会議録全文
 

2 平成八年二月定例会(平成八年三月五日質問)

  ・学校教育におけるボランティアの推進について
  ・いじめ、不登校対策について(スクールカウンセラー・養護教諭配置)
  ・環境政策について(環境基本計画・環境影響評価要綱の見直し・保全地域買い取り基金)

   [答弁] 知 事  浅野史郎君   
        教育長  鈴鴨清美君


○議長(高橋健輔君) 四番秋葉賢也君。
    〔四番 秋葉賢也君登壇〕
◆四番(秋葉賢也君) 秋葉賢也です。大きく二項目について御質問させていただきます。
 初めに、学校教育に関してお尋ねいたします。
 近年ますます社会福祉に対するとらえ方が変容してきており、特定の人に対する救貧的なイメージはすっかり影を潜めた感がございます。実際に福祉の訳語でありますウエルフェア──よい暮らしといった狭義にかわって、積極的な人権尊重に立脚したウエルビーイング──よりよく生きるという概念が多用されるようになりました。同時に、ノーマライゼーションやインテグレーションといった新しい福祉理念の確立は、知事も重視しておられる地域福祉の実体化を後押ししてまいりました。
 しかしながら、学校における福祉教育の歴史はまだまだ浅いものであり、とりわけ地域福祉に結びつけたその取り組みは、まだ不十分だと言わざるを得ません。実際、約八割の人がボランティアの経験なしという状態の中で、今後、地域福祉を効果的に進めていくのは困難なことであります。このため平成元年に大幅改定された幼稚園から高等学校までの新学習指導要領では、生涯教育の観点からも、高齢者や障害者をいたわり、優しい気持ちを持ちながら、それぞれの立場を理解していく人間の育成が強調されており、その方法として、ボランティア活動など体験学習の重要性が初めて明示されております。この改定の追求目標の一つは、ともに生きる福祉社会の創造及びその学習と実践を通じての人間教育であります。ところが、現実には、福祉教育における学習は、各教科や道徳、特別活動の中に少しずつ組み入れられてきたものの、それはあくまで教室の中で知識を学ぶことが主体であり、体験学習や実践的な活動を十分伴うまでには至っていないのが現状であります。したがって、地域福祉をより充実させていくためにも、福祉教育の体験的、実践的な活動の機会や場面を学校教育の中に、より明確により積極的に取り入れていくべきではないでしょうか。
 私は、このような観点から、昨年の一般質問でも取り上げましたが、県行政の裁量が発揮しやすく実際的であるということから、特に高等学校において、福祉教育の中の体験的、実践的活動を一〇〇%義務づけることを重ねて御提案いたします。なぜ義務化にこだわるのかと申しますと、学校間の取り組みへの格差もさることながら、今日までのボランティア的な対応では、参加者が限定的であるなど、余りにも不十分だからであります。もとよりボランティアの促進自体は必要なことでございますが、教育の現場でいつまでもボランティアのレベルに固執していたのでは、その四原則である、自発性、無償性、先駆性、公共性のうち、とりわけ自発性が大義名分となって、結果として、参加人数も限られてしまい、学校全体での取り組みがおろそかになっている側面が見受けられるからであります。
 今日、学校教育におけるボランティアは、その語源であるボランタリー──自由意思、自発的なという意味合いから、強制的な、義務的なという意味のコンパルソリーに転換していくべき時代を迎えていると私は思います。言いかえれば、ボランティアはボランティアとして今後も促進させつつ、その一方で、全員参加型の福祉教育における体験学習の場面を、年数回でも十分ですから、きちんと確保していくことによって、地域福祉の担い手を育成していくことが求められる時代になっているということであります。新年度は仮称、みやぎの福祉・夢プランの策定事業費として一千五百万円の予算が盛り込まれておりますが、福祉教育の促進という視点からも検討されるベきであります。そして、平成十年度からの八カ年の行動計画の中に、体験学習や実践的な活動としての福祉教育を一〇〇%実施していくための教育目標や指導計画を適切に位置づけていくことが必要だと思います。
 今回、私は、学校教育や福祉施設の現場において、奉仕活動を主体とする現況の取り組みがどうなっているのかを明らかにするため、独自にアンケート調査を実施いたしました。いわば供給側とも言える学校については、高等学校に限定し、定時制や私立を含む県内百六校すべてを対象とし、一方、需要側となる特別養護老人ホームを初め各種福祉施設についても、受け入れ側としてどのような認識を持っているのかを把握するために、県内全域から百十一カ所に絞って行いました。このうち高校は九十九校から回答があり、回収率は九三%、福祉施設は七十施設から回答が寄せられ、回収率は六三%で、それぞれ高い回収率になりました。
 以下、主要な結果を御報告しながら、課題や問題点を指摘してまいりますので、これらについてどのように対応していこうとしているのか、その方針については理解しておりますので、具体的な対策をお聞かせください。
