会議録全文
 

4 平成九年二月定例会(平成九年三月六日質問)

・行政改革推進と行政の事務事業評価システム構築について
・県の人事政策について
・教育問題について(みやぎ自然塾・県立中高一貫校)

[答弁] 知 事  浅野史郎君   
     教育長  鈴鴨清美君


    〔四番 秋葉賢也君登壇〕
◆四番(秋葉賢也君) 知事は、英語で言えばガバナーですが、ガバナーという言葉は、船のかじをとる人という意味のギリシャ語に起源があるそうであります。今日、知事がかじをとる夢航路未来号の積み荷を厳しい目で取捨選択し、いかにスリムな船にしていくかが問われております。二十世紀後半にあらわれた最大の怪物は、福祉国家だという指摘があります。行政需要の増大とともに、広範な公共サービスを行うこの怪物のコントロールに苦悩し、巨額の財政赤字に陥っているのが多くの先進国の現況であります。このまま放置しておけば、やがて怪物に飲み込まれ、破綻を来すことはだれの目にも明らかであります。この怪物が指向し、理念としているものを最大限に生かしながらも、一方で膨張し続ける宿命にあるこの怪物に、絶えず立ち向かっていかなければなりません。その意味で、行政改革はまさに終わりなき改革だと言われるゆえんであり、知事のダイナミックなかじさばきが期待されております。
 本県では、ことし、一昨年に策定した行政改革大綱の総仕上げの年を迎えるわけですが、新たに行政改革推進室を設けるなど、新規の行政改革推進計画の策定に向けた推進体制の強化が図られようといたしております。また、これまで副知事が本部長を努めてきた庁内組織である行政改革推進本部の本部長には、知事みずから先頭に立ってその任に当たるなど、行革への意気込みが感じられます。しかしながら、これまでの取り組みは、その成果が不十分であり、行政改革というより行政改善という域にとどまってきたように思われてなりません。したがって、怪物のぜい肉をそぎ落とし、体重を減らすことだけに腐心する薬事療法ではなく、必要ならばその手足をもぎ取るほどの大胆な外科手術が求められます。もちろん、手術には強烈な痛みと出血が伴います。それは職員の皆さんにとりましては、人員の削減などかもしれません。私自身を含め議員にとっても、口で行革推進を唱えながら、水面下では利害のある補助金などのカットに抵抗するといった行動を厳に慎み、公正に対処していかなければなりません。重要なのは、パイの奪い合いやパイの提供に関心を向けることではなく、いかにパイを焼き直すかに努力を傾注することだと思います。痛みを麻酔でごまかすことは、改革の先送りにひとしく、皆で避けねばなりません。
 このような認識に立って、本県の行政改革の推進と行政の事務事業評価のシステム構築について知事にお伺いいたします。
 行政改革大綱の推進状況の報告書を拝見いたしますと、行政運営システムの改善など、各般にわたって一定の成果が見られますが、事務事業や外郭団体などの整理合理化などでは、せっかく廃止、統合しても、新規にふえているものも相当数に及んでおります。このため新年度の大綱の実施結果の取りまとめに当たっては、従来のように各般の当初計画とその成果についてまとめるだけではなく、特に事務事業については新規増加分の件数を可能な限り明確に付すことによって、パイの大きさに変化があったのかどうかを明らかにすべきと考えますが、いかがでしょうか。
 新年度は、行政改革推進事業費として五千万円が計上され、さきに述べた行政改革懇談会の設置や県民、職員の意識調査などが予定されておりますが、外部の有識者から成る懇談会の設置は、前回設置した同様の目的の委員会とどのような点が違うのでしょうか。また、前回の主な顔ぶれは、十二人のうち大学教授二名、企業経営者五名などから構成されておりましたが、今回はそのメンバーを一新するとともに、予定の十五人の中には、新たに民間の財務コンサルタントと専門の経営コンサルタントの方々にもぜひ入ってもらうべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 県の事務事業の約八割が国の機関委任事務であることを考えますと、地方自治体の行政改革を抜本的かつ有効に実施するためには、自治体を束縛している国庫支出金に係る補助金や負担金のあり方などを見直すとともに、地方分権や規制緩和の促進と表裏一体で取り組んでいくことが不可欠であり、その意味では国レベルでの改革が最重要かつ急務であることは言うまでもありません。地方分権推進委員会は、ことしの六月をめどに、補助金や税財源、必置規制などについて第二次勧告を出す予定になっておりますが、昨年末の第一次勧告によりますと、補助金削減計画の作成やサンセット方式の導入などが明示されております。国の補助金の件数は、昭和五十四年のピーク時の三千八百三十三件から、本年度の二千二百二十三件まで縮減されてきておりますが、件数が減る一方で、その支給範囲は広がり、総額では平成二年度以降、毎年三%前後の伸びを示しております。本県の場合、平成七年度の補助金は千百九十四件で、総額四十九億六千余万円となっており、同様に負担金では千四百四十六件、総額で十二億八千余万円に達しておりますが、十年前、五年前の数字と比較して縮減されてきているのかどうか、おのおのの件数、金額の推移を具体にお示しください。とりわけ県単補助金は、補助目的の達成を厳しく見きわめると同時に、効果の低いものは廃止ないし統合を積極的に進めることを強く要請申し上げます。
 サンセット方式の積極的な導入について、私は初議会での初質問でも提案させていただきました。サンセットの理念は、文字どおり太陽が必ず沈むように、行政組織や機関、事務事業、法律や条例を一定期間をもって自動的に必ず廃止させようとするものであり、原則的に継続は認めず、あらかじめ終期設定した日をもって自動的に廃止になるというこの廃止の脅威こそが、必然的に評価を常に強制するメカニズムを実現させるものであります。実際、我が国でも時限立法はございますが、法律や条例に適用されるのはまれであり、専ら補助金や負担金などの見直しの際に用いられているにすぎない現況は残念でなりません。今回の大綱で新たに取り上げられている使用料及び手数料の見直しなどを含めて、行政が自己革新を不断に行い得るようなサンセット方式を制度化して実施するために、その基本原則に関して、サンセット指針のような形で明文化することを改めて提案いたします。
