実のバックグラウンドも変わってきております。例えば高速交通基盤の整備ということがありまして、これまでの県のまさに領域が狭くなっている。時間的なことから言っても。そういったことと、それからまた各地域の地域間競争を勝ち抜いていくということができるようにするための自立的な地域社会の形成ということを考えていきますと、やはり地域間連携の必要性というのが更に具体的に、また切迫感を持って感じられるようになっていくだろうと思いますし、また、そういった背景があって初めて道州制なりというものが俎上に上がってくるのではないかというふうに思っております。
 今申し上げましたような観点も踏まえ、我々が今やるべきだろうと思っておりますのは、隣県の山形、福島を初めとする東北各県との広域連携の具体的な取り組みだろうと思います。実績づくりだろうと思っております。幾つか最近のもので申し上げますと、昨年は宮城、山形、福島三県の企業百七十一社による共同広域商談会というのを東京で開催いたしました。また、昨年は東北六県で東北フェアin上海というのを初めて開催をいたしました。これは東北六県共催でございます。そして、今月は上海世界旅游資源博覧会に六県共同で出展を行いました。こういったような実績、最近のものとしてもあります。そのほか、領域としては防災、観光、環境、交通、産業、こういったように広域連携が有効であり、必要な分野というのがございます。こういったそれぞれの分野において具体的な実績の積み上げということに鋭意取り組んでまいらなければならないと思っております。そして、こういったような連携の実績の積み重ねの中で、これが議論の方向性というものを集約していくことにつながるのではないかと思っております。そういう意味で、北東北三県の今の試みというものは、毎度申し上げておりますが、非常に高い関心を持って見ているところでございます。そういった中から将来の都道府県のあるべき姿というのも見えてくるのではないかと考えております。
 庁内での検討体制でありますが、現在事務レベルで、広域的自治体としてふさわしい形態や機能、新しい制度のあり方について調査研究を進めているところであります。
 私からは次に、教育の問題で、公立図書館の設置率の問題などについての御質問にお答えをしたいと思いますが、まず公立図書館設置率全国最下位ということでございますが、それについての認識はどうかと。これはもちろん、大変残念なことではございます。まさに読書の必要性、その効果ということについては我々も十分に認識をしております。その意味で、県内の特に町村立図書館の設置を促進するということは大きな課題であると考えております。基本的には、町村立図書館でありますので、その設置は各町村の判断でなされるべきものというふうには考えておりますので、県としての働きかけには限度はございますが、いまだ図書館を設置していない町村に対しては、設置に向けた働きかけを行ってまいります。また、現実問題としては、県立の図書館の図書資料の貸し出しなどを行いながら、地域住民の現実の読書ニーズに対して対応していきたいと考えております。
 私からは最後になりますけれども、東京未来塾のようなものを宮城大学でも参考にしてはどうかということでございます。
 この東京都での取り組みは、この四月からスタートというふうに聞いておりますが、今後どういった教育内容になるのか。そしてまた、これは新しくできる都立大学の推薦入学の入試への活用が図られるということでございますが、これもどういったような効果が出るのかということの情報収集もしていかなければならないと思っております。宮城大学では、ユニークな入試制度というのを持っておりますが、いわゆるAO入試というのもやっておりますが、そのAO入試の参考にできる部分もあるのではないかというふうに考えております。
 これとは別にでございますけれども、現在宮城県においては、県の教育委員会と県内の各大学、具体的には五大学でございますけれども、これと協議をしております。それは、この四月から県内の高校生に大学の授業を受講できる、そういった機会を与えていきたいと思っております。高大連携事業と称しておりますが、この高大連携事業というのを新年度からスタートをさせることにしております。