 まず、高校における福祉教育の実践に当たる奉仕活動の取り組み状況についてですが、回答の項目を、「正規の授業の中で取り組んでいるもの」と「放課後などの課外活動として取り組んでいるもの」、「学校の行事として取り組んでいるもの」に分けて聞いてみました。その結果、「課外活動として取り組んでいるもの」が最も多く、六六・七%で六十六校を占め、次に、「学校行事として取り組んでいる」のが三五%で三十五校、「正規授業の中で取り組んでいる」のは、わずか一六%で十六校にすぎません。更に、「学校として特に取り組んでいない」とする回答が一六%で、数にして十六校もが何もしていないことがわかります。今後こうした十六校に対してどのように指導されるお考えでしょうか。
 また、それぞれへの参加状況は、正規の授業の中でさえ生徒が全員参加している高校は二四%にとどまっており、ほとんどが限定的な参加状況になっております。他面、活動の実施回数を見ても、年二、三回とするものが最も多く、福祉教育における体験的実践的な学習がいかに浸透していないかを雄弁に物語る結果が明らかになりました。このため、正規の授業の中で奉仕活動を含めた体験学習を取り入れるべきだと答えた学校も八校あり、したがって、これまでのように福祉教育における体験実践的な学習の機会をボランティアというレベルで位置づけてきたことを見直し、コンパルソリーとして取り組むように改める必要があると考えますが、いかがでありましょうか。
 一方、推進上の問題点として指摘されたのは、やはり一つには、時間の確保が難しいとする声が圧倒的に多く、二つ、活動の母体や参加体制が不十分、三つ、評価や指導が難しい、四つ、保険、補償制度の未整備、五つ、交通費など経費を初め財政上の問題、六つ、学校と施設側との調整が難しいなど、さまざまな問題点が浮き彫りにされる結果となりました。これらについて一定の指導をしてきているのは承知しておりますが、改めておのおのその対策をお伺いするとともに、学校間の格差が著しい中、特に後進校への指導を別途実施するなどのきめ細かな対応をどの程度まで行ってきたのか、また今後していくつもりなのか、教育長にお尋ねをいたします。
 ところで、施設側ヘのアンケート結果を見てみますと、高校生による奉仕活動を「大変評価している」と答えたのが「評価している」と合わせて六九・五%、「評価しているが、問題点も多い」が一七・四%、「過去その例がない」というのも一一・一%ありました。おおむねね評価しているという声が高い中、具体の問題点としては、参加生徒の意識やモラルの問題、事前の学習や指導が不徹底であること、受け入れ側の負担の問題、指導のあり方の問題、入居者のプライパシー保護の問題などが指摘されております。したがって、まず、学校ごとに関係諸団体、施設側との協力体制を早急に構築し、それぞれのニーズに合ったプログラムを作成し、事前のオリエンテーションを含む学習を今まで以上に徹底させるとともに、従来実施してきた教職員への研修も更に強化させていく必要があると思いますが、いかがでしょうか。
 次に、いじめや不登校の増加に対する対策についてお伺いをいたします。
 周知のとおり、最近は全国的にいじめが激増してきており、平成六年度は五万六千六百一件で、前年度の二・六倍に達しており、我が宮城県でも、小中高合わせて九百十一件を数え、前年度の三・一倍に上がっております。全国平均よりこれは高い水準にもなっており、その発生率は、中学校が四八・二%で、実に二校に一校の割合で発生しているのを初め、小学校が二九・三%、高校で三三・三%になっております。こうした憂慮すべき傾向を反映してか、昨年八月に行った県民意識調査でも、学校教育において特に力を入れるべき点として教育相談の充実を求める声が、小中学校では実に四〇・五%を占め、三年前の同様の調査時には第四位だったものから一挙に第二位に上昇し、一二・六%分もふえております。同様に高校においても一一・四%から一七・八%に増加してきており、したがって、今後県民のニーズに即応した教育相談の体制を強化していくことは求められます。
 もちろん学校規場だけではなく、各家庭や地域社会が一体となって対処していくことが大切なのは言うまでもありませんが、具体策としては、文部省が昨年から実施しているスクールカウンセラーを増員充実させていくことが有効だと思います。本県でも、昨年は、中学二校、高校一校が選定され、配置されました。昨年五月の設置から今年一月末までの短期間に四百件を超える相談が寄せられるなど、週二回、一回四時間程度という限られた時間にもかかわらず、着実に成果を上げているようであります。文部省は、ことしは新たに政令市三校を含む県内十三校に対して配置する意向と伺っておりますが、加えて県単独事業として予算づけをし、もっと増員することができないものかどうか、お尋ねいたします。