 前回の知事のお答えでは、サンセット方式の積極的な活用は必要だとしながらも、その明文化については、行政領域が多岐にわたっており、一律にこの制度を導入するには課題が多いのではないか、今後十分研究したい旨の回答でございました。もちろん、私もすべての事務事業や組織機関、補助金などに適用することは困難だと考えておりますが、大切なのは、できるだけ終期設定や目標年次設定を行うことにより、行政評価を必然化させるシステムをいかに構築するか、また評価するための指標をどのように作成するかという二点に尽きます。したがいまして、領域を絞り込んだ上で、まずは可能な分野についてだけでもサンセット指針を策定し、思い切って強制してみてはいかがかと存じます。
 一方で、サンセットの最大の課題は、的確な評価基準、評価指標づくりであり、まさに行政改革の核心は、つまるところ行政の成果に対する評価をどのように行うかにほかなりません。そして、財政面においても、成果重視の予算システムに改めていかなければなりません。この行政成果の適正な把握こそ実は最難関のネックになっており、行政という公共サービスを担うがゆえに、効率一辺倒に陥ってもいけませんが、事実として、これまでの評価システムでは成果重視の把握が不徹底だった傾向があるように思われます。一般に、行政成果の類型尺度は、質的成果と量的成果の二つに大別されると思います。質的成果は、すなわち住民の満足度であり、量的成果は、サービスの対象範囲や需要の達成成果ないし充足成果を示すものであり、また供給達成のサービス成果やそれらの社会的成果などに分類して分析、測定しなければなりません。測定する尺度が多過ぎて何に集中すべきか、何に比重を置くべきか戸惑ってしまいがちなことも確かでありますが、重要なのは、質的分析と量的分析の側面からより明確な評価基準を作成して実施することであります。
 今後の行政改革推進計画の策定に当たり、目標管理、効果指標による優先順位の策定、スクラップ・アンド・ビルドの徹底などを掲げておりますが、具体的にはどの程度の評価システムを構築するお考えでしょうか。
 これまでも事務事業の評価システムの見直しは必須項目になってまいりましたが、果たして本当に白紙での見直しが行われてきたかといえば、さまざまなしがらみにもしばられて十分とは言えない状況にあります。このため、例えば三重県では、本県で言う新しい県政創造運動ならぬ、さわやか運動、「さ」はサービス、「わ」はわかりやすさ、「や」はやる気、「か」は改革と称して行革に取り組んでおりますが、三重県で注目すべきは、事務事業評価システムの確立を行革推進運動の一番の根幹に据え、事業目的を成果指標という表示形態で端的にあらわし、数値化を行うことを基本作業としている点であります。例えば、ボランティア育成の講習会開催の場合、従来重んじられてきたように、何人がこの講習会に参加するかではなくて、対象地域で何人がどれくらいボランティア活動をするようになったかに重点を置き、試算いたしております。そして成果目標や目標数値は、事務事業目標評価表という分析シートに記載され、課内、部内での討議を経て、事務事業の改革案が作成される仕組みになっております。推進のための研修や説明会を徹底して実施していることも見逃せません。
 既に指摘したように、成果を一律に数値化することは、事業によっては無理があったり、客観性の確保が難しかったりするでしょう。しかしながら、本県でも成果指標や数値化について、相当に踏み込んだ評価表を策定すべきだと考えますが、知事の御熱意のほどをお聞かせください。
 昨年十月に出された平成九年度当初予算の要求についての総務部長通達を拝見いたしますと、政策的経費については、相変わらず部局単位の要求を前提としており、縦割りになっております。これではほかの部署が何をしているのかわかりづらく不明瞭であり、事業が重複し、効率が悪くなってしまいがちであります。環境や情報など、政策課題ごとに分類して、財政課がもっと横断的に査定できるようにするため、政策課題別の予算制度を確立すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 また、予算要求の際には、従来の経常的経費や一般的経費など、四つの区分によるものだけではなく、事業別のコストと成果目標を前述のようにもっと詳細な指標から算出させ、要求書に添付させることを義務づけるべきだと思いますが、どうでしょうか。コストも単なる事業費だけではなく、人件費も含めて算出させることによりコスト意識を高め、より効率的な予算が組めるようにすべきではないかと思います。
 行政評価システムの構築のためには、とりもなおさず行政成果ないし効果についての具体の基準を作成し、広範に適用していくことが最優先課題であることを力説してまいりましたが、その一方で、庁外においても議会はもとよりその監視機能を高めていかねばならないことは言うまでもありません。
 首相の諮問機関である地方制度調査会は、自治体の行財政を第三者がチェックする外部監査制度の導入などを答申いたしました。外部監査は、監査人が必要と判断した財務などについて、抜き打ち的に実施するもので、監査人には当該自治体OBを除外した上で、弁護士や公認会計士などの監査事務に精通した者が当たるとされており、今国会で自治法改正案が可決されれば、平成十年度から都道府県や政令指定都市などにおいて導入が義務づけられます。