 宮城大学でございますが、宮城大学としても、これまで単発的には公開講座や出前授業というのを行ってまいりましたが、今後は今申し上げた高大連携事業というのを実施することにしておりまして、現在、教育内容、実施方法や実施時期など具体的に検討しているところであります。
 なお、もう一つ申し上げますと、現在、地方分権研究会に結集する七県において一緒に実施するんですが、この夏、福岡で第一回目の日本の次世代リーダー養成塾というのを、高校生百六十人を二週間集めて開催をします。塾長は奥田経団連会長、またマレーシアのマハティール前首相も講師として来られます。もちろん宮城県からも十名参加をする予定にしておりますけれども、こういったようなことも次代を担う高校生にとっての有用な試みだろうと考えております。
 私からは、以上でございます。
○議長(渡辺和喜君) 教育長白石晃君。
    〔教育長 白石晃君登壇〕
◎教育長(白石晃君) 秋葉賢也議員の御質問にお答え申し上げます。
 初めに、始業時間前の読書についてでございます。
 学校におきましては、読書活動につきまして、学校図書館の利用や全校一斉読書など、日常的な教育活動の中で取り組んでおるところであります。とりわけ議員お話しの始業時間前の読書につきましては、平成十四年度の実績でございますけれども、県内の小学校で六八%、中学校で七三%、高等学校で一七%で実施してございまして、この数字につきましては、十三年度、前年度に比べまして、各校種において増加している状況にございます。
 県教育委員会といたしましては、現在、朝の読書に先導的に取り組んでいる学校の事例を掲載した冊子を県内小中学校に配布し、更に、教育事務所指導主事による学校への訪問指導や教育課程担当教諭の会議を通じまして、各学校の取り組みを促しておりますけれども、今後とも朝の読書の一層の促進に向けた指導などを行ってまいりたいというふうに考えてございます。
 次に、公立図書館の設置促進に係る今後の見通しについてでございます。
 県教育委員会といたしましては、図書館を設置していない市町村に対しましては、設置に向けた機運を醸成するために、設置していない町村の地域住民と職員を対象にいたしまして、外部講師を招いた講演会を開催したり、図書館設置に必要なさまざまな情報提供を行ってございます。また、図書館設置の動きの見られる町村に対しましては、個別に専門職員を派遣いたしまして、具体的な指導、助言を行っているところでございます。こういった支援によりまして、現在、四町におきまして図書館の建設又は計画が進められておりますけれども、今回の子ども読書活動推進計画の策定を契機にいたしまして、より一層町村図書館の設置率促進に取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
 次に、学校図書館に関しまして、中学校と盲学校の蔵書冊数の充実についてでございます。
 中学校の図書の蔵書につきましては、基本的には各学校を所管する市町村等教育委員会が整備を進めることとされておりまして、その財源につきましても、各市町村に対し地方交付税において措置されているところであります。
 県教育委員会といたしましては、これまでも各市町村等教育委員会に図書充実を促してきたところでありますけれども、今後更に図書整備の進んでいる学校の事例を紹介するなどしまして、その推進に努めてまいりたいというふうに考えてございます。また、盲学校関係でございますけれども、学校独自の蔵書に加えまして、同一敷地内には宮城県点字図書館がございます。児童生徒にとって必要な蔵書冊数は、その点字図書館を含めますれば十分に確保されているものというふうに考えてございます。今後とも点字図書館の活用を図りながら、盲学校としても図書整備の充実を図っていきたいというふうに考えてございます。
 次に、小学校校庭の芝生化促進についての提言後の進捗状況についてでございます。
 県教育委員会といたしましては、御提言後、県内、それから県外の既に実施している学校の調査を行いまして、問題点を整理してございます。更に、市町村に対しまして国の助成制度の周知を図りながら、各市町村の実情に応じた対応を促してきたところであります。しかしながら、市町村におきましては、維持管理面での労力と費用の負担が大きいことなどから、平成十四年度に一校が着手した以降、新たに取り組んでいる学校はない状況にございます。