 一方、スクールカウンセラーの増員とともに重要なのは、養護教諭の積極的な活用、そしてその役割であります。県では、平成五年度から養護教諭を対象にカウンセリング技術講習会を実施するなど、養護教諭の教育相談能力向上に向けた研修会などを実施してまいりましたが、その参加対象となるこれまでの要件や、年一回二日間という開催数をより弾力的に見直し、受講者をふやしていくことが必要だと思いますが、いかがでしょうか。
 また、県内には、白石市立小原中学校を初め四つの中学校や小学校において、養護教諭が未配置となっております。これらは児童生徒数が少ないとはいえ、早急に解消していくベきと考えますが、いかがでしょうか。
 その一方で、児童生徒数が千人を超えるいわゆる大規模校については、養護教諭の複数配置を強化していくべきだと思います。現在県内の大規模校九校のうち、複数配置校は三校あり、複数配置研究実践指定校が、七年度から九年度にかけて四校指定されておりますけれども、それでもまだ不十分だと思います。今後更に増強していくお考えがあるのかどうか、具体的な計画をお伺いいたします。
 次に、二番目の質問として、環境政策について数項目にわたって知事の御所見をお伺いいたします。
 知事は、当初予算の編成に当たり、六つの基本方針の第四番目の柱として、恵み豊かな自然と共生する快適な環境の創造を掲げ、みどりのクニづくり事業やリアスの森リフレッシュ事業などの継続事業を初め、新たに新規事業として、希少野生動物保護対策費やリサイクル促進事業、環境教育フェア開催費などを盛り込むなど、着実な前進ぶりがうかがえます。これら環境政策のべースとなる環境基本計画の策定については、前回の質問でも触れましたが、これまでの環境管理計画以上に質実ともに充実されることを期待いたしております。一年後の来年三月までの策定時期に向けて、具体には、望ましい環境像や定量的目標の設定などの主要五項目にわたって県民からのヒアリングなども行いながら検討していくわけですが、一方で、本県の県立自然公園船形連峰や蔵王高原、気仙沼などは、山形県や岩手県などと隣接しており、このため、県域にとどまらない、広域的な視野に立った環境基本計画づくりが要請されると思います。他県との連携も図りながら、こうした視点も取り入れて検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 かつて三重県では、北西地域及び中南西地域など県境にまたがる環境管理計画を策定し、成果を上げていると伺っておりますので、こういった事例も参考にすべきだと存じます。
 次に、平成五年度から施行しております宮城県環境影響評価要綱についてお伺いをいたします。
 かつて私は、政経塾時代に約一年間という短い期間でしたが、研修のため、ボストン市再開発公社やサンフランシスコ市都市計画局でお世話になったことがあります。都市計画における成長管理政策の研究が研修目的でしたが、自由の国アメリカという一般的なイメージに反して、日本よりもはるかに厳しい土地利用規制や開発規制が成立し、あらゆるプロセスに公的な住民参加が確立されていることに驚きと深い感動を覚えました。その一つが、EIRと呼ばれている環境影響評価のあり方であり、日米の隔たりを改善しなければならないと思うようになりました。こうした背景からこの問題を取り上げ、課題や問題点を指摘してまいりますので、よろしくお願いいたします。
 御案内のとおり、環境影響評価、いわゆる環境アセスメントは、一九七〇年のアメリカの連邦環境政策法が嚆矢となり、急速に世界に普及した制度であります。我が国では、一九七六年に川崎市が最初に条例化し、その後、北海道や東京都、神奈川県、岐阜県など五都道府県が条例によって、また四十を超える市町村、基礎自治体が本県のように要綱や指針などによって実施してきております。しかしながら、現在の我が国の環境影響評価制度については、一定の成果が認められるものの、事業にゴーサインを出すための手続にすぎず、良好な環境の保全には役立っていないという強い不満の声も出ており、今後その信頼性を高めていくために多くの改善が必要だと思われます。
 国においてはいまだ法制化されておらず、閣議決定された要綱のみという現状でございます。このため、国でも一昨年には環境影響評価制度総合研究会を設置し、本年の夏をめどに、立法化、法制化を含めた検討作業が行われているところでございます。
 そこで、国の動きに先駆けて課題の改善に対応し、環境先進県としてリードオフマンの役割を担っていくべきだという観点から、以下八点お伺いいたします。
 第一に、一九七六年からの公害の防止及び自然環境の保全に関する環境影響評価指導要綱を含めますと、一昨年度末までの十九年間に環境影響評価の実施回数は合計で百二十九件、年平均にしますと、五、六件に及んでおりますが、この間、評価の結果によって、事業が中止ないしは変更された事例がどの程度あるのか、お尋ねいたします。
 あわせて、知事は、今現在の本県の評価基準や内容、つまり現要綱の中身で十分だと思われているのかどうか、率直な御意見をお聞かせください。