 本県では、昨年の十一月から県政オンブズマン制度が導入されておりますが、その役割は苦情処理が主体であり、既存の県民相談員制度などと何ら変わりばえしないのが実情であります。二名のオンブズマンに加えて、事務局体制は常勤二名、しかも知事部局である広報課設置になっております。今求められているのは、苦情処理に限定しない行財政全般にわたる強力な第三者による外部監査制度ではないでしょうか。したがって、早急に現行制度を見直し、オンブズマン制度の嚆矢と言われているスウェーデンのように、権限を拡大させた上で、議会が選任する独立の機関として設置させるべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 この点、国でも行政監視院の新規設置が検討されておりますが、肝心なのは、総務庁ではなく、国会に設置しようとしているところに意義がある点だと思います。また、費用対効果の観点からいたしますと、改善の余地が極めて大きいのではないでしょうか。
 昨年の補正予算で千六百五十万円が計上され、新年度予算では二千百六十八万円が予算措置されておりますが、これまでの四カ月間の県政オンブズマンの実績と評価に関してお伺いいたします。
 ところで、最近は行政のアカウンタビリティー、説明責任義務を求める機運が高まってまいりました。情報公開の進展はまさにその典型でありますが、不祥事に対応する形で行われてきたとはいえ、私はこれまでの取り組みを評価するものであります。ただ、本来財務会計文書などの開示拡大にも増して重要視されなければならないのは、政策の決定過程における情報公開の促進ではないでしょうか。大きな事業では、有識者などから成る懇談会や審議会が設置され、公開で開催されるのが通例になってきておりますが、問題は、庁内での最終的な意思決定がどのように取りまとめられるかであります。例えば、宮城大学の学部名称でも、事業構想学部は、当初の観光学部からサービス産業学部になったりしましたが、いつ、だれが、どのような形で決定したのかを常にオープンにしていくことが大切であり、県民による行政評価を促すことにも結びついてまいります。
 新年度には、新たに県情報公開室の設置なども予定されておりますが、今後こうした政策決定過程における情報の開示拡大に向けて、具体的にはどのように取り組んでいかれるおつもりなのか、お尋ねいたします。
 新しい考え方をつくり出すより、古い考え方から抜け出すことの方が難しいと言われております。行政を根本的に改革していくためには、これまでにない大胆な発想と手法が必要であります。その意味で、諸外国の成功例にも大いに学ぶべきだと思います。中でも、ニュージーランドは古い行政事務制度を一挙に撤廃し、徹底した規制緩和による民営化を推進し、国家公務員数を八万四千人から四万人に半減させるなどの大改革を実現して、疲弊した国力を大幅に飛躍させてまいりました。知事、総務部長はもとより、行政管理課、財政課などの職員の皆さんにはぜひ御視察され、その秘訣を学び、生かしてほしいと考えますが、いかがでしょうか。
 肥大化の宿命にある怪物に立ち向かうために、既成概念の呪縛を断ち切り、船の櫓をこぐ行政ではなく、船のかじをとる行政に大きく転換していくことを願って、次の質問に移ります。
 人事政策についてであります。
 人事管理の見直しは、行革推進の重要な柱の一つであり、事務事業の効率化や民間委託の積極的な促進など、その適正な管理が求められております。ことし、読売新聞が実施した調査によれば、定員削減について具体的な人数やパーセントなどの数値目標を掲げているのは、都道府県レベルでは十四自治体にすぎません。人件費比率ナンバーワンの神奈川県も、新年度からは今後五年間で五%削減する計画を立てたようであります。本県では、定員シーリング方式を新たに導入し、縮減を図るとしておきながら、一向に削減目標が示されてはおりません。具体的な数値目標を明示すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 宮城大学の開学や、五六国体の開催準備などによる行政需要の拡大傾向の中で定員削減を確実に実施するためには、民間委託が最も効果を発揮するわけであり、可能な限り民間委託を促進すべきと考えます。ただし、その際コストの削減も重要な要素でありますので、業務を委託する際にはコスト面での競争原理を大いに導入しなければなりません。
 昨年度は、職員寮管理業務や自動車税申告受付など、大綱どおり七業務の委託が行われ、九年度にかけては、更に十業務の委託が予定されておりますが、例えば庁舎の清掃業務や警備業務などでは、委託件数はどの程度あるのでしょうか。年々着実に増加させていくべきだと思います。
 また、契約方式は、随意契約で行われることが過半だと思いますが、コスト削減のためにも、競争入札の比重を高めていく努力が必要だと思われますが、これまでどのような方策を講じてきたのでしょうか。
 一方、職員の研修制度については、一昨年に、みやぎ新時代を担う職員研修ビジョンが作成され、創造型、交流型などの多様な研修方策が立案されております。また、新年度からは新たに各部局に研修推進員を設置したり、これまで少なかった管理職を対象とした研修を充実させるなど、進展ぶりがうかがえます。本年四月からは、総合研修センターもオープンされますが、民間企業との人事交流や、国内外を問わず、派遣研修を従来以上に充実させるべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 また、管理職などへの昇任に際しては、年功序列的な登用を見直し、適材適所の配置を一層進めるためのシステムを確立していかなければなりません。とりわけ、若手職員、女性職員の積極的な登用が望まれるとともに、若手、女性職員が政策形成に参画できるシステムの構築も必要だと思いますが、いかがでしょうか。
 この点、茨城県に次いで、新年度から係長以下の若手職員を対象に、公募による人事制度を導入したことは評価できるものであります。地域づくりや観光の企画立案、国体の三つの特定業務について公募を行い、既に先月締め切られておりますが、その結果は、どうだったでしょうか。