 今後、芝生化に当たりましては、芝生の維持管理面の対応方法について課題があるということから、その解決に向けまして、有識者の芝生化の研究事例というものもございますし、また、県外での取り組み状況というものも参考にしながら、更に研究等を進めてまいりたいというふうに考えてございます。
 以上でございます。
○議長(渡辺和喜君) 三十五番秋葉賢也君。
◆三十五番(秋葉賢也君) 御答弁ありがとうございます。
 一点だけお伺いしたいと思います。
 大分、道州制の問題では、私の意図するところを御理解いただいて、答弁していただいているようにも見えるんですが、しかし、大事な部分で、私が最も主眼としているのは、知事御自身が、都道府県のこれからのあるべき姿論も含めて、そうした大きな広域自治体のあるべき姿のビジョンというのを知事みずからが先頭に立ってリードしていってほしいということなんですよ。これについてのコメントが一切なかったような気がするんです。例えば北東北三県の動きも、高い関心を持って見ているなんていう発言があるわけですが、これは明らかに知事のリーダーシップでここまで来たことは間違いないと思うんです。去年読んだ若手の書いた論文も、大変立派な、具体的な提言でした。いわゆる職員研修にありがちな表層的なものではなくて、具体的な、実現に至るプロセスも含めて提示されていまして、こういったことは庁内の若手の成果だと思いますが、しかし、こういう土壌や機運をリードしてきたのは、間違いなく増田知事であり、秋田県の知事であり、青森県の知事、知事みずからがリードして引っ張ってきたんですよね。ここの姿勢をぜひ知事にも持っていただきたいということなんですね、最後。つまり、いわば平成の木戸孝允になる気はないのかということを申し上げたいし、それから、私、ちょっとメモしながら聞いていましたので聞き漏らしかもしれませんが、知事もおっしゃったように、もちろん庁外の世論を喚起していくことが一番大事にはなるんですけれども、知事のまさにリーダーに立つという意味での庁内組織の設置についてどう考えているのかということも伺ったんですが、ちょっと聞き漏らしかもしれませんが、何かどういうふうにするのかちょっとよく理解できなかったので、その辺も詳しくお答えをいただきたいと思います。それだけです。
○議長(渡辺和喜君) 知事浅野史郎君。
    〔知事 浅野史郎君登壇〕
◎知事(浅野史郎君) 秋葉賢也議員の再質問にお答えをいたしますが、道州制なり都道府県合併ということですね。毎回申し上げておりますが、形から入るのではないというふうに言っています。それで、じゃ、浅野個人の方向性はどうなんだというときに、まさにそういうことなんですが、道州制というのを導入ということをまず考えて、そして隣県との合併みたいなものを目指してやっていくということで決めてやっていいのかどうかというのにはちゅうちょがあるということです。それで、実績を積んでいきましょうというふうに何度も言っています。実は北東北三県について私が関心を持って見ているというのは、人ごとのようだと言っているのは、どういう意味かというと、それは増田知事のまさにリーダーシップでやっているんですが、あそこで積み重ねているのは、まず実際の事業の連携なんですね。福岡の事務所を一緒に持ちましょうと。ソウルもそうです。環境も一緒にやっていきましょうといったことを積み重ねていきながら、こういったことでむしろ単県でやっているよりもうまくいくんだったらば、そちらの方がいいでしょうということを、内外ともに示しながらやっていこうというふうに、彼自身からも私は聞いております。そういった意味で、じゃ、宮城県の場合、山形県とどうしているんですかと。山形県とそういう連携事業を持っているんですかと言われると、まだ目に見える結果を出しておりません。そういった中で、まず結論というか、そういった方向を出してやっていくというのがいいのかどうかということを、私のやり方としては、まずちゃんと連携の実績を積むということをやっていかなければならないということを繰り返し申し上げております。
 それから、庁内での検討ですが、これは今年度と来年度ですが、地方分権時代における県のあり方研究会という名称なんですが、これを事務局を企画部政策課に置いて、関係各課のメンバーで研究をしているという状況でございます。