 第二に、私は、今の要綱の内容を更に充実させた上でより強固なものにするため、さきに挙げた一部他都道府県に見られますように条例化する必要があると考えますが、知事はその御意思がおありでしょうか。
 特に、要綱第四章雑則第三十一条策二項の公表規定などは、条例化することによって初めて有用に機能するものと解しますが、いかがでしょうか。
 第三に、評価対象項目が、いわゆる典型七公害と自然環境項目の二点に限定しているのは、時流にそぐわなくなってきているのではないかという点であります。別途、環境影響評価技術マニュアルも作成されておりますが、もっと生活環境や社会環境面からの項目をメニューに追加し充実させるベきと考えますが、いかがでしょうか。
 合衆国のアセスメントは、人間社会に与える影響に関連する範囲で、地域の発展がもたらす影響、土地利用、人口密度、成長率のパターンの変化がもたらす影響なども評価メニューになっており、我が県でも、ごみや交通量の増大、土地利用の過密化、生活の利便、飲料水確保などヘの影響を十分調査していくことが必要だと思います。
 第四に、コンサルタント業者など調査の実質的な主体者について、これを評価書に明記し、公表するお考えがあるのかどうか、お伺いいたします。
 環境影響評価書には、開発事業の目的、内容、事業予定地域の概要、環境の現状、環境保全対策などが記載されるわけですが、調査主体者も記載することによってその責任の所在を明らかにしていくことは、同時にその信憑性をも高めていく結果につながると確信しており、将来的には、調査事業者について一定の資格要件をつくった上で登録制度を導入していければ理想的だと思いますが、何とか実現できないものでしょうか。
 第五に、これは本県に限らず、我が国の環境影響評価制度の最大の欠点だと私は思いますが、代替案の検討と公表を制度の中に認めるお考えがあるのかどうか、お伺いいたします。
 もし、代替案の提示がオフィシャルな要件として認められなければ、必然的にそこで示された一案が最もすぐれているということになり、比較検討が一切できないことになります。現在のアセスメントは、適切な行政判断をサポートするための手続という考え方が強いこともあって、住民や環境保護団体などから有効な代替案が示された場合、これを判断材料として生かせるようにするため、公的に位置づける定めが必要だと思いますが、いかがでしょうか。アメリカに限らず、ドイツなどの自治体でも、第三者からの代替案を公的に生かせるシステムが確立されており、住民ニーズにこたえております。前向きな知事の御答弁を期待するものであります。
 第六点目として、以下に申し述べます四項目について、住民参加の手続を強化するための改善が必要だと思いますが、いかがでしょうか。
 一つは、事業の概要の説明が公示のときまでなされず、住民の参加の時期が遅過ぎる点、二つ、現状調査の実施時期、場所などの選定に住民の意見が反映されず、事業者の裁量に任されている点、三つ、説明会や公聴会でなされた住民の意見の取り扱いについて明確な規定がない点、四つ、第十二条で、説明会などで意見を述べることのできる住民を関係住民に限定している点、以上、それぞれについて詳細な御回答をお願いいたします。
 靴のどこがきついかは、履いている当人が最もよくわかるわけであり、住民参加の機会を実質的に高めていくことは、民主主義にとって不可欠のことであります。
 七つ目として、環境影響評価の対象となる事業の種類の拡大と、その反対に、対象範囲となる要件の縮小についてお伺いいたします。
 本県では、これらは要綱の別表第一及び第二によって示されているわけですが、まず事業の種類については、その他の事業を含めてそれぞれ九種類と十一種類になっておりますが、実質的には十一種類程度というのが本県の要綱内容でございます。例えば、神奈川県では、本県の事業対象以外にも、例えば飛行場や墓地などを盛り込んでおり、二十五種類設けております。発展する県内社会状況の変化にかんがみて、本県でももっと細分化すべきだと望まれますが、いかがでしょうか。
 また、要件についても、例えば住宅団地造成事業では、本県の場合には、第一種が百ヘクタール以上、第二種で二十ヘクタール以上などとなっておりますが、これでは住民のニーズに十分こたえることはできないと思います。東京都では、面積ではなく、マンションなども含めて一千戸以上という要件設定をしており、また、神奈川などのように、もっとこれを縮小して一ヘクタール以上にするといった目安にしていくことが今日では全国的に妥当な線ではないかと考えますので、知事の前向きな御答弁を期待するものであります。
 最後に、第八点目ですが、以上のような課題を是正し、今後予想される事務事業の増加などを考慮したとき、ずばり、公正な観点からアセスメントの内容を審査する中立的な機関の設置を熱望いたしますが、知事、いかがでありましょうか。コスト負担の公平さなどから、もし難しいとお考えであれば、それは現在の環境影響評価技術審査会でも十分やっていけると考えていらっしゃるからなのかどうか、あわせてお伺いいたします。