 もちろん、ベテランの熟達した手腕は欠かせませんが、現状を変革し、新しい時代を切り開いてきた原動力は常に若々しいエネルギーの高揚にあったと思います。若手職員の積極的な登用とその環境づくりを切に願うものであります。
 管理職の能力開発のため、鳥取県では昨年から課長級職員を対象に、その部下職員による評定制度を導入し、注目されております。このような部下が上司を評定する制度は、既に一部の民間企業では行われているのを初め、宮城大学の野田学長予定者が多摩大学の学長のときに、生徒が教授を評定するなどして試みられております。鳥取県から送っていただいた執務姿勢診断表を見ますと、対人能力や課題発見、解決能力などについて計三十のチェック項目が五段階評価されるようになっており、当然若手職員には好評のようであります。担当課では、特に意識改革や能率向上などを主眼としているようでありますが、本県でも導入を前提に検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 最後に、教育問題についてお伺いいたします。
 今日の教育環境をめぐる諸問題、いじめや不登校などに対して、即座に解決できるような妙案を得ることは容易なことではなく、私も二児の父親として、事態の深刻化を実感いたしております。私の教育理念は、「さらば平均点、伸ばせ個性の芽を」という一言に集約されます。すなわち、これまでの学校に子供を合わせる教育ではなく、学校を子供に合わせていく教育への転換が必要であり、偏差値や学歴至上主義を是正し、多様な個性が重視される教育内容にしていかなければなりません。このような認識に立って、二点お伺いをいたします。
 一つ目は、みやぎ自然塾の設置についてであります。
 昨年度の県内の高校中退者数は二千二百八十六人で、平成二年度以降再び増加に転じてきており、生徒数が減少しているにもかかわらず中退者数はふえ続けております。中退率は二・五%で全国五番目に高い水準に達しており、中退理由には、学校生活、学業不適応を挙げる生徒が三割を超えているなど一層深刻になってきております。このためスクールカウンセラーの増員や生徒指導担当教諭を対象にしたカウンセリング技術研修会の実施などに取り組んでまいりましたが、更に、生徒指導、進路指導の改善を進める必要があると存じます。一向に成果が見られない原因をどのように分析し、今後どのように対応していくおつもりなのか、教育長にお伺いいたします。
 こうした中退者や不登校生徒の受け皿として、新年度では学習機能とカウンセリング機能を一体化したみやぎ自然塾の設置を検討しており、基本的には評価いたしますものの、全寮制施設を建設する計画には同意できないものがあります。なぜならば、宿泊型ではないにしろ、既に類似のけやき教室を県内七カ所に開設しているのに加えて、民間でもフリースクールという形式でふえつつあり、県単で施設建設、運営するには、財政負担が大きいと思います。例えば、従来のけやき教室に高校生も対象に加えて強化させるとともに、既存学校施設などの空き教室を利用することによって、きめ細かな対応を整備し、更に民間の事業者への助成の充実などで対応すべきが基本方策であると考えますが、いかがでしょうか。
 二つ目に、県立中高一貫校の設置についてお尋ねいたします。
 中高一貫校は、中学と高校の学習上の重複をなくし、その結果できた時間的なゆとりを自然体験や社会体験に充てようとするもので、国の中教審でも、既にその導入を明示いたしております。公立の中高一貫校は、唯一宮崎県が平成六年度に新設しており、東京都や石川県などでも検討されております。
 本県でも、新年度では中高一貫並びに連携教育システム基本構想策定委員会を設置し、基本構想をまとめることとしておりますが、知事御自身は、既に先月十八日のみやぎ未来人教育振興会議の席上、県立の中高一貫校を一校設置することを明言しております。全県学区とし、受験競争の低年齢化を招かないよう入試では学科試験は行わず、面接や作文で選考し、仙台市以外に設置するという方針のようでありますが、一校のみではエリート校になりやすかったり、人間関係の固定化への不安や、市町村設置の公立中学教員を県立でいかに確保するかなどの問題も指摘されております。高校の義務教育化が進んでおり、ゆとりと個性を引き出す中高等教育の充実、また教育制度の複線化、多線化の実現という観点から、基本的に私はこうした方向性を高く評価するものであります。
 ただし、最も懸念されますのは、出生率が低下し、少子化が進展する時代環境の中で、各種教育機関では定員割れや空き教室の増加が目立ってきており、統合、再編整備が進行、検討されている中で、新たに用地を取得し建設するのは、そのコストも莫大であり、時代に逆行する側面も強うございます。まずこの点はどうお考えなのか、お聞かせください。
 このような課題を克服するためには、各学年とも三十から四十人ぐらいで構成される小規模校を想定することによって、新しく校舎をつくるという発想ではなく、でき得る限り既存の県立高校を中高一貫校として改組指定し、それを増改築することによって対応していくべきが基本だと強く御提案申し上げますが、知事のお考えをお伺いいたします。
 その意味でも、とりわけ基本構想の検討事項の三番目にもあります中高連携教育システムの構築が重要になってまいります。確かに、市町村立中学と県立高校という設置者区分のハードルを乗り越えるなどの課題はありますが、この連携の充実化を図る中で、単独一校の設置ではなく、事実上の中高一貫校体制の複数校化を実現していくべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 ことし四月に四年目を迎える宮崎県の中高一貫校は、一学年の定員はわずか四十名の全寮制で、過去三年間の入試競争率は平均で十倍を超え、志願者が殺到していることから、一校だけではなく広範な導入が検討されるべきだと思います。