 環境政策に関して、最後に、県土の豊かな自然環境を良好な状態で次世代に引き継ぐため、その保全のための土地の買い取りを主目的とした基金の条例設置についてお伺いをいたします。
 我が宮城県の国立や県立などの自然公園の県土面積に占める割合は二五%で、全国第九位であり、また同様に、県の自然環境保全地域の割合は全国第二位となっており、先人の御努力に敬意を表するものであります。しかしながら、これらの中には民有地も多く、県が指定した保全地域などでは、鳥獣保護区でもある伊豆沼・内沼を除けば、国の買い取りのための補助金交付が受けられないなどの制約があり、このため、県独自に買い取りを主目的とした基金を設置することが望まれます。既に類似の基金としては、土地基金を初め、地域環境保全基金、宮城みどりの基金などが条例で定められておりますが、これらは必ずしも環境保全のための土地の買い取りを主目的にしているものではありません。例えば、地域環境保全基金は、環境情報センターの管理運営費や環境広報誌の発行など、ソフト事業が主な対象であり、また、宮城みどりの基金も、植樹を初めとする緑化事業が主要な使途目的となっております。福井県では、自然保護基金を設置し、十億円を積み立て、これまで二カ所公有化してきており、神奈川県でも、かながわトラストみどり基金を設置し、百十億円を積み立て、樹林地を中心に三地域の買い入れをこれまで実施してきております。
 もっとも、史上最低レベルの金利状況にあって、必要に応じて起債などで賄っていくという方法も考えられますが、どうか知事の基金設置に向けた十九番目の基金として、その設置を強く期待し、今回の質問を終わらさせていただきます。
 御清聴まことにありがとうございました。
○議長(高橋健輔君) 知事浅野史郎君。
    〔知事 浅野史郎君登壇〕
◎知事(浅野史郎君) 秋葉賢也議員の御質問にお答えをいたします。
 まず、学校教育につきまして幾つか御質問がございましたが、私の方からは、みやぎの福祉・夢プランの中に、福祉教育に関しての具体的提案を盛り込むことについての御質問についてお答えをいたしたいと思います。
 地域でともに生きて互いに支え合う福祉社会の実現のためには、それを担っていく県民一人一人の福祉の心というものを子供のころというか、若いころから育てていくということは、大切なことだろうというふうに思っております。したがって、学校教育の場においても、福祉についての教育、その実践というのの充実が必要だろうというふうに考えております。福祉・夢プランの中で福祉教育をどういうふうに位置づけていくか、どういった内容を盛り込むべきかということについては、教育委員会とも調整を図りながら今後検討していくこととさせていただきたいと思います。
 その他のボランティアに関しましては、教育長から回答することといたします。
 次に、いじめ対策についてでございます。
 いじめ、不登校、そしてまた校内暴力というような、教育現場におけるいわばマイナスの部分、負の部分ということ、これを宮城県は全国最小にするというのは、これは私にとっても大きな教育の上での目標だというふうに考えております。実際上、残念ながら、こういったいじめや不登校というような陰の部分が見えている、しかもふえているということは、事実でございます。その対策の一つとして、お話がありましたスクールカウンセラーでありますとか、教育相談活動による養護教諭の活躍というものは大いに期待をされるわけでございます。教育委員会では、みやぎ未来人教育振興会議というのを今やっておりますけれども、この問題も含めまして議論をいただいているところでございます。
 先ほども申し上げましたけれども、本県の教育においては、いじめが少ない、不登校という発生率が少ない、こういったことを目指すというのも私にとっての信念でもございます。必要な施策を講じてまいりたいと考えております。具体については、教育長から答弁をすることにいたします。
 次に、環境政策についてお答えをしたいと思います。
 現在、環境政策の総合指針となります環境基本計画の策定について取り組んでいるところでございます。この環境基本計画の検討に当たりましては、ほかの県との連携も図るべきではないかという御指摘がございました。確かに緑というのは広がりがあるわけでございますし、その連続性というのを確保するために、複数の隣接県との相互の連携を図るということが重要でございます。自然環境の保全という面でもそうですし、また、河川は複数の県を流れていくということもあります。その水質の保全といったこともございます。そういった意味で、今日の環境問題というのは広域化に対応していかなければならないというふうに考えております。こういった視点もあって、環境基本法においても、国及び他の地方公共団体の相互協力について規定がなされているところでございます。
 宮城県でも、これまで阿武隈川ですとか北上川の水質の保全について、隣県との相互連携のもとに取り組んできているところでございます。今後は、他県と隣接をする県立自然公園での自然環境の保全などについても情報交流を図ることもございます。広域的な視点に立った取り組みを検討してまいりたいと考えております。