 本県においては、この先例の長短をしっかりと踏まえながら、次世代にとって過ちの結果とならない判断を念じながら、私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。
○議長(高橋健輔君) 知事浅野史郎君。
    〔知事 浅野史郎君登壇〕
◎知事(浅野史郎君) 秋葉賢也議員の御質問にお答えをいたします。
 まず初めに、行政改革の推進について何点かお尋ねがございました。
 その中で、まず初めに、行政改革大綱の実施結果の取りまとめに当たって、特に事務事業については、新規増加分の件数を可能な限り明確に付すことによって、パイの大きさの変化を明らかにすべきだとのお尋ねでございます。
 行政改革大綱の進行管理については、進捗状況を取りまとめて公表をしております。その際、事務事業の見直しについては、従来の事務事業について、所期の目的を達成し存続の意義を失ったもの、社会経済情勢の変化によって継続の意義が薄れて、その必要性が乏しくなっているもの、創設時に比べて緊急性、重要性が薄くなっているもの、こういったものなどについて、廃止、統合、縮小といった観点で取りまとめております。事務事業の新規増加分の件数については、現行の進行管理とは別に取り扱ってまいりたいと考えております。
 次に、新設をいたします行政改革懇談会と、現在あります宮城県行政改革推進委員会との違いについてでございます。
 平成七年五月に設置をいたしました宮城県行政改革推進委員会は、行政改革大綱の策定そして進行管理などに関して県民各層の御意見、御助言をいただくために、県内の有識者で構成しているものであります。一方、新設いたします行政改革懇談会は、国内外の諸情勢が大きな変換期にある中で、地域においても主体的に時代の変化に対応することが求められるという認識に立って、新しい行政改革に積極的に取り組むに当たって、県内各層にとどまらず、より幅広い層の御意見、御提言を伺う必要があるのではないかと考え、そういった人選を行い、新しい行政改革の検討期間であります二年間に限って設置をするということにしているものであります。なお、具体の人選については、ただいまお話のありました御趣旨を踏まえて、今後十分に検討してまいります。
 次に、過去の補助金や負担金の件数、そして金額の推移についての御質問でございます。
 過去五年間の伸び率の平均で見てみますと、投資的なものと市町村に対するものを除きますと、補助金が件数で申しますと二%、金額ベースでは六・六%でございます。負担金の方は、件数で五・七%、金額ベースで四・七%というふうになっておりまして、年度間の増減はあるものの、増高傾向を傾向を示しているところでございます。
 次に、いわゆるサンセット方式の制度化についてのお尋ねでございます。
 現在の行政改革大綱においても、適正な定員管理を行うために、事務事業の終了と同時に、関連する組織や定員をスクラップするというサンセット方式の徹底を掲げております。また、平成九年度当初予算要求基準においては、経常的経費を除いたすべての事業について、目標達成年次を勘案して、終期年度又は事務事業の見直し作業年度の設定を義務づけることを明文化しております。今後とも、こういった形でサンセット方式の導入が可能なものについては、積極的に対応をしてまいります。
 次に、今後の行政改革推進計画の中で、具体的にどういった評価システムを構築していくのかということでございます。
 厳しい財政状況の中で、事務事業の徹底した見直しを図りながら、財政の健全化と重点分野への優先投資を行うことが重要でありまして、事務事業評価システムを確立することは、その意味で必要不可欠であると考えております。そのために、新しい行政改革を進めるに当たっては、宮城県行政改革推進本部に事務事業評価システム研究会を設置いたしまして、その中で具体的な評価指標の検討を行うこととしております。その際に、評価を行うための尺度や評価項目をどうするかということについては、大きな課題となりますが、先行事例や民間での評価システムを十分に研究しながら、本県独自の事務事業評価システムを構築してまいりたいと考えております。
 次に、事務事業評価システムの確立に向けた熱意についてお尋ねがございました。
 先ほども申し上げましたとおり、どのような評価項目をもって客観的に評価していくかということについては課題が多く、十分な検討がなされなければなりませんが、いずれにしても、みずからが行った事務事業の成果や目標達成度などについて客観的に評価をして判断することは、非常に重要であると認識をしております。したがって、先進事例も十分に参考にさせていただきますが、職員の英知を結集して取り組んでまいります。
 次に、予算の組み方について、横断的に査定ができるよう政策課題別の予算制度を確立すべきではないかという御提言でございます。
 県の政策は、各部各課を単位として、それぞれが権限と責任を持って執行をいたしております。したがって、予算についても、各部各課を単位として編成することが最も合理的であると考えております。ただし、政策課題ごとに横断的な視点を持つことの重要性は、先ほど御指摘されたとおりでございます。そのためには、関係部局が計画の立案の段階で、また予算編成に先立って調整、強調することが必要となってまいりまして、更に、予算編成そのものが政策の調整場面であるがために、こういった機能を更に強化していく必要があると考えております。
 また、行政評価を踏まえた予算編成の御提言がございました。
 今までも、行政へのコスト感覚を導入をして、また政策の成果を踏まえた予算編成を行っていくための議論は種々ございまして、さまざまな手法が提言されております。総論としては、これに異論を挟む余地はないわけでありますけれども、実際には、行政活動を数値化をするということは、これは大変に難しくて、またコスト面だけではなく、行政ニーズや社会経済の変化への対応といった多角的な評価が必要となってまいりますので、決定的な手法というのはないのが実情でございます。しかし、地方分権時代において、経営感覚を持って行政運営に当たることが、今私たち行政に携わる者にも求められておりますので、例として三重県のお話がございましたけれども、三重県の例も参考にしながら、政策の評価のあり方を検討をし、できるものから生かしてまいりたいと考えております。
 次に、監視機能を高めるため、オンブズマン制度について、現行制度を見直し、権限を拡大させた上で、議会が選任する独立の機関として設置させるべきであるという御提言でございました。
 県政オンブズマン制度の機能といたしましては、行政救済苦情処理機能及び行政制度改善機能を持つものとしてございます。行政運営監視機能は、この権限の中には含めておりませんけれども、その理由といたしましては、まず一番目に、平成三年の地方自治法の改正によって、議会、監査委員の行政監視機能が拡大されたことが挙げられます。二番目に、監査委員への民間人の登用によって、監査委員制度の機能充実が図られたことが挙げられます。
 なお、この制度の運用に当たっては、県政オンブズマンの職務上、身分上の独立性と中立性の確保を図るために、この要綱の中では身分や解職そして兼職などに関する規定を設けて、公平な第三者機関として活動ができますように保障をいたしております。条例化といった制度の見直しについては、この制度がまだ発足から間もないということから、当分の間は現行制度で運営してまいりたいと考えております。
 次に、県政オンブズマン制度の費用対効果の観点からの改善の余地と、そしてこれまでの実績と評価についてお尋ねがございました。
 まず、費用についてでございますけれども、県政オンブズマンの定数は二名ということでございまして、事務局も庁舎内に置いてございます。その意味では、可能な限り経費の抑制を図ったというところでございます。なお、これからも経費をできる限り抑えて、少ない費用で効果の上がる制度の運営に心がけてまいりたいと考えております。
 次に、これまでの実績でございますが、昨年十一月からことしの二月末まで四カ月間の相談の状況でございます。
 県政オンブズマンに寄せられた苦情に関する相談というのが百九十七件ございました。また、制度などへの問い合わせが百三件、その他が百二十三件、合計してこの四カ月間で四百二十三件という数に上っております。このうち苦情申立書によって受理をしたものというのが五十九件ございました。この五十九件の内訳でございますが、調査の結果、申立人の趣旨に沿った形で解決をしたというものが七件ございます。また、行政側に不備がなかったものが十八件など四十一件を処理をし、残りの十八件は調査中でございます。現在までのところ、県政オンブズマンが勧告や意見表明を行ったものというのはございません。この制度を導入して四カ月と短い期間でありますので、現段階でこの制度の評価には難しいものがあると思っておりますが、県民にとっては、県政がより身近な開かれたものとなり、一方では職員の中には、よい意味での緊張感が生まれているということもございまして、その効果は既に上がっていると考えております。
 次に、政策決定過程における情報公開ということについてお答えをいたします。
 本県では、政策決定に係る情報の公開に当たっては、適正な意思形成又は事務事業の公正若しくは円滑な執行に支障を生じない情報は、原則として公開し、開かれた県政の推進に努めてまいりました。また、各種の政策決定においては、審議会などが重要な役割を果たしているということから、平成七年度からは審議会などの会議公開制度を実施をしております。県政の透明性、公正性の向上を図ってきたところでございます。一般的には、県の政策は、住民の意向の把握、内部的な調査検討、審議会などにおける論議、政策会議、予算案の編成、議会における審議、こういったことを経て決定されるものと認識をしております。しかしながら、県の政策には、行政分野や規模においてさまざまなものがありまして、その決定過程についてもそれぞれ異なった態様をとっておるというのが実態でございます。したがって、今後の政策決定過程での情報公開の促進については、個々の政策に即して、どの段階でどういった情報をどのような方法で公表していくのかについて、それぞれ具体的な検討が必要と考えておるところでございます。
 次に、諸外国を視察をして、成功事例の秘訣を学び、生かしてはどうかという御提言でございます。
 世界的には、お話がございましたように、ニュージーランドやアメリカでの行政改革、そしてイギリスでの民営化といった大胆な行政改革が行われておりまして、その成功例が報告をされております。必要に応じて現地に赴き、実情を視察することも検討をしてまいりたいと考えております。
 二番目の大きな項目として、人事政策について何点かお尋ねがございました。
 初めに、職員数の縮減についての御質問でございます。
 知事部局の平成三年度と平成八年度の職員総数を比較いたしますと、約百八十人、率にいたしますと、約三%この間増加をしております。その要因でございますが、この五年間には、がんセンターオープンに伴って百八人増員をいたしましたが、これを初めとして国体、全国植樹祭への対応など、新規の行政需要に対応するために約九百二十人の増加要因がございました。この増加数をできる限り抑制をするという意味で、定員の一%シーリングや、事務事業の見直しなどの方法によって、約七百四十名を削減いたしまして、結果的に総数で百八十名の増加ということにとどめたわけでございます。今後も行政改革をより強力に進めてまいりたいと考えておりますことから、職員数の縮減についても一層積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、清掃でありますとか警備でありますとか、こういった事業の業務委託の件数、どの程度あるのかというお尋ねでございます。