 次に、宮城県環境影響評価要綱についての御質問、八点ございました。
 まず、環境影響評価実施の結果についてであります。
 これまで環境影響評価、アセスメントの対象となりました事業については、事業そのものが中止をされたという例はございません。これは環境保全対策を実施するということによって、その対応が可能であったということもあるわけでございます。その一方、アセスメントの過程でなされました工事の内容変更ということでございますが、これは程度の違いはありますけれども、ほとんどすべての事業について見られたところでございます。その具体例といたしましては、宅地造成事業においては緑地面積の増加でありますとか、ゴルフ場建設事業においては農薬使用量の削減、道路建設事業においては緩衝緑地帯や防音壁の設置、こういったようなことを指導例としてあるわけでございます。
 また、現在の評価基準や内容で十分かという御質問がありましたが、なお検討を要する点はございますわけでございますが、現要綱には、住民の関与、工事開始後の立入調査といった手続を逐次加えてまいりました。その意味で、逐次充実強化を図ってまいったところでございます。
 次に、現在の要綱を条例化してはというお尋ねでございます。
 確かに要綱で定めるよりも条例化をした方がより有効に機能をするという点はあろうかと思います。環境基本条例の第十一条には、環境影響評価の推進がうたわれております。そういったことから、県といたしましては、これを受けまして、条例化を含め、望ましい環境影響評価制度を調査検討することとしております。今年度、既にそのために庁内に環境影響評価制度調査検討会を設置したところでございます。
 次に、評価対象項目を充実させるべきではないかという御質問でございます。
 現在の評価対象項目といたしましては、公害関係は大気質、水質などの七項目、自然環境関係は動物、植物などの四項目ということになっております。生活環境や社会環境面からの項目の追加ということも御指摘がございましたが、この点については、社会情勢の変化、本県の環境の実情、県民の意向、要望なども踏まえて検討してまいりたいと考えております。
 次に、環境影響評価にかかわるコンサルタント業者を公表してはどうかというお尋ねでございます。
 環境影響評価につきましては、県が定めました環境影響評価技術指針及び環境影響評価技術マニュアルに基づいて、事業者がその責任において適正に実施すべきものというふうにされておるところでございます。実態といたしましては、事業者から委託を受けたコンサルタント業者が調査を実施しているということから、県といたしましては、まずもって宮城県環境アセスメント協会が実施しております研修会なども支援をして、コンサルタント業者の資質の向上を図るように努めているところでございます。
 御提案のコンサルタント業者の公表や登録制度の導入ということにつきましては、今後の研究課題とさせていただきたいと存じます。
 次に、住民の方々などからの代替案の取り扱いについてでございます。
 御指摘がありましたように、現行の環境影響評価が、これは事業段階でのアセスメントであるというために、代替案の比較検討は制度上位置づけられておりません。県といたしましては、代替案の検討や公表を含む計画段階でのアセスメントの導入については、庁内に設けました環境影響評価制度調査検討会で、国の動向なども見ながら十分研究してまいりたいと考えております。
 次に、住民参加の手続の強化に関する御質問でございます。
 確かに環境保全に対する住民参加というのが今後ますます重要になってくるものと考えております。方向といたしましては、そういった面の充実ということだろうと思っております。例えば、意見陳述での関係住民の限定ということにつきましては、この住民の範囲というものを拡大することなどにつきまして、御提言の趣旨を踏まえて今後改善に向けて十分に検討をしてまいりたいと考えております。
 次に、対象となります事業種類を拡大してはどうかという御提言でございます。
 現在の要綱では、その他の事業として、鉄道建設とか墓地造成事業といったものも対象事業としているところであります。より一層環境への負荷を少なくして、良好な環境を保全するために、今後対象事業の拡大、細分化について、関係機関との連携を図りながら検討してまいりたいと考えております。
 また、面積要件の縮小ということでございますが、御指摘のとおり、住宅団地造成事業については、一部の大都市圏では一ヘクタール以上というのを対象としているところもございます。ただ、全国的に見ますと、本県のような二十ヘクタールというよりも大規模な百ヘクタール以上というのを対象としているところも多いという状況にあると理解をしております。
 小規模事業を対象とするということにつきましては、今後環境影響評価制度を検討していく中で、社会経済情勢、自然環境の状況、土地利用の動向なども踏まえて研究をさせていただきたいと考えております。
 環境アセスメント関係の最後でございますが、審査機関の設置に関する件でございます。
 現在の要綱では、専門的な立場の学識経験者で構成しております環境影響評価技術審査会が設置されております。ここで事業者が実施した調査、予測及び評価について、公正な立場から厳正に審査をしております。その意味で、十分に機能しているというふうに認識しておるものでございます。
 私からの最後になりますが、民有地の買い取り基金の設置についてでございます。
 自然環境を保全するために、自然公園条例などに基づいて、自然公園などにおいて建物又は工作物の設置、森林の伐採といった各種の行為を規制しているところでございます。こういった規制は、県立自然公園の第一種特別地域というのを除いて、林業といった施業もあるわけでございますが、こういった林業などの土地の利活用というものも前提としているわけでございます。その意味では、必ずしも土地の利活用を大きく制限しているものではないというふうに考えております。
 なお、自然環境の保全上、特に土地の公有化が必要だという場合には、当面現行の土地基金によっての買い取り又は地方債の活用による対応ということで考えてまいりたいと思っておるところでございます。
 私からは、以上でございます。
○議長(高橋健輔君) 教育長鈴鴨清美君。
    〔教育長 鈴鴨清美君登壇〕
◎教育長(鈴鴨清美君) 秋葉議員の学校教育に関する御質問にお答えをいたします。
 学校教育、特に高等学校における福祉教育の体験的、実践的な活動についての御質問でございますが、いずれも関連いたしますので、一括してお答えをいたします。
 御質問の、福祉教育の中で体験的、実践的な活動を義務づけてはどうかということでございますが、学習指導要領における福祉に関する指導項目としましては、社会科の公民、保健体育、家庭などの教科や、特別活動に位置づけられておるところであります。特に、家庭科が男女必修となりまして、その中に高齢者の生活と福祉の指導項目がありますので、すべての高等学校で福祉に関する学習を行うことになっております。この家庭科の学習におきましては、総授業時数の十分の五以上を実験、実習に当てることとされておりますので、家庭科における実験、実習の中に、福祉に関する実践的、体験的な学習を可能な限り取り入れるよう指導してまいりたいと考えております。
 また、関連いたしまして、福祉教育に体験的、実践的学習の機会をコンパルソリー、つまり義務として取り組むべきであるとの御提言でございますが、ただいま申し上げました家庭科の学習を進める中に、また特別活動の一環としてのホームルーム活動や学校行事の中にもボランティア活動を具体的に位置づけて、できるだけ多くの学校で体験学習が推進されるよう指導を強化してまいりたいと考えております。
 次に、福祉に関する体験学習は、学校外の活動が多く、議員御指摘のように、参加体制や時間の確保、学校と施設側の調整等々、数多くの問題点がございますが、これらにつきましては、新科目実技研修会の中に、ボランティア指導者実技講座を新たに設定することを企画しておりますので、そのような研修会を通して円滑な実施体制がとれるよう、問題点の解決に向けた指導をしてまいりたいと考えております。
 ボランティア活動は、教科内での体験学習はもちろんのことでございますが、教科以外の特別活動の分野における生徒の自発的活動を促していくことも極めて大切でありますので、そのような観点から、各校が積極的に取り組みを行うよう、校長会でも指導するなどして、高校生のボランティアマインドの涵養に一層努めてまいりたいと考えております。
 次に、いじめや不登校に関するスクールカウンセラーの増員充実についてでありますが、議員御指摘のように、昨年導入されましたスクールカウンセラーの制度は有効に活用されておりますが、そのほかに、仙台教育事務所管内の十一市と町で実施しております教育相談事業や、県教育研修センターが県内十五カ所で行っております移動教育相談も、児童生徒のみならず、保護者の相談にも一定の成果を上げてまいりました。また、教育相談員を配置している市町村教育委員会は、本年度二十七でございますが、来年度は四十二にふえる予定でございます。文部省においては、来年度各県十校、政令指定都市三校にスクールカウンセラーの配置を予定しておりますので、本県では、各地域、各校種の実態を見ながら適切に配置してまいりたいと考えております。
 また、スクールカウンセラーは、児童生徒の教育相談活動に極めて有効でありますので、今後各学校における教育相談にも対応するため、県教育委員会としても、専門カウンセラーの配置について前向きに検討を進めてまいりたいと考えております。
 次に、養護教諭の資質の向上に向けた研修についてでございますが、御指摘のありましたカウンセリング技術講習会につきましては、これまでも教員及び養護教諭を対象として研修を深めてきたところであります。