 清掃や警備といった業務委託件数は、平成六年一月の調査によりますと、地方公所も含めて四百三件となっております。
 次に、清掃や警備などの業務委託に競争入札の比率を高めるべきとのお尋ねでございます。
 業務委託の際の契約方式については、競争原理の導入によるコスト削減という観点から見直しが必要であるとの認識に立って、庁内に研究会を設置をして、業務委託全般について調査研究を行い、平成八年二月には、業務委託等の契約方式の見直しに関する報告書を取りまとめたところでございます。更に、この報告書をもとに、平成八年三月には、随意契約を行う際の留意事項、随意契約ができる場合の要件などを示した業務委託等に係る随意契約ガイドラインなるものを定め、平成八年四月一日から適用をしております。今後とも、業務委託契約に係る公平性、競争性を高めるために、ガイドラインの周知徹底を図ってまいりたいと考えております。
 次に、職員の派遣研修についての御質問でございます。
 現在、職員研修といたしましては、民間企業、国内国外の大学院、国際交流機関の海外事務所、そして他県、こういったところに職員を派遣をしております。実績といたしましては、過去五年間に三十七名の派遣となっておりまして、そのうち民間企業に対しては、シンクタンク、金融機関などに八名を派遣をしております。派遣研修は、新しい行政ニーズへの対応を図る上で、専門的知識や経験を得ることができるという大きな効果があるものと認識をしております。今後も多様化する行政ニーズに積極的にこたえられる人材を育成するために、特に研修効果の高い民間企業などの新たな派遣先を開拓をし、派遣研修の充実に努めてまいりたいと考えております。
 次に、年功序列的な登用の見直しや、若手職員、女性職員の積極的登用などについての御質問でございます。
 職員の配置あるいは登用については、適材適所の配置を基本にして、職務能力の開発とその成果を適正に評価した昇進管理が不可欠であると考えております。特に、管理職への登用に当たっては、従前から職員の適性、能力あるいは経験などを総合的に評価をして適任者の登用に努めてまいりましたが、今後地方分権の推進など、県行政の大きな変革期に当たっては、職員、特に管理職員に求められる資質も、従来とは大きく変わっていかざるを得ないと認識をしております。こういった観点から、人事制度のあり方についても、今回の行政改革の大きなテーマとして位置づけておりますが、他の都道府県のみならず民間企業のシステムなども幅広く研究をして、新しい人事システムの構築に向けて取り組んでまいるつもりであります。また、この中で若手職員、女性職員の登用や政策決定に参加できるシステムの構築についても積極的に取り組んでまいります。
 次に、今年度新しく試みました若手職員の、いわゆる公募人事制度についてお尋ねがございました。
 これは職員の意欲を積極的に人事に反映させることをねらいにいたしまして、三つの業務について、具体的には地域づくり関連業務、観光開発推進業務そして国体開催推進業務、この三つの業務について、希望者を公募する制度として今年度初めて試みたものでございます。この結果、事務職だけではなくて技術職からも応募がございましたが、二十代から三十代の職員を中心に合計四十六名の応募がございました。これら職員の具体の配置については、現在人事作業の中で検討中でございます。いずれにいたしましても、新年度においても、その効果や問題点などを評価検討した上で、今後とも継続をしてまいりたいと考えております。
 また、課長級職員を部課職員が評定するという鳥取県の制度について、本県でも導入を前提に検討すべきではないかとの御提言がございました。
 御指摘の鳥取県の制度でございますが、これは管理職の能力開発のための部課職員による執務姿勢自己診断援助制度、こういった名前の制度であるようでございますが、これは所属長の自己啓発や、所属長と所属職員の意思の疎通を図る機会の確保、こういったことを主なねらいとして、平成八年度から導入されたものと伺っております。管理職の能力開発や職場の活性化といった意味合いからは、注目に値する試みではないかと考えております。今回の行政改革の取り組みにおいては、人事制度全般についても総合的に見直しをしていくこととしておりますので、御提案の内容についても、その中で具体の検討を進めてまいります。
 次に、大きな三番目として、教育問題について何点かお尋ねがございました。
 まず初めに、みやぎ自然塾の設置に伴う財政負担に係る御質問にお答えをいたします。
 みやぎ自然塾−−まだ仮称でございますが、みやぎ自然塾は、学校不適応対策の中核施設として相談、研究機能や指導機能等を一体化し、不登校の生徒を支援しようというものでありまして、現段階では、宿泊機能を持った施設として構想をしております。宿泊機能を持つことで考えておりますのは、不登校生徒の問題を、生徒の学校生活面だけではなく、いわば生徒の生活全体にかかわる問題としてもとらえるべきであるということによるものでございます。また、既存施設を活用した対応を考えるべきとの御提案がございました。現段階で対象者として想定いたしておりますのは、高校進学後も不登校状態にあって、更には中退に至ったという生徒でございます。こういった年齢層の生徒は、義務教育段階の不登校児童生徒よりも一般的に立ち直りが難しくて、その対応に当たるスタッフや施設は、よりレベルの高いものが求められますので、新しい発想、新しいシステムが必要なのではないかと考えているところでございます。
 なお、御指摘がありましたように、財政負担の増大が懸念される面もありますので、平成九年度の全体基本計画の策定に当たっては、こういった点にも配慮をして多面的に検討がなされるものと考えております。
 次に、中高一貫校についてお尋ねがございました。