 しかしながら、養護教諭の果たす役割が極めて重要となってきておりますことから、参加対象や受講の機会を拡充するとともに、新たに平成八年度から保健室における相談活動研修会も加えまして、資質の向上に努めてまいりたいと考えております。
 また、養護教諭の配置に関する御質問がございましたが、平成五年度から六カ年計画で第六次公立義務教育諸学校教職員配置改善計画を実施いたしておりまして、県教育委員会といたしましては、この改善計画を確実に実施することとし、養護教諭の未配置校の解消、更には大規模校の複数配置について改善を図ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(高橋健輔君) 四番秋葉賢也君。
◆四番(秋葉賢也君) 御答弁ありがとうございました。
 三点簡潔に再質問させていただきます。
 知事に対して、アセスメントについてなんですが、現在本県の要綱について知事自身が率直にどう評価しているのかといった質問に対しては答弁漏れがあったと思いますので、知事御自身の今の要綱の内容の中身で十分だと考えているのか、それとももっと強化していかなければいけないと思っているのか、率直な知事のお考えをお聞かせください。
 それから、二点目に、非常に答弁の中で私は問題だなあと思いましたのは、いわゆる事業対象の拡大については考えていくというようなことで、大変私もありがたいと思っているですが、ただし、その要件については、例えば住宅団地造成事業では十分だと、住宅の造成地区事業に対しては、今の二十ヘクタール以上で全国的に見ても妥当だという御答弁がありましたけれども、私の中でも指摘したように、東京都などのように、神奈川は一ヘクタール以上ですけれども、東京都などは面積を全く設けないで、千戸以上という規定の仕方をしている自治体もありますし、そもそも、アメリカの制度がすべてすばらしいわけではありませんけれども、アメリカでは、基本的に面積にかかわらず、環境に影響があると思われれば、小さな開発であってもすべてが義務づけられるわけでありまして、例えばボストンなんかは、逆に環境影響評価しなくてもいいよということしか例示されてなくて、ちょっとしたビルやマンションの建設でもすべて必要になるわけでありまして、私は、宮城県の中には仙台市を抱えておるわけでございます。そうすると、新聞報道でもよく報じられますように、マンションやビルの建築をめぐって住民とのトラブルが絶えないわけであります。これはもとより都市計画法並びに建築基準法を見直していく問題でもあるわけですけれども、同時に、環境影響評価制度をこれの計画の中にもっと厳しく位置づけていけば、住民とのトラブルが回避されるということを考えておりまして、そうした観点から、今庁内に設置してある協議会などにおきましても、要するに要件の縮小ということが最も大事なポイントになると思われますので、その縮小、強化に向けてもっと強い取り組みがなされる方向で考えられているのかどうか、詳細なお答えをお願いします。
 それから最後に、条例化については、同じように庁内の見直し機関でやっているということですけれども、それはあくまで条例化を含んだ見直し作業としてやっているのかどうかが明らかになっておりませんので、答弁の中でなっておりませんので、以上三点についてもう一度お答えくださいますようお願い申し上げます。
○議長(高橋健輔君) 知事浅野史郎君。
    〔知事 浅野史郎君登壇〕
◎知事(浅野史郎君) 秋葉議員からの再質問にお答えをしたいと思います。
 まず第一点目の、現在の環境影響評価の要綱についての評価でございます。答弁の中でも幾つか申し上げましたが、要綱の中身について今後改善していくべきところというのが幾つかあるだろうというふうに思っております。そういった意味で、今この時点でこれまでの実績相当上げてきたとは思いますけれども、それを踏まえ、これからの更なる充実のために、そういった方向に向けて見直し改善をしていく余地はあるだろうというふうに評価をしているところでございます。
 二番目の、対象となる面積要件についての話でございますが、これは、議員御懸念、御指摘の点というのが、実際上環境影響評価という枠組みの中で解決すべきものであるのかどうかというのも、これはなかなか難しい議論があると思います。御質問の中でもありましたように、人口密度ですとか、飲料水の確保でありますとか、いろんな問題が開発に絡んでは当然出てまいります。ただ、今私どもでお答えをしておりますのが、環境影響評価、あくまでもそういった手法の中での対応でありますので、おのずからその意味での限界はあろうかというふうに思っております。環境影響評価という観点からいけば、二十ヘクタールという一つの広がりを持った、いわゆる大規模な開発についてということで限定していくことも現時点においては理由があるのではないかというふうに考え、お答えをしたところでございます。
 三番目には、今庁内で見直すというのは、条例化も含んで、条例化ということも念頭に置きながらの見直しであるということをもう一度確認をさせていただきます。
 以上でございます。