 県立の中高一貫校を新たに用地を取得して建設することは、コストの面でいかがかといった御質問でございました。
 まず、県立の中高一貫校の設置についてでありますけれども、中学、高校の一貫した、あるいは連携をした教育については、まずそのシステムのあり方を明らかにすることが必要であると認識をしております。このために、平成九年度に、教育庁に検討委員会を設置をして、本県として構築、展開すべきシステムの理念、可能性、具体策などを探っていくこととしております。中高一貫校を設置する場合の場所の問題については、平成九年度以降の検討において議論が重ねられると存じます。
 私から最後になりますが、中高一貫校のコストの課題への対応についてお答えをいたします。
 平成九年度に教育庁に設置をいたします検討委員会においては、中高一貫教育導入の問題とともに、全県的に中学校教育と高校教育との連携をどうやって図るかといったことも主要なテーマになろうと思います。
 御提案がありました既存の市町村立中学校と既存の県立高校を事実上一つの学校として体系化するということについては、中学校そして高校の設置主体は違っているわけでございますので、また地理的、社会的条件が必要といった問題がございますので、いずれにいたしましても、平成九年度の検討委員会においては、御提案のあった例も含めて広い視野からさまざまなケースについて議論がなされるものと思っております。なお、既存の県立高校を中高一貫校に改組をしてはどうかとの御提案でございますが、中高一貫教育の導入が、本県中等教育全体に及ぼす影響などを考慮しながら、今後の検討の中で構想が具体化していくものと考えております。
 なお、県政オンブズマンのところの答弁で、ちょっと読み間違いがありましたので、訂正をさしていただきます。
 実績についてお答えをした中で、行政側に不備があったものが十八件というふうに申し上げましたが、これは行政側に不備がなかったものが十八件ということで、おわびして訂正をさしていただきます。
 私からは、以上でございます。
○議長(高橋健輔君) 教育長鈴鴨清美君。
    〔教育長 鈴鴨清美君登壇〕
◎教育長(鈴鴨清美君) 秋葉議員の御質問のうち、高校中退者がふえている原因、分析と今後の対応についてお答えをいたします。
 高校中退の原因につきましては、さまざまな要因が考えられるわけでございますが、中学校から高校への不本意なままでの入学、高校における受け入れあるいは適応指導が十分でないこと、保護者の意識の問題、あるいは高卒以上の学歴を求める社会的風潮などなどが考えられるわけでございます。そのため、中学校におきましては、入れる高校から入りたい高校という進路指導の転換を更に進めることにいたしておりますし、高等学校におきましては、特色や魅力ある学校づくり、また生徒の学習意欲を喚起する授業の改善工夫など、さまざまな必要な問題があるわけでございます。また、教員の指導力を高めるための研修の充実やスクールカウンセラーを増員配置するなど、生徒指導の充実の強化に努めてまいりたいと考えております。今後は、学校不適応対策会議や県高校生徒指導研究会におきまして、高校中退についての事例研究会を明確に位置づけまして、より一層の成果が上がるよう具体的な対策を講じることといたしております。
 以上でございます。
○議長(高橋健輔君) 四番秋葉賢也君。
◆四番(秋葉賢也君) 御答弁まことにありがとうございました。
 一点だけお伺いしたいと思います。
 中高一貫校について、知事御自身は設置の必要性を認められているわけであり、私もその方向に賛同するわけでございます。そして、今後の具体については、検討委員会で更に検討するというお答えでございましたが、知事御自身は、その設置に当たって、検討会の判断とは別に、新たにやはり設置をした方がいいと思っているのか、つまり施設用地も含めてですね。それとも、できるだけ統合されるような高校の片方を利用して、そういうものを利用しながら設置すべきだというのを重視されているのか、どちらなのか、答弁では明確ではなかったので、知事御自身のお考えをお伺いしたいと思うわけであります。
 例えば、宮崎県では、論旨でも述べましたように、一学年がたったの四十人でございまして、このわずかな生徒数に投下している県予算が、年間で一億五千万円前後になっております。したがって、従来の教育機関と比べますと、一人当たりの投資率というのは大変高い状況になっておりまして、私は広く設置されるべきだと思っているわけですけれども、そうしていくためにも新しく設置することを−−もちろん新しく設置するのはいいんですけれども、建物まで新しくするというのではなくて、既存のものを利用するということを重視しながら検討がなされるべきだと思っているわけでありまして、知事御自身のまずお考えを、検討会ではなくて、知事御自身のお考えをお伺いさしていただきたいと思います。
○議長(高橋健輔君) 知事浅野史郎君。
    〔知事 浅野史郎君登壇〕
◎知事(浅野史郎君) 秋葉議員の再質問にお答えをいたします。
 まず、この問題について、私があらかじめ何か方向を持っているというところまでは残念ながら行っておりません。そもそもこの中高一貫校の規模をどういったものにするかということも含め、実は形式的には、そもそも一貫校というものの必要性から議論していくわけでございますけれども、そういった意味で、どういった規模のもの、また場所についても決まっておりませんので、その意味では、新しいものでなければならないのか、既存のものも利用できるのかということをあらかじめ想定をしてということは難しいと思っております。答弁でもお答えをしたつもりでございますけれども、今秋葉議員が御指摘になったように、最低限のコストでという、コスト面も十分考えて−−これはおっしゃるとおりだというふうに思っておりますので、検討の中では、そういった利用できるものというものもあれば考えていくというのは、姿勢としては正しいのではないかというふうに存じております。
 以上でございます。